「コメットさんの日記」コラム

第1章「星力なんかいらない」:全てはここから始まった

 これは記念すべき第1作である。2001年、「コメットさん☆」に出会い、そ

れから間もなく、ちゃい25%さんのHPを訪れるようになり、そこで優れたSS

(ショートストーリー)を読んで「自分もこういうものを書いてみたい」と思っ

たのが最初のきっかけだった。そこで最初に書いたのが本編の最終回を予想した

ものだったが、とても短く、かつレベル的にもとても他の方々に読んで頂くだけ

の輝きがなかったこともあって公開していない。(掲示板に書き込んだだけなの

で今となっては公開しようもないのではあるが)でもそれから少しして、「カスタ

ネット星国の嵐を観て、

「あの白い貝殻をコメットさんに渡したのはケースケに違いない。だとす

れば、きっとケースケもほぼ同じものを持っているハズで、少なくとも1

度か2度はコメットさんと同じようにそれに耳を当てたに違いない。

その時、もしコメットさんの『こころの声』が聴こえてきたとしたら

そうだ、それで小説を書いて見たい、と思った。これが私が「コメットさんの日

記」を書くきっかけと言っていいと思う。で、実際書き始めてみたが、現在とは

違って文字は黒一色だったし登場人物の紹介もなく、また文章も現在よりはる

かに短いものだった。それでもその当時の自分としては思ったよりは表現出来た

らしく、「続きを書いてみたい」と思った。以来今日まで6年半以上、書き続けて

いる(笑)。

 

第2章「心の闇」(この作品全体のテーマ):コメットさん、アフリカへオリジ

ナルキャラ初登場

 「コメットさん☆」本編を観ていて、(「輝き」がメインテーマと思われ、その

対象年齢が低いことから、仕方がないと思うが)「心の闇」の描き方が、少し

甘い、と常々思っていた。そこで自分の作品では本編以上に「心の闇」に目を

向けたい、と思い、手始めに

「コメットさんがもし飢えと貧困にあえぐアフリカに行ったら、そこで彼

女は何を思い、どうするのだろう」

 これをテーマに書いてみたいと思った。それでコメットさんがアフリカに行く

ことになったのだが、この頃はまだ現地の様子を詳しく書く力はなく、概要を短

く書いたにとどまり、この後の章に比べてコメットさんの思いや行動を十分表現

する事が出来なかった。しかし、ジョン君というオリジナルキャラを初めて登場

させることは出来た。彼は教会の牧師を通して知ったフィリピンに住む病気の少

年と、私が国際飢餓対策機構を通してかつて里親になった少年がモデルとなって

いる。

 

