「新コメットさんの日記」 プロローグ

コメットさん:21才。ハモニカ星国の王女。保育園の先生になるという夢

をかなえるために地球に再びやってきた。「星力」を使う事の出来る「星使

い」でもある。17才から「愛力」も使えるようになる。保育園の先生を

目指し、専門学校で勉強中。

メテオさん:21才。カスタネット星国の王女。コメットさんを追って同じ

く自分の夢をかなえるために地球にやってきた。「星使い」でもある。6年

前に歌手デビュー。

ヤベツさん:21才。メテオさんのふたごの妹。地球留学の準備のため、初

めて日本にやってきた。7年前アトランティワナでメネシスさんから「い

のちの最後の輝き」をもらってから「愛力」も使えるようになる。

景太郎パパ:コメットさんがお世話になっている藤吉家の主人

佐也加ママ:景太郎パパの妻であり、ツヨシくんとネネちゃんのお母さん。

剛(ツヨシ)くん:12才。景太郎パパ達のふたごの兄

寧々(ネネ)ちゃん:12才。同じくふたごの妹

三島圭佑(ケースケ):23才。コメットさんの「星の恋人」。18才でライフセー

バー試験に合格し、資格を得る。世界一のライフセイバーとなる夢をかなえるた

めにオーストラリアで修業中。

まきこさん:20才。コメットさんが通う専門学校の親友。

 

2009 3/1 7:30

 みなさん、お久しぶり。ハモニカ星国王女のコメットです。わたしは今、藤吉

家に再びお世話になっています。これまで専門学校で保育園の先生になるための

勉強を続けてきました。そして今日、無事卒業の時を迎えました。

 

「おはようございます」

「おはよう。コメットさん。とうとう、卒業ね」

「ありがとうございます。この日を迎えられるのも、佐也加ママや景太郎パパや、

みんなのおかげです」

「お早うコメットさん」

「おはようコメットさん」

「お早う。ツヨシ君、ネネちゃん」

「お早う。コメットさん。おめでとう。今までよく頑張ったね」

「ありがとうございます。景太郎パパにもお世話になりました」

「みんな〜出来たわよ〜。今日はコメットさんの大切な日だから、気合いを入れ

て作ったわよ〜」

「いただきま〜す!」

「うん、こりゃウマイ〜」

などという景太郎パパの声を聞きながら、わたしはこれまでのことを振り返って

いた

「ピンポーン」

「あ、まきこさんだ」

「コメットさ〜ん」

「ハ〜イ!ちょっと待ってて、すぐ行くから」

 まきこさんはわたしと一緒にエトワール専門学校に行っている同じクラスの親

友で、わたしが2年前、入学した時に、色々親切に教えてくれた。わたしがこう

して無事卒業を出来るのも、彼女による所が大きいと思う。

「それじゃー行ってきます〜☆」

「気を付けてね。私達も後から行くから」

「ありがとう。ごめ〜ん。遅くなって」

「さ、早く行きましょう」

 わたし達は江ノ電で稲村ケ崎駅から鎌倉駅に向かい、駅近くの美容院で髪を整

えてもらった。それからJRで大船駅に向かい、そこから歩いて学校のある小高

い丘に向かった。美容院が予定より早く終わっため、まだ登校してくる学生はほ

とんどいなかった。途中の林の中で、わたしは周りに誰もいないことを確認して

言った。

「ねえ、こっちへ来て。あなたに見せたいものがあるの」

「何?」

「まきこさん、今まで色々助けてくれてありがとう。今日一緒に卒業でき

るのも、あなたのお蔭よ。実は、わたし、地球から4千万光年も離れてい

る、ハモニカ星国の王女なの。これがわたしの本当の姿」

と言って、アガペー変身した

 

