「新コメットさんの日記」第1章「星国のバトントワリング大会」

その4「エキシビジョン」

コメットさん:21才。ハモニカ星国の王女。ハモニカ星国に留学している

剛君、ネネちゃんのお世話をするために星国に滞在中。第1500回トライ

アングル星雲バトントワリング大会ハモニカ星国代表チームリーダー。第

1500回バトントワリング大会で優勝する。

コメットさんのお母さん:ハモニカ星国の王妃。ハモニカ星国代表チームメンバ

クラリス女王:21才。ハモニカ星国内最大の小星国バイオリン星国の女王。コメ

ットさんの親友。ハモニカ星国代表チームサブリーダー

剛(ツヨシ)くん:12才。景太郎パパ達のふたごの兄。ハモニカ星国に留学中。

ハモニカ星国代表チームメンバー。

寧々(ネネ)ちゃん:12才。同じくふたごの妹。同じくハモニカ星国に留学中。

ハモニカ星国代表チームメンバー。

ユキちゃん:11才。輝きの求道者の娘。バトントワリング大会に参加するため

に星国に滞在中。ハモニカ星国代表チームメンバー

ラバボー:コメットさんのお供&ペット。

メテオさん:21才。カスタネット星国の王女。カスタネット星国で行われ

るバトントワリング大会に参加するため星国に滞在中。カスタネット星国

代表チームリーダー。バトントワリング大会でハモニカ星国に逆転で破れ、

2位となる。

ヤベツさん:21才。メテオさんのふたごの妹。バトントワリング大会に参

加するため地球留学から一時星国に戻って来た。カスタネット星国代表チ

ームサブリーダー。

メテオママ:カスタネット星国の王妃。カスタネット星国代表チームメンバー

への5号(羽仁神也):への6号の兄。カスタネット星国代表チームメンバー。

への6号(羽仁君也):12才。への5号の弟。カスタネット星国代表チームメン

バー

プラネット王子:タンバリン星国の王子。23才。バトントワリング大会に参加す

るために星国に滞在中。タンバリン星国代表チームリーダー。バトントワリング

大会で3位となる。

ミラさん:20才。カロン君の姉。プラネット王子に仕えている。バトントワリ

ング大会に参加するために星国に滞在中でタンバリン星国代表チームサブリーダ

ー。

カロン君:16才。ミラさんの弟。バトントワリング大会に参加するために星国に

滞在中でタンバリン星国代表チームメンバー。

 

