「新コメットさんの日記」第2章「ミラさんと星国の断食大会」

その1「予選」

前編

コメットさん:21才。ハモニカ星国の王女。ハモニカ星国に留学している

剛君、ネネちゃんのお世話をするために星国に滞在中。「第一回トライア

ングル星雲チャ リティー断食大会」主催者。

ミラさん:20才。カロン君の姉。代々タンバリン星国王家に仕えるフィレ

ンツェ家の娘。プラネット王子の主任侍女。タンバリン星国に一時帰国し

たプラネット王子と一緒に滞在中。「輝きの元である方」と出会い「愛力」

が使えるようになり、自分のイメージを変えるために断食大会に出場する

決心をする。

カロン君:16才。ミラさんの弟。プラネット王子の主任侍従。断食大会に出場す

る。

プラネット王子:23才。タンバリン星国の王子。コメットさんが星国に帰ったの

を機に一時帰国する。

ニック君:18才。ハモニカ星国の見習い料理ビト。星のお城で新人研修中。

一人前の料理ビトになる夢をかなえるために断食大会にエントリーする。

剛(ツヨシ)くん:12才。景太郎パパ達のふたごの兄。ハモニカ星国に留学中。

断食大会に出場する。

寧々(ネネ)ちゃん:12才。同じくふたごの妹。同じくハモニカ星国に留学中。

断食大会に出場する。

ラバボー&ラバピョン:コメットさんのお供&ペット。

メテオさん:21才。カスタネット星国の王女。コメットさんの後を追って星国に

滞在中。断食大会出場のためハモニカ星国に向かう。

ムーク:メテオさんのお供。

ハリー・アブドラ君:20才。アフガニスタン政府の国防相、ムシャラクさんの息

子。政治学を学ぶため日本に留学中。断食大会に出場するためハモニカ星国に向

かう。

ジョン君:19才。ケニアの首都ナイロビにある国立大学医学部の学生。かつて

コメットさんに助けられる。断食大会に出場する。

バーバラ・カーライルさん:35才。NYタイムスの新聞記者。参加者の一人とし

て断食大会を取材。

チャック・スミスさん:29才。第40回全米大食い大会&第15回全米断

食大会優勝者。断食大会優勝候補の一人。

三島圭佑(ケースケ):23才。コメットさんの「星の恋人」。世界一のライフセ

イバーとなる夢をかなえるためにオーストラリアで修業中。

織恵さん:22才。東京の私立大学の学生。ミラさんの良きライバル。第30回全

日本甘味王選手権でミラさんに敗れ、2位となる。断食大会に出場。

テレサさん:24才。インドにあるカトリック教会の修道女。愛力スーバーバージ

ョンを使うことが出来る。断食大会に出場する。

ムハマド・マホメットさん:56才。イランにあるイスラム教寺院の高僧。断食大

会に出場。

ダライ・ラマラさん:68才。チベットにあるラマ教寺院の高僧。断食大会に出場

する。

 