 わたしは既に愛力を使えるようになっていた。17才のある日、「輝きの元であ

る方」と出会ったことがきっかけだった。そのころわたしは自分の将来進むべき

道について悩み、このまま地球に留まって保育士になるための勉強を続けるか、

一旦星国に戻り、星国の王女としての勉強をしつつ、地球の高校卒業の資格が得

られるまで星国で過ごすか迷っていた。そんなある夜、まばゆい光と共に、「あの

方」がわたしの目の前に現れて言った。

「コメットさ〜ん」

「ハ〜イって、あなたは誰?」

「そうだな。『輝きの元である方』でいいよ。そう呼んでいる者が多いから

「『輝きの元である方』、どうしてあなたはわたしの前に現れたの?」

「それは君が『コマッタさん』だからだよ。君が愛力を使えるようにして

あげようと思ってね」

「愛力はどうすれば使えるようになるの?」

「愛力を使えるようになるには私と出会い、私から力を受ける必要がある

んだ」

と「輝きの元である方」は光り輝くバトンのようなものを出して言った。

「わたしの力をあなたの愛力に変えて、アガパオー!」

 すると、わたしはオレンジ色の光に包まれ、その光が消えた後、新しい姿に

なっていた。ラブリン変身の時と似てはいるが、くつや手袋にオレンジ色のハー

トが描かれていた。また、首からかけているものも、まわりが黄色でハートの部

分がオレンジの、アガペーハートになっていた。それから、バトンは輝きの求道

者さんが持っているものと同じ、一方が銀色の星と地球、もう一方が周囲が黄色

でハートの部分がオレンジ色になっていた。(挿し絵参照)

「これが

「アガペーバトン&ドレスだよ。気にいってくれたかな。もう君は愛力を

使うことが出来るよ」

「輝きの元である方、わたしに力を下さい。あなたが持っている力をどう

かわたしの愛力に変えて、アガパオー!」

 すると、わたしに力と勇気が与えられ、不思議とこころが落ち着き、このまま

地球にとどまることを決断することが出来た。

「ありがとう。輝きの元である方。こころがすっきりしたわ」

「これからは私のことを想うだけで、愛力を使うことが出来るよ。それじゃー」

「あ、待って〜」

わたしははっと目を覚ました。

「今のは夢?」

 それにしてはリアルだった。そこでわたしは愛力を使うことが出来るか試して

みた。目を閉じて「輝きの元である方」のことを想うと、あの姿に変身すること

が出来た。やっぱり夢ではなかったのだ。

 それから約4年がたってわたしは大分愛力を使いこなせるようになっていた

「どう?びっくりした?今まで黙っていてごめんなさい」

 と言ってわたしがまきこさんを見ると、彼女はただ微笑んでいるだけだった。

そして、彼女の次の言葉にわたしの方が驚いた。

「やっぱり、あなたは愛力を使えるのね。実は私も愛力を使えるのよ。今

まで黙っていてごめんなさい」

 彼女が目を閉じると、たちまち、わたしと同じような姿に変身した!そして更

に驚いたことに、アガペーバトンの前で手を組んでこう言った。

「輝きの元である方、私にもっと力を下さい。あなたが持っている力を私

の輝きに変えて。アガパオー!」

 すると、まばゆい光と共に、さっきとは違う姿に変身した!ドレスの色が黄色

とオレンジになっていた。また、バトンの星の色が金色に変わっていた。

「これが、スーパーバージョンよ。さっきよりたくさんの愛力を使うこと

が出来るのよ。どう?びっくりした?その様子じゃまだスーパーバージ

ョンにはなったことがないみたいね。でも本当はもう使えるようになって

いるんじゃないかしら」

「まきこさん、あなたいったい

わたしはそれだけ言うのがやっとだった。

「あら、私は輝きの求道者さんと同じただの地球人よ。あなたみたいに(星

国の)王女じゃないわ。ほら、冠がないでしょ?」

言われてみれば確かにそうだった。

「まきこさん、あなたも輝きの求道者さんを知っているの?」

「ええ。もちろんよ。あの人は私の両親の知り合いなの。両親も愛力を使

えるのよ。私も13才の頃から使えるようになったわ。もちろん輝きの元で

ある方はあの人とは別よ。だってあの方はあの人が生まれるずっと前から

いらっしゃるんですもの。本当はこのまま卒業式に出たいけど、ちょっと

そうもいかないわね。輝きの元である方、私にもっと力を下さい。あな

たが持っている力をどうか私の愛力に変えて。アガパオー!」

すると、まきこさんは袴姿になった。

「きれい。あ、わたしも変身しなきゃ。ン?」

わたしは「何かあたたかいもの」を後ろに感じて思わず振り返ったが、何

も見えなかった。しかし、次の瞬間、自然とこう言っていた。

「輝きの元である方、わたしにもっと力を下さい。あなたのもっている力

をわたしの輝きに変えて。アガパオー!」

今度はわたしもスーパーバージョン(挿し絵参照)に変身することが出来た。そ

れからわたしも袴姿(挿し絵参照)になり、一緒に丘の上に向かった。

 