5/5 11:45

 わたし達は星力を集めに出かけた後、控え室に戻り、メテオさん、プラネット

王子達と会って、エキシビジョンの演技について簡単に打ち合わせた後、会場に

向かった。エキシビジョンは前半(90秒)が各チームリーダーとサブリーダー、

6人による演技で、後半の3分はメンバー全員が出場することになっていた。

間もなく司会者が登場し、

皆様、お待たせしました!それではこれからエキシビジョンを始めます。

まず、前半は各チームリーダー、サブリーダーによる演技です!」と言った。

わたし達は一斉に会場内に入った。中は超満員で熱気にあふれていた。中

に入ると同時にものスゴイ歓声が沸き起こった。

曲は『ミラクルパワー』です!」会場内は静まりかえった。

「アテンション!幾千億の星の子達。キラ星の輝きをBそしてあまたの力

を。どうかわたしの星力に変えて。エトワール!」

 エキシビジョンの演技が始まった。ミラさん以外はアガペー変身(ノーマル

バージョン)し、わたしは更にスーパーバージョンに変身した。最初はそ

れぞれの得意技を行った。メテオさんは今度はキレイに技をきめ、大きな

拍手に包まれた。わたしも嬉しかった。次に各チームリーダー、サブリー

ダーがペアになって演技した。わたし達は挿し絵のように、上空に静止し

たわたしから4本に分離させたバトンを地上のクラリスに向かって投げる

コメット・ペアスペシャルイリュージョンを行った。メテオさん達はそれ

ぞれの最高難度の技を分身を出さずに2人で行う、ティンクルペアスペシ

ャル・8カルテット・ウオークオーバーばく転&前宙(その2参照)とい

う技を演技した。一方、プラネット王子とミラさんはラブリン変身してラ

ブリンハート・ペアスペシャルイリュージョン(挿し絵参照)という技を

演技した。これは挿し絵のようにプラネット王子が上、ミラさんが下に位

置し、それぞれ4本に分離させたバトンをハート型に移動させながら相手

に向って投げる、という高度な技だった。それぞれが技を決めると、嵐の

ような拍手に包まれた。

 次にペアの相手を変えて演技した。わたしはメテオさんと一緒にメテオ

さんの得意技を2人で行う、ティンクルペア・8カルテット・ウオークオ

ーバー&ばく転という技を演技した。メテオさんとの息もぴったりで、と

ても気持ち良かった。

 演技終了直後、わたしがちらっとメテオさんの方を見た時、微笑んでく

れた。とても嬉しかった。その時わたしは初めて地球に来た時、バトント

ワリング大会に参加するためにメテオさんと一緒に練習した時のことを思

い出していた(あの時はわたしが見ても目をそらしてたっけ)。一方、プ

ラネット王子はアガペー変身し、ヤベツさんとアガペーハート・ペアスペ

シャルイリュージョン(挿し絵参照)を演技した。またクラリスはミラさ

んと一緒にわたしとメテオさんが行った技で最後に2人ともウオークオー

バーする、ティンクルペアスペシャル・8カルテット・ウオークオーバー

を演技した。

 4番目に6人でレギュラーオクタヘドロン・ペアミックススペシャルイ

リュージョン(挿し絵参照)を演技した。14本のオレンジ色に光輝くバト

ンがキレイな正八面体を描いた時、初めてみんなが一つになれたのを感じ

ることが出来、とても気持ち良かった。

 5番目に再びペアになって演技した。わたしは今度はミラさんとコメッ

ト・ペアスペシャルイリュージョンを行い、一方メテオさんはプラネット

王子とアガペーハート・ペアスペシャルイリュージョンを、ヤベツさんは

クラリスと、ヤベツさんの得意技でウオークオーバーではなく、側転をす

るティンクルペアスペシャル・8カルテット・側転を演技した。

 6番目は相手を変えて演技した。わたしはプラネット王子とアガペーハ

ートスーパーバージョン・ペアスペシャルイリュージョンを行った

挿し絵参照)。これはわたしが上、プラネット王子が下となり、それぞれ

が4本に分離したバトンをハートが2つ出来るように相手に投げ、かつわ

たしはもう1本のバトンを王子に向かってまっすぐ投げる、という高度な

技だった。

(これがスーパーバージョンか。スゴイ愛力だね)

(そっちも。さすがタンバリン星国の王子ね、あたたかい輝きをありがと

う。でも一つ聞いていい?ミラさんとはどうしてラブリンハートイリュー

ジョンをしたの?)

(そ、それは彼女はまだ愛力を使えないから

王子の顔色が変わった。

(ひめさま、プラネット王子、顔が赤くなってるみたいだボー。もしかして

悪いこと聞いちゃったかな。でもひとを好きになるって、とってもいい

ことだよ

(で、でもひめさま、これってちょっとマズイんじゃないかボー)

(どうして?)

(だってこのままミラさんがプラネット王子と結婚しちゃったらトライアングル

星雲の未来は

(いいの。同じ星国の人どうしだし、わたしもそれが自然だと思うもの。

それにまだ決まったわけじゃないし(そ、そんな〜)

一方メテオさんはクラリスとティンクルペアスペシャル・8カルテット・

側転を、ヤベツさんはミラさんとティンクルペアスペシャル・8カルテッ

ト・ウオークオーバー&ばく転をそれぞれ演技した。そして前半最後は6

人でレインボー・ペアミックススペシャルイリュージョン(挿し絵参照)

