その1後編

15:00

(私は会場内に戻った。既にたくさんの人が来ていて、お茶を飲んだり、

話したりしていた。これが断食大会?私は不思議に思った。断食大会に

参加するのはこれが初めてだが、これまでテレビ等で見たものは、何もな

い狭い部屋で水を飲む量も厳しく制限されて過ごす等、過酷な条件で行わ

れたり、マラソンや目の前に並べられた超豪華な料理を人が食べるのを見

ながら過ごす、といった様々なイベントが行われていた。今回は主催者が

コメット様だから、あまり過酷な事はされないだろうとは思っていたが、

ここに一日4回集まる、と聴いた時、きっと何かのイベントがあるにちが

いない、と私は思った

「コメット!まだ始まらないの?」

(ふと前を見ると、メテオ様がコメット様に話しかけていた)

「え、何が?」

「もう、とぼけちゃって〜この後イベントがあるんでしょ?マラソンとか、

せま〜い部屋の中に入れられたり、超豪華料理が出てくるんでしょ?でも

私は今度こそダイエットを成功させるために、きっと耐えて見せるわ。そ

してこのワタクシが優勝するのよ」

「ないよ、そんなの」

「エ?」(会場内の雰囲気が少し変わったような気がした)

「だって、そんなのちっとも楽しくないと思うもの。安心して」

「だったらどうしてみんなをここに集めたわけ?」

「それはみんなで楽しくおしゃべりしたり、お茶を飲んだり、お料理を

作ってみたりするためよ。その方が楽しいでしょ。」

「コ、コメット、それじゃ〜ここにいる全員が決勝まで行っちゃうかもし

れないじゃないの〜。ア〜やってられないわ。お茶でも飲も

「メ、メテオさま!」

(しかし、そうメテオさんが言ってすぐ、ムーク侍従長の叫び声が上がっ

た)

「何よ〜ムーク、びっくりするじゃない。ウ〜ン、おいしい」

「そのお口の中ものはー」

「え?あ、こ、これは〜、ワ、わたくしの手と口が勝手に動いたのよ〜」

(そう言ったメテオさんの口の中にはテーブルの上にさりげなく置かれて

いたクッキーが入っていた)

「ハハハ〜。もうリタイヤかよ。ここは星国の王女様にはお門違いだった

ようだな」

(近くにいたチャックさんが馬鹿にしたように言った)

「そういうあんたはドウなのよ!その口の中にあるものは!」

「エ?こ、これは〜し、信じられない!オーマイゴット!」

(チャックさんの口の中からハンバーガーのレタスの切れ端がのぞいてい

た。コメット様が言われた通りだった)

「あんたこそお門違いだったようね。コメット、リタイヤするわ。もうこ

こにはいられないのは残念だけど

「メテオさん、予選の間はここにいてもいいんだよ。だってみんな帰っち

ゃったら寂しくなっちゃうもの。でも誰が残っているのかわからなくなる

と困るから、そのナンバープレートは返してね。もちろん、もう自由に食

べていいのよ」

「良かった。これで安心して食べられるわ。ハイ〜」

(メテオ様は1番のプレートを渡しながら言った)

「メテオさん、1番になれて良かったね」

「エエ。コメット、これからも楽しませてもらわよ」

「待ってくれ、おれもリタイヤするよ。さっきは悪かった」

「いいのよ。分かれば」

「でも楽しかった。おれはこんなに楽しい断食大会に出たのは初めてだ。

それでつい、自分でも気づかないうちに食ってしまったんだ〜。コメット

王女、君にもあやまらないといけないな。さっきはあんなこと言っちまっ

このザマだ。1から出直すよ」

(チャックさんはコメット様にプレートを渡して言った)

「気にしなくていいのよ。せっかくだから、いいものあげる」

(そう言ってコメット様はアガペー変身してバトンをふった。すると小さ

くハート型に光るものがチャックさんに向っていき、額に触れた。チャッ

クさんは驚いていたが、とてもうれしそうだった)

「こ、これは一体〜。こんな感じは初めてだ。でもとてもあたたかい〜」

「愛力をあげたの。良かった。元気になれたみたいで」

「ああ。もう少し楽しませてもらうよ」

「ちょっと待って!もう一度話しを聴きたいの。取材させて」

(バーバラさんがチャックさんに近付いて言った)

「ああ。でも、ここでリタイヤするのは、どうやらオレだけじゃないよう

だがな」

(チャックさんはそう言い残して歩き出した。私が周りを見ると、既に5、

6人が立ち上がって、コメット樣の方に歩いていった

 