第3章「アフガンの輝き」大きな転機!「キャラクターが動き出す」瞬

 この章を書くきっかけは、アフガンについての番組を観ていた妻がそのあまり

の悲惨さに「どうしたらいいの?」とつぶやいたことである。その様子を見て、

「コメットさんがもし銃弾飛び交う、アフガンに行ったら、この問題をど

う解決しようとするのだろう」

と思った。また前章の教訓を踏まえ、今度はコメットさんの現地での様子をもっ

と詳しく書こうと思った。ただ、この時はまだあらかじめ現地の様子をネット等

で詳しく調べる(取材する)ことはしておらず(そこまでする気力がなかったの

で)、これまで新聞等で得ていた知識を元に想像して書いたため、この後の「アフ

ガンの輝き2」に比べて臨場感がやや落ちる結果となった。しかし、この章は私

の小説の中で大きなターニングポイントと呼べるものでもあった。それは初めて

「自分で書いてはいるけれど、そうではない不思議な感覚」を味わい、キ

ャラクターが自分の当初の意志を超えて動き出すのを観た」

からである。この感覚は極めて主観的で誰もが感じられるものではないと思われ、

中にはこれを否定する人もいる。しかし、少なくとも自分にとってはそうなのだ、

と今では思うようにしている。でもそれ以上に、この感覚を味わうことが出来る

のをとても嬉しく思う。なぜなら

「これこそが私の小説の原点であり、小説を書く上で最も大切にしている

もの」

だからであり、

「この感覚がある限り、作品を書き続けることが出来る」

と思っているからである。

 この章の終盤にさしかかった時、これまでで最も難しい課題が目の前に立ち

はだかった。コメットさんのいる村がアメリカ軍に完全に包囲され、24時

間以内に総攻撃されることになっていた。何とかこのピンチを切り抜け、

村を守らなければならない。その時、

「こんな時、コメットさんだったらどうするだろう…。そうだ、『戦うので

もなく、かと言って逃げるのでもなく、コメットさん☆らしい自然な方法』

を見つけたい」

と思った。今にして思えば随分無謀なことを考えたものだと思う。一方、それが

かえって良かったのかな、とも思っている。それはとにかく、理論的には解決法

として以下の幾つかが考えられる。

1. コメットさんが星力を武器に戦い、アメリカ軍をやっつける

これは今日の多くのTVアニメで用いられている方法だと思うが、「さすがにこ

れはないだろう」と思った。

.コメットさんが星のトンネル等を使って包囲しているアメリカ軍から逃げる

これも米軍が攻撃をあきらめたわけではなく、逃げた先で攻撃を受けてしまうお

それもあるので「これも違う」と思った。

.コメットさんが星力を使ってアメリカ軍の武器を使用不能にする

そこで最初に考えたのがこれだが、1に準じた方法であり、「これも違うだろう」

と思った

4.コメットさんが何らかの方法を使ってアメリカ軍の司令官を説得し、攻

撃をあきらめさせる

次に考えたのがこれであり、「これならコメットさん☆らしい方法と言えるかも

しれない」と思い、何とかこれでやって見ようとした。が、しかし、これでは話

がウマ過ぎ、不自然になってしまうので、あきらめざるを得なかった。

そこで他の方法を考えようとしたが、ハタと行き詰まってしまった。いく

らない頭をしぼって考えてみても、コメットさん☆らしい自然な方法」な

んて全然浮かんでこないのである。

しかし、ある夜、帰宅途中に突然

.「暖かい雪作戦」(コメットさん達が世界中、更にトライアングル星雲

中の輝きを集めてアフガン全土を『暖かい雪』で覆い、村のみならずアフ

ガン全土で戦闘を中止させる)

が与えられた。これは決して「自分の力で考え出したもの」ではなく、

「自分以外のものの助けによって与えられたもの」と言うか「コメットさ

ん☆という作品自体の力が生み出したもの」とでも言うか、よくわからな

いのだが、少なくとも

「自分のこれまでの経験や常識からでは絶対に思い付かないもの」

であると確信を持って言える。

 いずれにせよ、これが与えられた時、からだが震える程の感動を味わっ

た。自分で作品を書いていて、このような経験が出来たことを本当に幸い

に思う。ラストで「これがあの娘の言った『輝き』なのか」とつぶやい

たマフード大佐の言葉は、あの時の私自身の言葉を代弁したものだと言っ

ていい。その時この「コメットさん☆」という作品のスゴさをまざまざと

見せつけられた気がした。そして

「これこそコメットさん☆らしい自然な方法であり、これしかない」

と思った。そこで早速これで書いてみた所、キャラクターの動きが実に自

然で、かつ「自分で書いてはいるけれど、そうではない(他からの助けに

よって書かせて頂いている、とでも言うしかない)不思議な感覚」を味わ

う事が出来た。今から思うと、あの時が「キャラクターが作者の当初の意

志を超えて動き出すのを観た」瞬間だったのだと思う。またこれを境に、

作品に対するレスポンスを頂くようになった。その中で最大のものは

MZ1500さんから頂いた挿し絵だった。こちらから頼んだわけでもないの

にコメットさん、メテオさん、スピカおばさま、ミラさんの4人が星力を

集中させるシーンを描いてくれ、ものすごく嬉しく思った。なお、このシ

ーンは約1年後に「コメットさんの日記」を本にした時の裏表紙として自

分でも描くことが出来、とても嬉しく思っている。

 

第4章:「メテオさんと北風ピープー」メテオさんに愛の手を

 この作品を書くきっかけはMZ1500さんの、

「『ノコシタオバケがやってくる』でメテオさんが無責任に思えたので、誰かフォ

ローして欲しい」という

ちゃい25%さんの掲示板への書き込みを見て、自分が書いてみたい、と思った

ことである。

 この作品はオリジナルキャラが登場せず、鎌倉が主舞台など、これまでの作品

の中では本編に最も近いと言えると思うが、「もしメテオさんが北風ピープー

を本の中に戻そうとしたら」というテーマで書いてみた。幸いMZ1500さん

からは「ナイスフォロー」と言って頂き、嬉しく思っている。

 

第5章「動画ビト」:凡才・HIDEさんとの出合い「輝き自然度チェック」

の誕生と超人気オリジナルキャラ「ヒデさん」登場(笑)