を演技した。14本のバトンが立体的なとても美しい虹を描き、みんなの

顔もとても輝いていた。

「続いてメンバー全員による演技を行います。曲は『トゥインクル・スタ

ー』です」

司会者の声と共にメンバー全員がステージに集まり、位置についた。

「アテンション!幾千億の星の子達。キラ星の輝きを。そしてあまたの力を。どうかわたしの星力に変えて。エトワール!」

 後半の演技が始った。まず、それぞれの得意技を行った。皆、ピタリと

自分の演技を決めていた。会場内の雰囲気もそれまでとは違っていた

コメットさん、私、演技をしていてこんな感じがしたのは初めてなん

て言ったらいいのか

「ユキちゃん、わたしもよ。何とも言えない、イイ気持ち

 この技そのものは、練習や、ショートプログラムやフリースタイルでな

ど、これまでに何度もやってきた。しかし、今感じているものはそこでは

感じていなかったものだった。そこにはユキちゃんやクラリスなど、同じ

チームのメンバーだけでなく、メテオさんやプラネット王子など、それま

で優勝を競っていたチームのメンバーもいて、『わたしと一緒に』演技して

いた。わたしは演技しながら、それを感じることが出来た。

そう、これがわたしが一番したかったこと

コメットさん!みんなで一緒に演技するのって、本当に楽しいね

わたしはすぐに我に返って言った。

「そうね。ツヨシ君。わたしもとっても楽しいよ。さ、次の技いくよ」

2番目に各チームのスペシャルイリュージョンを、3番目は各チームでピ

ラミッド・イリュージョンをそれぞれ行った(その3参照)。4番目はチー

ムミックスイリュージョンを行った。これは各チームが3人づつA,Bの2

グループに分かれ、それぞれが他の星国のグループと演技するというもの

だった。わたしのハモニカAグループ(その1参照)はカスタネットB

ループ(メテオさん、ヤベツさん、王妃以外)とレインボー・チームミッ

クスイリュージョンを、メテオさん達はタンバリンBグループ(プラネッ

ト王子、ミラさん、カロン君以外)とスター・チームミックスイリュージ

ョン(挿し絵参照)を、プラネット王子達はハモニカBグループ(その1

参照)とサザンクロス・チームミックスイリュージョン(挿し絵参照)を

演技した。わたしは初めて自分の分身を出し、バトンを投げた。メテオさ

ん程得意ではなかったが、このレベルの技なら十分出来た。5、6番目は

各チームでペンタゴン・イリュージョン、ヘキサゴン・イリュージョンを

行った(その2、3参照)。

  7番目は相手を変えてチームミックスイリュージョンを行った。わたし

達はメテオさん達とレギュラーオクタヘドロン・チームミックススペシャ

ルイリュージョン(挿し絵参照)を、タンバリンBグループはハモニカB

グループとトライアングルイントライアングル・チームミックスイリュー

ジョン(挿し絵参照)を、プラネット王子達はカスタネットBグループと

レギュラーテトラヘドロン&サークル・チームミックスイリュージョン

挿し絵参照)をそれぞれ演技した。メテオさんのグループと演技出来て

とても嬉しく思った。8番目は再び相手を変えて演技した。わたし達はタ

ンバリンBグループとペンタゴン・チームミックスイリュージョン

挿し絵参照)を、メテオさん達はプラネット王子達とレインボー・チー

ムミックススペシャルイリュージョン(挿し絵参照)を、ハモニカBグル

ープはカスタネットBグループとピラミッド・チームミックスイリュージ

ョン(挿し絵参照)をそれぞれ行った。9番目は各チームでスターイリュ

ージョン(その3参照)を行った。そして10番目はアース・スーパーイリ

ュージョン(挿し絵参照)を行った。これは挿し絵のように18人全員が

一緒になり、プラネット王子が中心、わたしとクラリスが北極と南極、わ

たしの母とメテオさんのお母さん、メテオさんとヤベツさんが赤道に位置

し、ツヨシ君、ネネちゃん、タンバリン親衛副隊長がユーラシア、への5

号、6号がアフリカ、ジュピター王子、カロン君、ミラさんが南北アメリ

カ、カスタネット親衛隊長がオーストラリアの各大陸を、タンバリン親隊

長がボルネオやフィリピンなどを、そしてユキちゃんが日本をそれぞれバ

トンで表現するもので、わたしが一番期待していたものだった。実際やっ

てみると、みんなの輝きが一つになるのを感じる事が出来た!そのまぶし

い程の輝きに体が震える程の感動を覚えた。

コメットさん、全員で一つの演技をするのって本当にスゴイね。私、と

っても感動したわ

ツヨシ君もネネちゃんもコメット、私もよコメット、わたくし

もよ「私コメットさま、私も」「僕もです」「そして僕も

プラネット王子みんな、ありがとう」

自然とその言葉が口をついた。

 1112番目は各チームごとにフラワー・イリュージョン、レギュラーテ

トラヘドロン&サークル・イリュージョン(挿し絵参照)をそれぞれ行っ

た。

 13番目に全員でユキちゃんの得意技を行った後、最後に全員でトライア

ングルギャラクシー・スーパーイリュージョン(挿し絵参照)を行った。