20:10

(その時は日本の仏教の高僧など結局9人がリタイヤし、その後これまで

にムハマド・マホメットさんなどのイスラム教の高僧を含む15人がリタ

イヤした。ムハマドさんは

「イスラムの断食(ラマダン)は日の出から日没までだから、夜になると

つい〜」と言っていた。私は部屋に戻るとラブリン変身してティンクルウ

ィンドウを出し、殿下と対面した)

「やあ、元気そうだね。どう?」

「私もカロンも大丈夫です。でも〜」(私はこれまでのことを報告した)

「そうか〜ジュピター王子は残念だったな」

「はい。タンバリン星国で残っているのは私達も含めて3人だけですから

〜」

「でも君の元気な姿を見れて安心したよ。頑張ってくれ。でも決して無理はしな

いで〜」

「殿下、頑張ります。ではおやすみなさい」

「おやすみ〜」

 

(そっか〜。わたしもケースケと会おう)

「カゲビトさん、ありがとう。もういいよ」

「かしこまりました」

  わたしはミラさんの心の声を聴くのをやめ、ラブリン変身するとティンクルウ

ィンドウごしにケースケと対面した。

「ついに始まったな。どうだ〜」

「今残っているのは76人。大体思った通りよ。それにみんな思った以上

に楽しんでくれているわ」

「あの2人は大丈夫か?」

「ツヨシ君とネネちゃんのこと?ええ。それからミラさんとカロン君も。

それから〜」

 わたしはこれまでの事をケースケに報告した。

「そうか〜。チャック氏、やはりだめだったか〜。でももう少し粘ると思ったけ

どな」

「ええ〜。でも、彼はもっと大きい夢を実現するかもしれないわ」

「え?」

「彼は今、彼女募集中なの」

「はあ?」

 ケースケの口はポカンと開いていた

 

5/13 6:50

(私はいつものように起きて身支度をすると部屋を出た。まだあまりお腹

がすいた感じはしていなかった)

「あ、カロン、お早う。よく眠れた?」

「姉さん、お早う。まあまあだね〜」

「な〜に言っちゃって。さ、会場へ行きましょ」

「姉さん、待ってよ〜」

(会場には既にたくさんの人が来ていた。紅茶を飲んだり、星力でごはん

やパンを出したりしている人もいた。中にはそれらを食べている昨日リタ

イヤした人達もいた。私達は中央右よりのいつもの席についた)

「カロン、紅茶を入れてくれる?」

「ハイ。姉さん。どうぞ」

「ありがと。あ〜おいしい」「ミ〜ラさん!おっはよ〜昨日はよく眠れた?」

(私が言い終わらないうちにコメット樣の声が聞こえたのでびっくりし

た)

「あ、おはようございます。はい〜」(と言って手元を見て私は更に驚い

た)

「ね、姉さん!」(私はいつの間にかテーブルの上のサンドイッチをつかん

でいて、その手が顔のすぐ近くまで来ていた)

「あ、こ、これはただにおいをかいでみようとしただけよ。うん、イイ香

りだわ」

(私はそう言ってあわててサンドイッチを戻した)

「良かった。じゃ〜また後で」

「ホントは食べようとしてたクセに〜」

「カ、カロン!」

(カロンの言う通りだった。もしコメット樣が声をかけられるのが後1

遅かったら、リタイヤしていただろう。もしかしてコメット樣は私を助け

ようとしてまさか、そんなはずはないだろう。偶然に違いない。ふと、

コメット樣の後ろ姿が目に入った。コメット樣心の中でそう私はつぶや

いた)

5/15 8:00

(その日は結局日本の仏教界の高僧など12人がリタイヤし、そのほとん

どが大会開始直前に食いだめをしようとした人達だった。次の日、私とカ

ロンはまだ大丈夫だったが、その日のお昼にツヨシさんが、おやつの時間

にネネさんがリタイヤした。2人とも、「やっぱり、始まる前に少し食べ

過ぎたのがいけなかったかな〜」と、言っていた。3日目は結局18名がリ

タイヤした。3日間で私の予想よりはるかに多い半分以上がリタイヤした

ことになる。でもこのころから会場内の雰囲気が変わってきた。3日間で

大会の雰囲気に慣れ、初めて顔を合わせた人通しでもお互いに親しくなっ

ていたからだと思うが、初めはただ集まって話すことが多かったものが今

では様々な「イベント」を参加者それぞれが自由に企画し、行うようにな

っていた

「みなさん〜ちょっと静かにして下さいね〜。これからイベント告知タイ

ムを始めます。まずはわたしから。これが終わったらみんなで食べ物がな

くて困っている人達のこと、そしてそれを助けている人達を紹介するビデ

オを見て、それから2人の参加者にお話を聴きたいと思います。もちろん

これは強制ではないから、興味のない人は出ていっていいのよ。次は〜企

画がある人、手を挙げて〜」

「は〜い!」10人近くが手を挙げた)