 この章を書くきっかけは「コメットさん☆」の動画を描いていた凡才・

HIDEさんのちゃい25%さんの掲示板への書き込みを観て、ファンとして

(本編放送時に創り手の方と直接交流出来ることは「夢のよう」なことだ

と思うので)とても嬉しく思うと同時に、

「このように大変素晴らしい輝きの作品の創り手の方々に自分の作品を通

して感謝の気持ちを表したい」

と思ったことだった。そこで、

「もし、星国でもひめさまの地球での様子がアニメとして放送されていた

ら…」

をテーマに、ご本人に「ヒデさん」として登場頂き、星国でのアニメーシ

ョンの創り方などを紹介して頂いた。最後のひめさまからの感謝の言葉は

その時の私の気持ちを代弁したものである。この「ヒデさん」はこの後、

「星の絆2」、「アフガンの輝き2」、「いのちの最後の輝き」、「星国のバト

ントワリング大会」、「星国のワールドカップ」、「星国のサーキット」に登

場している、超人気オリジナルキャラ(笑)になっていくのである。

 一方、この作品のもう一つの特徴の「輝き&輝き自然度チェック」の誕

生のきっかけは「星国の番組の評価の際には

視聴率よりも、そこから受ける輝きが重視されるにちがいなく、何らかの

方法でその量(程度)をチェックする事が必要だろう」

と思ったことだった。更に作品を進めていくうちに、

「輝きの量だけでなく、その質(自然であるか)も大切だ」

と思うようになり、これがきっかけで「輝き自然度チェック」という「こ

とば」が誕生した。この当時は気付かなかったが、この言葉は予想以上に

応用範囲が広く、「星の絆2」では裁判の証言の真偽の判定に、「星国のバ

トントワリング大会」では演技の審査に、そしてこれを含む自分の作品を

他の方に観て頂く時などに使われており、今では私の作品の特徴的な概念

の一つとなっている。

 

第6章「わたしはだれ?」2人の「姫様」としし座流星群

「ポイント小説」への挑戦

 この章の最大の特徴は何といっても冒頭の

メロンソーダさんの小説「いつもと何かがちがう日」からの引用

である。この最初のきっかけは当時はまだ途中までしか出来ていなかった

この作品を読んで、

「この、『もしコメットさんとメテオさんが入れ替わったら〜』、というテ

ーマは非常に面白く、是非自分でもやって(書いて)みたい」

と思ったことである。更に、どうせだから最初から自分で書くのではなく、

冒頭部は同じで、そこから「もし自分だったらどう書くか〜」をテーマに

書いて見たい、と思い、早速メロンソーダさんに許可を求めたが幸いにも

こころ良く許可して下さった。おかげで通常の「リレー小説」とは異なり、

ある所(ポイント)からストーリーが分岐し、原作との違いを楽しむこと

が出来る「ポイント小説」(仮称)が誕生することとなった。実際書いてみ

ると、最初はわずかな違いだったものが、次第に違いが大きくなり、ラス

トではかなり大きなものになったのではないかと思う。また、この作品で

は、星力を集める時の2人の対照的なセリフなど、少し詩的な要素も取り

入れ、テクニック的にも楽しむことが出来た。更にこの作品は私の作品の

中で最もギャグ的要素が強く、その意味でも楽しんで書くことが出来、良

かったと思っている。また、2人がお互いに

「自分がもし相手だったら、どう考え、行動するだろう」

と考え、その結果出会うことが出来たことは2人にとって大きな成長のき

っかけになったと思われる。お悩み解決ビトの言葉を通して、

お互いは思った程違ってはいないらしい、

ということに気付いた2人はこの後、次第に「真の友達同志」になってい

くのである。この作品が出来た直後、本編でも「自分がもし相手だったら

どうするか」がテーマの一部として取り上げられていて、あまりのタイミ

ングの良さに思わず、(スタッフがこの小説を読んでいたんじゃないか)

と思ってしまった(んなハズはないのだが:爆)。一方、この作品のもう一

つの特徴である「しし座流星群」については、直前に家の近くで実際に観

たことがきっかけで登場させることになった。あの時は都市部にもかかわ

らず、極大時には1時間あたり1000個以上もの流れ星が見え、

「こんなに観えちゃっていいの?」と思う程、ものすごく

感動した。

それと同時に星の導きも感じた。それを元に書いたため、ラストがよりリ

アルなものになったと思われる。また、この頃までに作品が次第に長くな

り、この作品からこれまで1つのファイルだったものが2つ以上に分ける

ようになった。

 