10:00

 それからわたし達は卒業式に臨んだ。心あたたまる式だった。卒業証書をもら

った時は、感動で胸がいっぱいになった。

 わたしとまきこさんは4月から、かつてツヨシくんとネネちゃんが行っていた

雪ノ下保育園で常勤の保育士の見習いとして働くことになっていた。専門学校に

入学してから既に非常勤で働き始めており、大体の様子は分かってきていたが、

来月から子供達とずっと一緒にいることが出来るのをとても楽しみにしていた。

そして、8月下旬に筆記試験、10月中旬に実技試験が行われる保育士試験に合

格した後、来年4月より正式に採用されることになっていた。

(この試験に合格すれば、わたしの夢がかなうんだわ。ここまで願い続け

てやってきて本当に良かった)証書をもらう他の学生達の姿を見ながらわたし

はそう思った。

 謝恩会が終わった後、わたし達は星のトンネルで藤吉家に向かった。

「ただいま〜☆」

「おじゃましま〜す☆」

「おめでとうコメットさん」

「おめでとうまきこさん」

「ありがとう」

「どうも、ありがとう」

「コメットさん、そのアガペードレス、今までのものとは色が違うね」

「あ、まきこさんも変身してる!まきこさん、もしかして愛力使えるの?」

「ええ。そうよ。今まで黙っていてごめんなさい」

「これはスーパーバージョンよ。この姿だと、今までよりたくさんの愛力を使え

るのよ」

「そっか。2人とも早く上がって。みんな待ってるよ」

「は〜い」

わたし達が台所兼食堂に行くと、景太郎パパと佐也加ママがいた。

「卒業おめでとう。コメットさん。まきこさん」

「おめでとう。2人とも、よく頑張ったわね」

「ありがとうございます」

「ありがとうございます」

「さあ、今日は2人の無事卒業を祝って乾杯!」

「かんぱ〜い!」

みんなの声がこだました。わたしはそれを聞いてとても嬉しく思った。

 

17:30

 それからわたし達は色々話したが、しばらくして景太郎パパがふと、思い出し

たように言った。

「実は、まだ、みんなには話していなかったんだけれど、来月から、仕事

の関係でオーストラリアに引っ越そうかと思っているんだ」

「私も少し前に聞いたばかりなんだけどお父さんの仕事がとうとう海外

の方に認められたのよ!先月オーストラリアのシドニーの近くに住んでい

る方がいらして『お父さんと是非一緒に仕事がしたいから、こっちに来て

欲しい』って何度も頼まれたのよ。お父さんもずい分悩んだそうだけど、

私が『せっかくのチャンスだから、一緒に行きましょうよ』って言ったの。

そしたらお父さんの気持ちも固まったみたい」

「景太郎パパ、おめでとうございます。スゴイじゃないですか。気をつけて行っ

て来て下さいね」

「ああでもコメットさん、私だけが行くわけじゃないんだ。ママやツヨ

シやネネも一緒に行くことになると思うけどコメットさんはどうす

る?」

「え、わたし一緒に行きたい」

「でも、私と一緒に保育園に行けなくなっちゃうよ。それでもいい?」

「それは

「コメットさん。こういうことはよく考えた方がいいわよ。まだ少し時間

もあるし

「はい

「お前達はもちろんパパ達と一緒に行くよな」

「ツヨシ君も」

「ネネちゃんも、もちろんオーストラリアに行きたい」

「あっちに行けばケースケ兄ちゃんにも会えるし…」

「え!ケースケに会えるって!ほんと?」

「そうだな〜そこからはケースケのいるところまではすぐ近くだから、毎日でも

会おうと思えば会えると思うけどな…」

それを聞いてわたしは思わず、

「景太郎パパ、わたしやっぱり一緒に行きます!」

と言った。

「おいおいコメットさん、そう急がなくても〜」

「やっぱり、この私より、ケースケ君の方がいいのね」

「えへッ☆」

「でも一つ困ったことがあるの」

「何ですか?」

「ツヨシ達の学校よ」

「向こうは日本と違って普通は9月が新学期なんだ。日本人学校の中には4月が

新学期の所もあるけど、パパ達が住む町は小さいからないし、シドニーまでいけ

ば幾つかあるみたいだけど、話が急だったから、来月からの入学は手続きが間に

合わないんだ」

「そうなんだ

「家庭教師をやとうのも難しいし、9月までは家で面倒を見るしかないかなって

思ってるんだけど…」

 

「何ですって。オーストラリアに行くですって。コメット、本当なの?」

「メ、メテオさん!」(い、いきなり〜)