これは挿し絵のように各チームがハモニカ、カスタネット、タンバリン星

国を描き出し、それぞれがつながって、トライアングル星雲を表現する、

というもので、みんなが一つになると本物そっくりのトライアングル星雲

がステージに作り出された。その美しさに観客も、またわたし自身も、息

をのんだ。

「キレイ

わたしもそれ以上言葉が出なかった

 最後に全員がサリュートで締めると、嵐のような拍手が数分間鳴り止ま

なかった。

「エ〜。何とも言葉が出ません!とにかく、スゴイ!スゴすぎる!以上

をもちまして、全てのプログラムが終了しました!皆様ありがとうござい

ました!最後に選手の皆様にあたたかい拍手を〜。また来年、ハモニカ星

国でお会いしましょう〜☆」

会場は再び嵐のような拍手のうずに包まれた。

13:00

 大会が終わってからお昼を食べたわたし達はメテオさんの案内で、星のクルー

ザーに乗ってアトランティワナに行った。アトランティワナに到着するとカメ型

の「海の使い」が迎えにきていて、なつかしく思った。

コメットさん、アトランティワナ城って本当にキレイだね。想像してい

た以上だわ

 城に向かう「海の使い」の中でユキちゃんが言った。

コメットさん、ツヨシ君もそう思う

ネネちゃんもそう思う

「ほんとだね。ねえ、メテオさん」

まあ、そりゃカスタネット星国で一番美しい海底都市のお城だもの、当

然ですわったら当然ですわ〜」

 窓の外を眺めながらメテオさんが言った。

「ん?どうしたの?メテオさん」

 わたしはメテオさんの表情の微妙な変化に気づいて言った。

「イ、イエ、何でもないわ

「メテオさん

 わたしにはわかっていた。彼女もまた、「あの時のこと」を思い出してい

ることを

16:00

あ〜楽しかった。アトランティワナにも行けて、本当に良かったわ。ね

え、コメットさん

ハモニカ星国に向かう星のトレインの中でユキちゃんが言った。

「ええ、セレスさん(ネメシスさんの家の隣の住人。「いのちの最後の輝き」より)

にも会えたしあ、もうすぐ星のお城だよ

やがて光り輝く星のお城が見えて来た。

「ん?どうしたの?ツヨシ君」

 わたしはぼんやりと窓の外を見ているツヨシ君に気づいて言った。

「何でもないよ。コメットさん」

「そう

「お兄ちゃん、本当はさびしいんでしょ〜。星のお城についたらユキちゃんが地

球に帰ってしまうから〜」

ち、ちがうよ〜

ツヨシ君は顔を真っ赤にしながら言った。

「ツヨシ君、ひとを好きになることはとってもいいことだよ。こころがド

キドキワクワクして、とってもステキになるの。恋力も使えるようになる

んだよ」

え?ほんと?

 わたしがうなずくと間もなく、星のトレインはお城の中に入り、停止した。ユ

キちゃんを残して3人は星のトレインを降りた。

「ユキちゃん、アこでさようなら。今まで、本当に楽しかった。いっしょ

にバトントワリング大会に出れて、優勝出来てどうもありがとう。お父

さんによろしく」

コメットさん、私も本当に楽しかったわ。そして、たくさんの事を教え

てくれてどうもありがとう。地球に帰っても忘れないわ

ユキちゃん、さようなら。私もとっても楽しかったわ。8月末には地球

に帰るから、その時また会えるね

ネネちゃん、いっしょに大会に出れて本当に楽しかったわ。また一緒に

遊びましょう

そうユキちゃんが言うと、

「あ、あの〜これ

ツヨシ君が恥ずかしそうに言って手を差し出した。

まあ、キレイ〜これ、私に?どうもありがとう

 ユキちゃんはピンク色の小さな、かわいらしい花を受け取りながら言った。

アトランティワナで見つけたんだ

とツヨシ君が言った時、持っていたバトンが光り輝き、ツヨシ君の体全体を包み

込んだ。その輝きが消えると、バトンがラブリンバトンに変化し、服も赤を基調

としたものになっていた。

「ツヨシ君、スゴイ!恋力が使えるようになったんだ!」

とわたしが言うと、

こ、これが恋力

ツヨシ君は真っ赤になりながらそう言った。

いいな〜お兄ちゃんは〜私も恋力を使えるようになりたいな〜

「だいじょうぶ。ネネちゃんもきっと使えるようになるよ。あ、そろそ

ろ時間だよ」

ユキちゃん。会えてとても楽しかった。地球でまた会おう

「ええ。私も楽しかった。あ、でももしかしたらもう少し早く会えるかも」

 ユキちゃんがそう言った時、汽笛が鳴り、星のトレインがゆっくり走り

出した。

さようなら〜

 ツヨシ君は走りながらユキちゃんに向かってバトンをふった。

 ユキちゃんもバトンをふって答える。やがて星のトレインは光の線とな

り、それからすぐにワープした。ツヨシ君はサリュートの姿勢をとりな

がらその後をしばし見つめていた

(ツヨシ君、カッコイイ

いつも見なれているはずのその姿が、今はとても大きく見えた

 

第2章「ミラさんと星国の断食大会」に続く

 

 

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