第7章「星の絆2」ラバボー、星国へ親友クラリス登場

 この章を書くきっかけは、もちろん本編「星の絆」を観て、

「もし、あの裁判が本物で、ハモニカ星国で行われていたらどうなっただ

ろう」

と思ったことである。そして「星の絆」の続編とし、冒頭部分は「星の稀」

の予告編を観てイメージしたものを参考に書き始め、今度はコメットさん

が裁判に参加する形をとった。また当初は裁判(ラバボーの弁護)にはコ

メットさんだけが参加する予定だったが、ストーリが進むに従ってやはり

優秀なブレーンが必要だと感じるようになり、またコメットさんには星国

に帰ればきっと親友がいるにちがいない、と思ったことから、同い年の親

友クラリス王女を弁護人として登場させた。クラリス(ラ=クラリス=バ

イオリン)王女は言うまでもなく、あのクラリス=ド=カリオストロ王女

がモデルとなっている。こちらは更に小星国の王女としての、コメットさ

んに次ぐ身体的ならびに星使いとしての能力と、金田一少年には及ばない

ものの、明智警視並み(笑)のIQ150 (ちなみにコメットさんは110に設定)

の頭脳を持つ理想的なキャラクターに設定したが、その魅力はコメットさ

んにははるかに及ばなかった(笑)。当初はコメットさんがラバボーの弁護

をすれば、裁判には比較的楽に勝てる、と思っていた。しかし、ストーリ

ーが進むにつれ、それは甘いことが明らかとなった。それどころか、(ラバ

ボーを助けようとした)コメットさんの言葉が逆にラバボーを追いつめて

しまう、という皮肉な結果となった。これは予想外の結果だったが、この

部分は予想以上に多くの人の支持を集めたらしく、自分でもよく表現出来

たと思っている。特に凡才・HIDEさんがこの章を読んで

「今回もレベルの高いシナリオに仕上がっていると思います。星国の様子

もそうですが、今回のシナリオのメインである裁判の様子が特にうまく書

かれていて、裁判の緊張感が、読んでいるこちらにまで伝わってきました。

今すぐにでも、本編のシナリオになってもおかしくはない内容だと思いま

す。本気でこちらの道を目指してみては?」

凡才・HIDEさんの書き込みより引用)と書いて下さったのをみて、もの

すごく嬉しかった。もちろん当時は現在に比べても小説の輝きのレベルは

まだまだで、(今でさえまだまだ本編には遠いと思っているが:苦笑)、当

時はこの言葉を素直に受け取ることは出来なかったが、本編の創り手の方

からあのような言葉を頂いたことはすごく自信になったし、今日まで小説

を書き続けるための大きな力になったことは確かである。今では「こちら

の道」も目指しているつもりだが(笑)、この言葉は一生忘れないだろうと

思う。

 また、ラバボーが有罪か否かについてみなさんに意見を伺い、その結果

を載せることが出来たのも初めての試みだったが良かったと思う。この成

功により、その後読者の意見も取り入れながら一緒に小説を創っていく今

のスタンスが出来ていったと思う。それから当初はラバボーは完全「無罪」

にする予定で、そうしようと努力した。しかし、ストーリーを進めていく

ちに、どうしても無理なことがわかり、結局「実質無罪」となった。一

方、「その1」のラストでクラリスが「さあ、反撃開始よ!」と言った所は、

当初「ここは是非こうしたい」と強い思い入れを持っており、それが予定

通り実現した数少ない部分である。

 