「みんな、驚かせてしまってご免なさい。それからコメット、卒業おめで

とう。これは私からの贈り物よ」

「メテオさん、これ

「ええ。カスタネット星国から取り寄せた花よ。きれいでしょ〜」

「本当にどうもありがとう

わたしは胸がいっぱいになってそれだけ言うのがやっとだった。

「頑張った星の子達に『ごほうび』をあげるのは星国の王女として当然で

すわったら当然ですわ」

とメテオさんはサラリと言ってまきこさんを見ると、

「あら、たいへん。私ったら、あなたにこれを渡すの忘れてたわ。まき

こ、あなたはやっぱり愛力が使えるのね。私も早くヤベツみたいに愛力が

使えるようになりたいわ。ってあれ?あなたに渡す花束、確かこの辺にお

いたハズなんだけど

と言った。

「お姉様〜。忘れてますよ〜」

「ああ、ヤベツ。ありがとう。まきこ、おめでとう」

「ありがとう。ヤベツさん、初めまして。こうしてみると、本当にお姉さんとよ

く似てるわね。地球(ここ)には初めて?」

「いえ、2回目よ。最初は7年前、アフガニスタンという所で大地震があ

った時よ。でも日本に来るのは初めてだわ」

「ヤベツさん、いつから地球に?」

「今朝からよ。私、4月から地球に留学することになったの。その前にお

姉様から色々聞いておこうと思って。あさってまではいるつもりよ。それ

と、あなたのところにこれ届いた?」

ヤベツさんは一通の手紙を取り出した。

「あ、これ星国のバトントワリング大会の招待状だね。うちはまだだけど」

「後で届くと思うけど、大会は5/5にカスタネット星国のカスタネット星

で開かれることが決まったわ。それと各星国代表チームのメンバーも一応

決まったわ。まだエントリーの変更は可能だけど」

「ツヨシ君達もちゃんとメンバーに入っているよ。あ」

わたしは急にあることをひらめいた。

「ねえ、ツヨシ君、ネネちゃん、わたしと一緒にハモニカ星国に留学しな

い?今までわたしがここでお世話になったから、今度はわたしが2人のお

世話をするの。星国は輝きいっぱいだし、バトントワリング大会にもその

まま出れるし、とっても楽しいよ」

「ツヨシ君もちろん行く!」

「ネネちゃんも、もちろん行く!おととしはちょっとしか行けなかったし

「来月1日から行って、わたしの保育士の筆記試験がある8月に一緒に帰

ってくればいいよ」

「ウン、ねえ、お父さん、お母さん、いい?」

「お前達、大丈夫かしばらく父さん、母さんに会えなくなるんだぞ

「コメットさんがいるから大丈夫!」「ネネちゃんも大丈夫」

「確かにコメットさんももう大人だしちょっと心配だけど

「だいじょうぶです。星国にはわたしの両親もいるし、星国には悪い人もほとん

どいないし、星の子達が守ってくれますから地球よりもずっと安全だと思いま

す」

「いい経験になると思うけど…どう?パパ?」

「かわいい子には旅をさせろ、か」

「そうよね。コメットさん、2人をよろしくお願いします」

「わかりました」

「しばらく2人の生活になるけど、久しぶりにそれもいいかもな」

「ええ」

「ってことは来月からコメットは星国に帰るってことかしら?」

「ええ。そ              うだけど

「このわたくしを置いてひとりで帰ってしまうのね〜。でもこっちもスケジュー

ル混んでるしそうだわ、ヤベツ、あなたが私の代わりになればいいんだわ。

いちいち変装して留学しに来る必要もないし、どう?やってくれる?」

「ハイ、私、お姉様の身代わり、慣れてますからただ、お姉様の恋人の

イマシュンさん、とっちゃっていいですか?」

「それはダメよ!いくらあなたでも、それは許さないわ!彼にしばらく会

えなくなるのは残念だけど、彼には事情を話すしかないわね。どうせ彼に

はすぐにばれてしまうことだし。どうしても会いに行きたければ、会い

に行けばいいんだわ。よし、決まり!じゃあ、コメット、バトントワリン

グ大会、楽しみにしてますわよ。まあ、今年も、わたくしとヤベツの最強

ふたごコンピパワーで私のチームが優勝するに決まってますわ、ったら決

まってますわヤベツ帰るわよ」

「ハイ、お姉様」

2人 が帰ってすぐ、まきこさんも思い出したように言った。

「あ、そろそろ、私も帰らなきゃ。ねえ、コメット、9月からはどうするの?