5/12 9:30

 わたしが主催する「第一回トライアングル星雲チャリティー断食大会」の予選

は星のお城で一週間行われることになっていた。今回は主に書類審査で各星国か

10人ずつの、30名、地球から70名の計100名が参加することになっていた。

なお、ツヨシ君、ネネちゃんは今回はハモニカ星国からの参加とされた。

「みなさん、お早うございます。ハモニカ星国の王女、コメットです。

 レセプションルームに参加者全員がそろったことを確認した後、わたしは一人

一人に自分の名前や夢、参加したワケなどを簡単に話してもらった。ここでメン

バーの一部を紹介しよう。

 まず、ハモニカ星国からはツヨシ君、ネネちゃん、ニック君の3人と、ハモニ

カ星国王家専属教会星(センターチャーチ)の長、パウロ大司教以下7名。

 次にカスタネット星国からはメテオさん、ジュノーさん(「いのちの最後の輝

き」より)と、親衛隊長以下8名。

 タンバリン星国からはミラさん、カロン君の他にジュピター王子、親衛隊長、

副隊長以下6名。

 そして地球からは、まずアフガンから、ムシャラクさんの息子のハリー・アブ

ドラ君(「アフガンの輝き2」より)。ハリー君はお父さんのような政治家にな

る夢をかなえるために去年から東京八王子にある私立大学に留学していた。次に

アフリカのケニアからジョン君(「心の闇」より)。彼は今年ケニアの首都ナイ

ロビにある国立大学に入学し、医師になる勉強を始めていた。それを聴いた時、

わたしはとてもうれしく思った。彼の学費は国際飢餓対策機構というNGOから

の奨学金でまかなわれており、それは今年彼の里親になったわたしからの送金が

元になっているからである。アメリカからは新聞記者のバーバラ・カーライルさ

ん(「アフガンの輝き2」より)。彼女は今回取材を兼ねて参加することになっ

た。それからチャック・スミスさん。彼は第40回全米大食い大会及び第15回全

米断食大会優勝者でこの大会の優勝候補の一人だった。インドからはカルカッタ

という町にあるカトリック教会の修道女のテレサさんとマリヤさん。彼女達は一

人でも多くの貧しくて飢えに苦しむ人を助けたい、という夢をかなえるために参

加していた。一方、イランからはイスラム教寺院の高僧、ムハマド・マホメット

さん、チベットからはラマ教寺院の高僧、ダライ・ラマラさんが参加していた。

そして日本からは東京の私立大学の学生で、ミラさんの良きライバルの武下織恵

さんや仏教界の高僧など、約20名が参加していた。織恵さんは今年行われた第

30回全日本甘味王選手権でミラさんに敗れ、2位となっており、「ミラさんに勝

つ」という夢をかなえるために、この大会への参加を決めていた。その他、世界

各地から、各種断食大会の優勝者など、合計70名が参加していた。

「それではこれから断食大会のルールを説明します。まず予選は一週間こ

の、星のお城で行います。基本ルールは『食べ物を口に入れないこと』こ

れ以外は基本的に何をしてもいいのよ。この会場内とそれぞれの部屋には

水やお茶、紅茶等の飲み物が置いてあるから、自由に飲んで下さい。でも

あんまり飲み過ぎないでね。それから、食べ物を作ってもいいのよ。会場

内には材料や調理器具もあるし、星力などを使って作ってもかまわないわ。

もちろん、においをかいだりしてもOKよ。ただし、食べてはダメよ。そ

れから、7〜8時、12〜13時、15〜16時、19〜20時には出来

るだけこの会場にいて下さいね。もちろん、ここはいつでもあけてあるか

ら、自由に来ていいのよ。ここまでで何か質問ある?」

すると、ツヨシ君が手をあげた。

「はい、ツヨシ?」

「どうしたら、失格になるの?」

「食べ物を口に入れてしまった時や自分でもうガマン出来ない、と思った

時に、申告してもらいます。その時点で失格です。そして最後まで残った

人が決勝に進めるのよ。決勝は一ヶ月間行われるわ」

「でも、コメットさん、ここにいれば他の人にも分かると思うけれど、自分の部

屋なんかで食べてもわからないんじゃない?」

とネネちゃん。

「でも、わたしはここにいる人達みんなの輝きを信じているわ。そんな事

する人はいないハズよ。でも、自分でも気がつかないうちに食べてしまう、

っていう人もいるかもしれないからリゲル長官とマーズさんの2人に輝き

自然度チェックをしてもらうことになっているの。後、ここに用意してい

ない種類の飲み物は飲まないでね。それから決して無理はしないで下さい

ね。ガマン出来なくなったらいつでも言って下さいね。出来ればしたくな

いけれど、輝き自然度チェックビトが無理だと判断したら、リタイヤさせ

ることもあるので、気をつけてね。他に何かある?」

「あの〜星力は使ってもいいのでしょうか?」

ニック君が尋ねた。

「ええ。もちろんよ。だって星力を使わないと、みんなと話すことも出来

ないもの。さっきも言ったけど、星力を使って料理をしたり、食べ物を出

したりしてもかまいません。でも、それを食べたり、星力を直接使ってお

腹がすかないようにすると失?iになるから気をつけてね。あ、それから、

みんなの部屋はお城の上の方にあって、それぞれがつけている番号が部屋

の番号になっているわ。ドアはそれぞれの声に反応して開くようになって

いるの。後でヒゲノシタが案内するわ。それではこれからみんなでお昼

を食べて、12時から大会を始めます。みんな、楽しんで下さいね」

「ハ〜イ!」

みんなの声が会場内いっぱいに広がった。

 