第8章「アフガンの輝き2」ひめさま、再びアフガンへ再び大きな転機!ようやく文字がカラーに

 まずこの章を書くきっかけとなったのは、その少し前に、アフガン暫定

行政機構が誕生する直前にカルザイ議長派とマスード司令官派の対立が起

こり、暫定行政機構の成立が一時危ぶまれたことである。そこで「このよ

うなアフガンに、もしコメットさんが行ったら…」をテーマに、書き始め

た。また、当初はメテオさんの試みはすぐに失敗する予定だったが、予想

以上にうまく行ってしまったことは意外だった。いずれにしても、表には

出て来ていないが、誰かまたはあるグループが実際に対立する2人(つの

勢力)を何らかの方法で和解させた、ことは確かで、ここに大きな希望を

見出せると思う。

 この章の最大の特徴は何と言っても、文字がカラーになったことである。その最初のきっかけはメロンソーダさんの文字がカラーで、しかも登場人

物によって文字の色が異なる小説を読んで、「とても読みやすく、是非こち

らでも取り入れよう」と思ったことである。考えてみれば、ノーベル賞作

家の小説も、自費出版の素人が書いた小説も、本として出版されたものは

ほぼ全て文字は黒一色である、というのはこの(写真や各種映像がカラー

の)時代にちょっとそぐわないような気もする。しかし、かくいう自分も

メロンソーダさんの文章を見るまでは、簡単に出来るにもかかわらず、全

く疑問を感じずに黒一色で書いていた(苦笑)。技術的に十分可能にもかか

わらず、文字がカラーにならないのは本として出版する場合、コストがか

なり割高(恐らく2-3倍程度)になってしまうためと思われる。しかし、

ネット上であればコストはほとんどかからないので問題はなく、最近はネ

ット上ではカラー化がかなり進んで来ているようである。しかし、まだ少

ないと思うし、ネット上以外では相変わらず黒一色である。一方、これま

での経験から、

1登場人物による色分けはであり、これを超えるとかえっ

て読みにくくなる、

.色は黄色等の見にくい色は避けるなどの工夫が必要だが、一方、文字の

字体や大きさとうまく組み合わせて使えば文章では現しがたい登場人物の

微妙な感情も表現可能である。

などの事がわかってきつつあるがまだまだ経験が必要なようである。

 次にこの章のもう一つの特徴として、あらかじめ現地の様子をネットで

初めて本格的に調べて(取材して)書いた、ことが挙げられる。特にカヴ

ールの様子はカブール市内の実際の地図を元にして書いたため、輝き自然

度が第3章に比べて格段にアップしていると思う。ただ、残念ながら実

際に現地に行って取材したわけではないので、現地に行った場合と比べる

とまだ少し(輝き自然度が)落ちるのではないかと思う。

 それから、その4でコメットさんが変身した時にウサマ・ヒン・ラディ

ンの影武者の命令にもかかわらず、兵士が銃を撃たなかったシーンは、迷

ったが、

「彼らもひとりの人間であり、イスラム教徒でもある。こうなるかは非常

に微妙だと思うが、ここは彼らの人間性にかけてみたい」

と思い、このようにすることにした。ちなみに、もし撃ったとしても、星

の子達によってはられるバリヤーによって守られるので、今では「まあい

いか」と思っている(笑)

 そして書いていて最も印象的だったのは、その4での

「ウサマ・ヒン・ラディンとの対決シーン」だった。

 あの場面では普通(のアニメなら)「ムシャラクさんも殺してしまうんな

んて、絶対に許せない!エトワール!」とか言いながら(笑)ウサマ・ヒ

ン・ラディンを倒そうとする、と思う。でもこの章の課題は

「ウサマ・ヒン・ラディンを倒す」ではなく、それよりはるかに難しい、

「ウサマ・ヒン・ラディンと『和解する』(この場合はたとえ一瞬でもここ

ろを通わせる」

なので、はたと行き詰まってしまった。が、しかし、ある時、自分ではそ

うするつもりはなかったにもかかわらず、

「コメットさんが、ウサマ・ヒン・ラディンを倒そうとしたり、批難する

のではなく、それどころか自分の方から謝ってしまう」

というストーリーになった。これには自分も非常に驚き、思わず、

「コメットさんにこんなことをさせていいの?」

と(自分で書いておきながら)思ってしまった程である(爆)。

でも後で冷静になってよ〜く考えて見ると、ウサマ・ヒン・ラディンと

こころを通わせるには、「これしかない」とも思う。いずれにせよ、この「コ

メットさん☆」という作品のすごさをまざまざと見せつけられた気がした。

 

 

最終章「いのちの最後の輝き」究極のテーマ「生と死」ネメシスさん

との別れ/ヤベツさん誕生

 まず、この章を書くきっかけの一つとなったのは、MZ1500さんの「(第

6章で登場した)ネメシスさんがなぜ、独りで地球に来たのか」という質

問だった。そこで自分なりに色々考えてみたが答えを出せないでいた。し

かし、ある時「そうだ、ネメシスさんは元々星力が使えなかったから、

違いない。これをネタに小説を書いてみたい」と思った。そして、もう一

つのきっかけは、本編では正面から取り上げられることはなかったが、

この作品の究極のテーマと思われる、「生と死」をテーマに書いてみたい、

と常々思っていたことである。これまではその機会がなかったが、最終章

を迎えるにあたってこのテーマで書くことを導かれた。そこで、重い病に

かかったネメシスさんを主人公に、「生と死」をテーマに書くこととなった。当初からネメシスさんが「一人の少女」と出会うことになる、ことは決ま
っていたが、具体的にその少女が誰なのかはわからなかった。しかし、書