オーストラリアに行く?」

「そこまで考えてなかった園長先生には悪いけど、わたし、向こうで考え

たい。だってとっても大事なことなんだもの。でも筆記試験に合格したら

10月に実技試験があるから、とりあえずそれまでは日本にいるかもしれ

ないけれど…」

「そうね。あの先生ならちゃんと話せば、わかってくれるよ。それじゃ〜私はこ

れで。みなさん、どうもありがとうございました」

「また来て下さいね。来月からはしばらく会えなくなるからー」

「はい、また来ます」

「玄関まで送るよ」

玄関でまきこさんはわたしにこう言った。

「コメット、今日のことはあなたにとってとても大事なことだから、輝き

の元である方にも聴いた方がいいと思うわ」

「ええ、わかってるわ。でも、その前に報告したい人がいるの」

ケースケ君ね。もう、コメットったら〜☆でも、彼ともしばらく会えな

くなるわね」

「今までもそうだったし、それに、あなたに言ってなかったけど、わたし達、恋

力を使って毎日お互いの姿を見てるから

「そんなことが出来るんだ。じゃあ、今度紹介して」

「ええ」

「ああ〜私にも彼みたいなステキな人がいたらなぁ〜」

「だいじょうぶだよ。まきこさんは愛力が使えるンだもの。いつかきっと

ステキな人が現れるよ」

「そうね。じゃあ〜また」

「さようなら」

 わたしは台所に顔を出してから、自分の部屋に向かい、ラブリン変身すると、

恋力でティンクルウインドウを作った。

「卒業おめでとう!」

「ありがとう、ケースケ」

「良く頑張ったな。オレも、お前に負けないように頑張るよ」

「ねえ、ケースケ、実はわたし、来月から星国に行くことになったの

 それからわたしはケースケにメモリーボールでの映像も見せつつ、これまでの

事を話した。

「そうかじゃあ、9月からはお前にいつでも会えるんだな。でも本当にいい

のか?お前、あそこの保育園の先生になるのが夢だったんだろ?」

「ご免。まだはっきり決めてないの。とても大事なことだから、向こうでゆっ

くり考えようと思ってもちろんあなたにも早く会いたいけど…ケースケ

はどう思う?」

「もちろん、これはお前が決めることだけど、もしオレだったら、自分の

夢を選ぶだろうな。でも、お前はお前の信じる道を行っていい。ただ、一

度選んだら、後悔はするな。進むべき道が信じられるようになるまで、じ

っくり考えたらいい」

「今日のケースケ、一段とかっこいい☆」

「そうか?お前、今日はこっち来れるか?今日はお前にとって特別な日

だから愛力、今までよりたくさん使えるようになったんだろ?」

「ええ。やってみるわ」

 そう言ってわたしはアガペー変身し、更にスーパーバージョンに変身した。

たしが呪文を唱えると、ケースケの所に行くことが出来た!わたしは嬉し

くて思わず、ケースケの胸に飛び込んだ。

「ケースケ!会いたかった!〜☆☆」

「オレも☆」

わたしはケースケの胸のあたたかさを感じていた

 

21:00

 ケースケと別れてこちらに戻った後、わたしは輝きの元である方に、これから

のことを相談した。

「そうかで君はどうしたい?」

「星国には行くつもりです。そこで9月までの間、自分がどうしたいのか、

じっくり考えたいと思うんですけど

「私もそうした方がいいと思うよ。この5ケ月間は君にとってとても大切

な時だと思うんだ。『君が一人前の保育園の先生になるためのもう一つの

試験』と言ってもいいかも知れないな」

「『もう一つの試験』

「この間、君は色々な経験をするはずだ。その一つ一つを大切にしさえす

れば、君は必ず自分の夢をかなえる、いやそれ以上の経験をするだろう。

君の、そしてツヨシ君やネネちゃんの成長を楽しみにしているよ

「ありがとう、輝きの元である方

 わたしはこうして自分の決断に自信を持つ事が出来、安心する事が出来た。引

っ越しの準備が進む中、二週間後、今度はツヨシ君とネネちゃんの小学校で卒業

式が行われ、わたしも景太郎パパ達と一緒に出席した。2人が卒業証書をもらう

シーンでは自分のも思い出されて思わず泣いてしまった

 わたし達が引っ越した後の家は4月からまたここの近くの病院に勤務すること

になった輝きの求道者さんに当分の間貸すことになった。

 そして4月1日。ついにわたしとツヨシ君、ネネちゃんは星のトレインに乗り

込んだ。

「じゃあ、いくよ。ハモニカ星国へ向けて出発!」

「しゅっぱ〜つ!!」

「しゅっぱ〜つ!」

ツヨシ君、ネネちゃんの元気な声が星のトレイン内にこだました

第1章「星国のバトントワリング大会」その1へ続く

 

 

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