11:45

 それから大会前の最後の食事が始まった。最初は少し緊張した雰囲気が会場内

にあったが、みんな次第に慣れてきたようだった。

「あ〜おいしかった!」

「おいしかった!私、もうお腹いっぱい〜」

「ツヨシ君、ネネちゃん、デザートもあるよ」

「ハ〜イ!」

「ニック君は?」

「もういいです。しかし、お二人はよく食べられますね」

だってこれから大会が始まったら、当分食べられなくなるでしょ。今の

うちに食べておくの。それにデザートは入るところが違うし〜

「ハハハハ〜そうだよね。ニック君、だいじょうぶ?少し元気ないみたい

:だけど」

「いえ、でも私はこんな広いところで大勢の人と一緒に食事をすることはめった

にないものですから〜」

「そう。じゃもうすぐ大会が始まるから、また後で〜」

 わたしは席を立つと、他の参加者達の様子を見てまわった。

「へへ、今のうちにこれだけ食っておけば、予選なんて楽勝だぜ」

 声のする方を見ると、やや太った若い男性が、凄い速さでカレーを平らげてい

た。

「コメット!久しぶり」

その隣にいた若い女性が顔を向けた。

「バーバラさん!どうしてここに?この人を知っているの?」

「ええ。ここに来る前から何度か取材したことがあるの。私は彼が優勝するかも

しれないと思うわ」

「初めまして。チャックさん。主催者のコメットです。あなたの夢は確か

〜」

「今度行われる第1回世界断食大会で世界チャンピョンになり、その勢い

で第20回大食い世界大会でもチャンピョンになることさ。あんたがこの

国の王女様か。かわいい顔だね。もしおれが優勝したらキスしてくれるか

い?」

 とチャックさんはわたしの声をさえぎるように言った。

「そ、それは〜」

 わたしは少し考えてから言った。

「ええ。いいわよ」

「そうこなくっちゃ。その言葉を忘れるなよ。じゃ〜また

 チャックさんは食べ終わると立ち上がって奥に向っていった。

「ひめさま、あんなこと言っちゃって、大丈夫かボー」「チャックさんは強そうだピョン。ホントに優勝するかもしれないのピョン」

「ラバボー、ラバピョン、大丈夫だよ。あの人、たぶん3日ももたないと

思うもの。それに、もしあの人が優勝したとしても、キスするだけでしょ?

ネエ、バーバラさん」

「コ、コメットたら〜。ケースケ君に悪いわよ」

「いいの、ケースケとはたくさんしてるから〜。って冗談よ。まだ一度だ

「ハハハ〜あなたって、本当におもしろいひとね〜。ちょっと顔が赤くなってる

けど」

「あ、いけない、もうすぐ時間だわ」

 わたしは思わず時計を見ながら急いで所定の位置に着くと、12時になるのと同

時に言った。

「それではみなさん、食べるのを止めて下さい。これから第1回トライア

ングル星雲チャリティー断食大会を始めます。優勝者には自分の夢を一つ

だけかなえることが出来るだけの星力が贈られるからみんな、頑張って下

さいね」

「オ〜!」

気合い十分の100人の声が会場内に響き渡った〜。

 

13:30

 13時にみんなを部屋に案内した後、わたしはミラさんの様子を見に行った。彼

女の部屋の番号は30番で、隣がカロン君の部屋だった。

「ミラさん、コメットです。入ってもいい?」

「どうぞ」

 するとドアがあき、ミラさんが顔を出した。

「こちらへ」

「あ、織恵さん。元気そうね、」

 わたしは中に入ると先客の姿を見つけて言った。

「はい。おじゃましてます。今ちょうど誰が優勝すると思うか話してた所

なんです」

「コメット様は誰が優勝すると思われますか?私は、あのチャックさんかもしれ

ないと思うのですけど〜」

「わたしにもわからないわ。それに一ヶ月の決勝の後、最後まで残った人

が優勝だから、一人とは限らないわ。でも、ここだけの話、チャックさん

は多分決勝にも残らないと思うけど

「どうしてですか?」

「後でわかると思うわ。ねえ、織恵さん」

「ええ。私はあんなヤツには絶対負けないわ。もちろん、ミラさん、あな

たにも」

「こちらこそ」

「でも星国って、イイ所よね〜輝きが一杯で私、本当はここに来るまで

あなたが星国のひとだなんて信じられなかったわ。だって王子様に仕えて

いる、なんて言うんだもの。好きなンでしょ?」

 窓の外を見ながら織恵さんが言った。

「お、織恵さん〜」

 顔を少し赤くしながらミラさんが言う。

「ハハハ〜。2人とも元気そうで良かった。じゃあ、15時に会場で」

「ハイ

 わたしは部屋を出て自分の部屋に戻ると、早速カゲビト経由でミラさんの心の

声を聴いてみた。後編に続く

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