き進めていくいうちに、当初の予定とは異なって、何と「メテオさんの双

子の妹」(ヤベツさん)に決まっていった。本編では、メテオさんの兄弟の

存在は肯定も否定もされていないので、「もしメテオさんにふたごの妹が

いたら…」という設定で書いていったが、今では正解だったと思ってい

る。

 それから、忘れることが出来ないのは、その1でネメシスさんに対し、

当初厳しい病状をそのまま伝えてしまった私に対し、「この部分は患者本

人に病状を伝えるなど、不自然な所があります。ネメシスさん(などの登

場人物)の幸せを第一に考えてあげて下さい」

との雪山雪男さんの輝き自然度チェックである。これを受けて、この部分

の私のセリフが意味は同じでもネメシスさんにも希望を与える表現に修正

され、いつの間にか「作者としてのおごり」を見せてしまった私の誤りが

正されたことを幸いに思うと同時に、作品を書くにあたっての最も大切な

ことの一つを教えられたな、と思う。一方、MZ1500さんがヤベツさんと

メテオさんとの「対決シーン」を読んでわずか2秒でイメージしたイラス

トを描いてくれ、とても嬉しく思った。また、この章は「生と死」につい

てコメットさんが様々な人に尋ねることを通して正面から取り上げる形式

をとっているが、これはコメットさん☆だからこそ出来た、と思っている。

私などのいわゆる普通の地球人が尋ねても、ほとんどの人は答えてくれな

いと思われるが、13才の少女であり、かつハモニカ星国王女のコメット

さんなら、思わず答えてしまうからだと思う。結果、華心さんの衝撃的な

レスを初め、すばらしいレスポンスを得ることが事が出来、とても嬉しく

思った。また、この部分はリアリティを上げるために、コメットさんの質

問を小説に書いてある通り、ちゃい25%さんの掲示板に(実際に)書き、

そこに(実際に)書かれたレスを小説にも書く、という、現実と小説(の

世界)との融合を試みている。これまではこのような手法はほとんどみら

れなかったが、ごく最近、一部で見られるようになり、嬉しく思っている。

最近の技術の進歩により、これまでは小説の中の出来事だったものがどん

どん現実のものになり始めている。よって今後は同様の手法をとる小説等

が増えてくるのではないかと思っている。

 そしてメテオさんとヤベツさんが生まれたアトランティワナはヤベツさ

んが登場することが決まったあたりから構想がまとまり始め、イメージイ

ラストが小説より先に完成した。イラストの最大の特徴はアトランティワ

ナ中心部にそそがれる「緑色の光の帯」だが、なぜかよくわからないが最

初にあのようにイメージされた。恐らく「いのち」を象徴したものと思わ

れる。そして最後に「生と死」についてそれぞれが見い出した答えを書い

たが、これに関しては

1.               いわゆる「正解」があるわけではなく、人によって、また同じ人で

  も人生経験の長さによって様々な「答え」が存在する。

2.               大きく分けて否定的な見方と肯定的な見方があり、そのどちらも真   

  実である。

3.               「答え」そのもの以上に、「その時の自分にあった『答え』を見い

  出していくこと」が大切である。

以上のことに気付くことが出来、感謝している。なお、このテーマに関し

ては、より深いレベルでもう一度書くように導かれており、いつになるか

は未定だが、多分、第3シリーズの最後になると思う。

 

エピローグ:最終回の向こう側そして新たな「日記」へ

 この部分はこれまでのまとめと、本編最終回からの各キャラクターがど

うなっているかを想像して書いたものである。ただ、当初はメモワール=

ド=エトワールが出ていなかったので、読んだ後は書き直している。そし

てその後も今に至るまで、新しい知見が得られる度に、少しづつ書き直し

たり、挿し絵を追加したりしている。なお、本編最終回でコメットさんがケースケと会った場所は、現在ではモナコではないとの見方がむしろ有力

になっているが、この作品では当初の見方通り、モナコであるとの設定に

している。今後も必要に応じて手直しをしていきたいと思う。

「新コメットさんの日記」コラムに続く

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