「はい、メテオさん」

10時からこの前方特設ステージでバトントワリング教室を行うわ。今日

は新しい技を紹介するからみんな来てね」

「はい、ニック君」

12時から中央付近で料理教室を行います。今日のメニューはティンク

ル・ドライカレーです。よろしくお願いします」

「はい、テレサさん」

9時から右手奥でマリヤさんと一緒に私達がいつも歌っている歌を紹介

します。私達が住んでいるインドの様子も紹介したいと思いますのでよろ

しくお願いいたします」

「はい、パウロ大司教」

9 時半から中央付近でハモニカ星国の歴史等を紹介しようと思う。この

国についてもっと知りたい人は是非来て下され」

「はい、バーバラさん」

10時から、左手一番奥でこの大会のレボートを文章や絵で描きたいと思

います。希望者は10時半位から、私と一緒に取材に行けます。よろしく

〜」

(更に数人が続き、それから前方正面で国際飢餓対策機構作成のビデオが

メモリーボールで上映された。私は衝撃を受けた。地球では全人口約60

億人のうち、8億人以上の人達が毎日の食べ物を十分食べることが出来ず、

1日に4万人もの人々が飢えのために生命を失っていること一方で先進

国を中心とする世界で約20%の豊かな国が世界でとれる穀物の半分を消

費し、本来は世界中の人が十分食べられるだけの穀物が残りの国々に行き

渡るのを妨げていること、更に各地で起っている戦争などによって農地が

荒廃し、飢えが広がっていることなど星国では考えられないことだった。

そしてこれまで多くの大食い大会で優勝し、普段から食べる量の多い自分

が飢餓の広がりに普通の人以上に関与している事に気づいた時、もっとシ

ョックを受けた)

(私、今まで何をして来たんだろう〜どうすればいいんだろう〜。そう思

ったとたん、今まであまり意識しなかった空腹感が襲ってきた!)

「それではこれから、国際飢餓対策機構総主事のジャン・ポール・トウル

ニエさんからお話しを伺います」

「みなさん、初めまして。スイスのジュネーブから来ました、国際飢餓対策機構

総主事のジャンです。今ご覧になって頂いたように、地球ではまだまだたくさん

の人達がその日の食べ物にも困っています。このような人が一人でも少なくなり、

みんながお腹一杯食べることが出来ること、これが私の夢です。そのためにたく

さんの人達が今、世界中で働いています。これらのことを皆さんにも、もっと知

って欲しいのです。そしてそのために是非みなさんの輝きを分けて頂けたら、と

思っています」

(ジャンさんの話は更に続き、その後、アフリカのケニアから来たジョン

さんが紹介された。空腹感は次第に強くなっていった)

「ナイロビから来たジョンです。私はさっきジャンさんが話された世界里

親会からの奨学金で大学に行き、医師になる勉強をしています。私のいる

ケニアでは三分の一以上の人達が栄養不足で、そのために多くの人が病気

で亡くなっています。私は8年前、コメット樣に病気を治して頂きました。

それ以来、医師になって病気の人を一人でも助けたい、これが私の夢にな

りました。

(空腹感は更に強くなり、ジョンさんの話しが終わるころにはガマン出来

ない位になっていた。私がもうリタイヤしようと思ったその時、)

「ミ〜ラさん!大丈夫?顔色が少し悪いようだけど〜」

(コメット樣の優しい声が聞こえた)

「あ、コメット樣。実は私〜」(そう言った私の言葉をさえぎるように、

コメット樣は言われた)

「ミラさん、もう少し頑張ってみよ」

「え、でも私、どうしたらいいかわからなくなってしまったんです」

「どういうこと?あなたには自分の夢があるでしょ?」

「今まではそうでした。でもあのビデオを見たり、みなさんのお話しを聴

いたりして、私、やっとわかったんです。私が思っていたのは自分勝手な

『自分だけのための夢』に過ぎなかったことを〜私、『自分のイメージを

変えたい』なんて夢、もうどうでもよくなってしまったんです

(コメット樣は私の目をまっすぐ見ながら優しく言われた)

「じゃあ、ミラさん、もっといい夢、探そう」

「え?」(この言葉に私は驚いた

「ミラさん、何がしたい?」

「そ、それは〜急に言われても〜」

「そうだよね。でも、ミラさん、あなたにも『本当にしたい』って思える

事があるハズよ」

「本当にしたいこと〜」

「『自分がそれをしている時やそうしていると想像している時、一番楽し

いこと』だと思うよ。だいじょうぶ。すぐには見つからないかもしれない

けれど、わたしがいっしょに探してあげるから〜」

「コメット樣…」(その時、何かが私の中で変わるのを感じた。いつの間

にか空腹感はおさまっていた)

「私、殿下のお側にいたいんです。そして殿下のお役に立ちたい。それ

から、食べ物に困っている人達のことももっと知りたい

「とってもいいことだね。良かった。ミラさんが元気になれて。ミラさん

の顔、今とっても輝いているよ。じゃあ、また〜」

「ありがとうございます。コメット樣…」

「ミラ。元気そうね。これからどうする?」

「織恵さん。私、テレサさんのイベントに参加しようと思って〜」

(そう私は答えた

5/19 7:00

(その日は結局12名が、翌日には8名がリタイヤした。その中には太一

君の姿もあった。彼はダイエットを成功させるために出場し、大会開始前

からほとんど何も食べていなかった。彼は「大会が始まる前にセーブしす

ぎたみたい。確かに体重は減ったけれど〜」と言っていた。他の参加者も

そのほとんどが、大会が始まる前からほとんど何も食べてない人達だった。

そして6日目には7名が、7日目には5名がリタイヤした。その全てがダ

ライ・ラマラさんや日本の密教の高僧のようにほとんど誰とも話さず、会

場内のすみの方で、あるいは自分の部屋にこもって座禅を組んだりして「修

行していた」人達だった。ダライ・ラマラさんは「(大会の)初めの頃は

みんな話しながら近くにあった食べ物にいつの間にか手が伸びていたじゃ

ろ。だから、いつもやっているように、他人との交流を断ち、自分の近く

に食べ物を置かないようにすれば、乗り切れると考えた。でも少し甘かっ

たようじゃ。こちらではいつもとは環境が違って、自分を周りの自然と一

体化させることが出来ず、自分がたった一人だと思ってしまったんじゃ〜。

まだまだ修行が足りんようじゃの〜」と言っていた)

「みなさん、お早うございます。コメットです。いよいよ、今日は予選最

終日です。12時までに残った人が決勝に進めます。今残っているのは14

人です。みんな、頑張って下さいね!」

「ハ〜イ!」

 みんなの声が会場内いっぱいに広がった。

8:30

(私は自分の部屋に戻っていた。次のイベントは9時からだったし、なぜ

かあまり気分がすぐれないからでもあった。すると、不意におさまってい

た空腹感が再び襲ってきた!すると、ふと、テーブルの上に置いてあった

昨日星力で作ったケーキが目にとまった。)

(「これは後で誰かにあげようと思って忘れていたものだわ。でも、もう

味が落ちてるかもしれないわ。捨てた方がいいかな〜」)

(しかし、それを見ているうちに、更に空腹感が強くなって来た私は、「そ

うだ、これをここで食べてしまえばいいんだわ。だって誰も見てはいない

し、これを作ったのも誰も知らないし〜」と思った。しかしすぐに、「イ

ヤ、ダメダメ、そんなことをしたらコメット樣やみんなの信頼を裏切って

しまうわ」と思い直した。しかし空腹感は更に強くなり、私はとうとう「も

〜ガマン出来ない!もし見つかったらリタイヤすればいいのだわ」と思っ

てしまった。そして食べようと手を伸ばしたその時、)

「ミラさん、入ってもいい?」(とテレサさんの明るい声が聞こえた。私

はドキッとして、あわてて手を引っ込めると、何とか平静を装って言った)

「あ、はい〜。どうぞ」

「おじゃまします。あ、ミラさん、だいじょうぶ?今朝から少し様子が

気になっていたのよ。だから様子を見に来たの。顔色が悪いわよ」

「そ、そうですか〜で、でもたいしたことありません。夕べはあまりよく眠れな

くて、少し疲れているだけです」

「そう〜」(そう言ったテレサさんが先程のケーキに目を留めた)

(そして、私の目をまっすぐ見ながら、とっても優しい声で)ミラさん、

あなた、ほんとは今とってもつらいのね(と語りかけてくれた。それを

聴いた私は思わず)

「テレサさん、私、私〜」(とテレサさんにだきついて泣き出してしまっ

た。

 テレサさんは何も言わず、そんな私を抱きしめてくれていた

8:40

(テレサさんはインドから来た、私より4つ年上のとても美しい女性で、

その顔はいつも輝いていた。私は彼女のイベントに参加したことがきっか

けでその魅力に次第に惹かれ、今ではお互いの部屋をよく訪ねるようにな

っていた。私はテレサさんに全てを話した。そして最後にこう言った。)

「私はコメット樣やみんなの信頼を裏切ろうとしてしまいました。こんな

私がこれ以上ここにいるわけにはいきません。私はここでリタイヤしたい

と思います」

「ミラさん、 あなたは確か愛力が使えるんでしょ?『輝きの元である方』

に会ってみない?リタイヤするのはそれからでも遅くないと思うけど

「え?」(私は不思議に思ったが、結局テレサさんの言葉に従ってアガペ

ー変身(ノーマルバージョン)した。テレサさんはスーパーバージョンに

変身した)

「お早う、テレサさん。ミラさん」

「お早うございます、『輝きの元である方』」

「ミラさん。君のことは何でも知っているよ。君がそれを食べようとしたことも

「ど、どうしてそれを

「それはいつも君と『いっしょにいる』からだよ。君はまだそれに気がついてい

ないようじゃがな。君はここまでよく頑張ってきたと思うよ。ここにもう少しい

てみないかね」

「でも私はもうここにいる資格は〜」

「だいじょうぶ。そう思うことは大切なことじゃ。でも、だからこそ、ここにい

てもいいんじゃよ」

「どうしてですか?」

「それは私達はみんな『心の闇』を持っていて、ひとりでは生きられない

からだと思うわ。私も自分の『心の闇』に気づいた時、こんな私がとても

生きていられない、と思ったわ。でも輝きの元である方に出会って、あの

方がいつも私と『いっしょにいて』下さると知ってから、私は変わったわ」

「テレサさん

「それから私は『心の闇』を輝きの元である方に預けたの。するとこころ

がとっても軽くなったわ。そしてスーパーバージョンも使えるようになっ

たのよ。あなたもそうしてみない?」

「でもどうやって?」

「難しくはないわ。輝きの元である方の輝きを信じてお願いすればいいの

よ。私の後について言ってくれる?」

「ええ」

「輝きの元である方。私はあなたの輝きを、そしてあなたがいつもいっし

ょにいらっしゃることを信じます。どうか私の『心の闇』をお受け取り下

さい。アガパオー!」

(すると、不思議とこころが軽くなり、また「とてもあたたかいもの」が

こころの中に流れ込んでくるのを感じた!私は思わず、)

「ありがとうテレサさん、こころがとっても軽くなったわ」とテレサさん

の手をとって言った。空腹感はうそのようにおさまっていた)

「お礼は輝きの元である方に言ってね。でも良かった。ミラさんが元気に

なれて。どう?私といっしょにもう少しここにいてみる?」

「ええ。あ、輝きの元である方。ありがとうございました」

「君の『心の闇』は確かに私が預かった。安心していきなさい。私はいつも君と

いっしょにいるよ〜。ではまた〜」

(そう言うと、輝きの元である方はあっという間に消えてしまった〜)

「消えちゃった」

「あの方の輝きは目には見えなくても、こころで感じることが出来るのよ。

私もそろそろ失礼するわ。ではまた」

「会場で。来てくれてありがとう」

「こちらこそ。会えて良かったわ。あ、そうだわ、あれはどうする?」

(テレサさんは先程のケーキに気づいて言った)

「これは大切な記念としてメモリーストーンの中?ノとっておくわ」

「そう。ば〜イ☆」(テレサさんはそう言ってドアの外に消えていった)

(テレサさん、ほんとうにどうもありがとう。

私はしばらくドアの方を見つめながらこころの中でそっとつぶやいた

12:00

 それから更に2人がリタイヤし、結局12名が決勝に残ることになった。わた

しは12時ちょうどに所定の位置について言った。

「みなさん、これで予選は終わりです。決勝にはこれから紹介する12

が残りました。呼ばれた人は前に来て下さいね。まずはパウロ大司教、次

にニック君、ジュノーさん、それからミラさん、カロン君。以上が星国か

らの人達です。地球からはハリー君、ジョン君。それからテレサさん、マ

リヤさん。それからジャンさん、バーバラさん。そして織恵さんです。み

んな、ここまでよく頑張りました。おめでとう〜!」

会場内に大きな拍手が沸き上がった

その2「決勝」に続く

 

 

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