新コメットさんの日記 第4章「星国のサーキット」その3

「決勝第二ステージ」

コメットさん:21才。ハモニカ星国の王女。ハモニカ星国に留学している

ツヨシ君、ネネちゃんのお世話をするために星国に滞在中。

剛(ツヨシ)くん:12才。コメットさんがかつて地球でお世話になった

藤吉家の主人、景太郎パパ達のふたごの兄。ハモニカ星国に留学中。サー

キット星で行われた第1000回トライアングル星雲ティンクルロボットレ

ーシング大会決勝第一ステージをトップで通過する。

ツヨシロボ:全長約50m、全幅約20m。ツヨシ君の操縦するティンク

ルロボ。ツヨシ君の良きパートナーとなる。

パンダ隊長:65才。(地球年齢41)ハモニカ星国防衛軍最高司令官で

ティンクルロボット隊隊長。第999回ティンクルロボットレーシング大会

勝者。第1000回ティンクルロボットレーシング大会決勝第一ステー

ジ後半を4位で通過。

プラネット王子。24才。タンバリン星国の王子。第1000回ティンクル

ロボットレーシング大会決勝第一ステージ第10位。

Dr-GIYさん:40才。埼玉県内の大学のロボット工学科助教授。愛機不知

火に乗り、第1000回ティンクルロボットレーシング大会決勝第一ステー

ジ第3位。

青連者さん:28才。都内の会社のエンジニア。決勝第一ステージ2位。

サーシャさん:トランスバール星国で創られたアンドロイド。テレパスリ

ンクにより青連者さんの操縦をアシストする。予知能力によりベオウルフ

の危機を救う。

イマジンカイザさん:21才。都内の大学4年生。第一ステージを24

位で通過

 

7/8 10:08

「え?」(僕達は1位で第二ステージに入った。しかし、海に入ったとたん、

僕は思わずそう声に出してしまった)

「どうされました、ツヨシ様」

「だって、ツヨシロボ、全然進まないんだもの。海に入るまでは順調だっ

たのに〜」

(既にベオウルフがトップに立ち、少しずつ差が開き始めいた)

「予想以上の水の抵抗ですな。対策を考えないと〜あ、パンダ隊長のロボ

が迫ってきています」

「ほんとだ」(僕は思わず後ろを振り向いて次第に大きくなってくるパン

ダ隊長のロボを確認した)

 

「これで全てのロボが第二ステージに入りました。現在のトップの状況は

どうなっているのでしょうか。お〜っと、パンダ隊長ロボ、ベオウルフに

5秒差で早くもトップに立っています!続いて約12秒差でシューマッハ

ー3兄弟、第6位のツヨシロボとは15秒の差がついています!そしてそ

のすぐ後ろにはグレート不知火がせまってきています」

(司会者の声の中、僕達は苦闘していた。しかし、前との差は広がる一方

だった)

「一方、こちらは現在タイムでは最下位のイマジンカイザーロボです。し

かし、この海の中では走りが全然違います。足先をひれのように細長く変

型させ、まるでイカやタコが泳ぐように動かしています。これは速い!前

との差をどんどん縮めています!今後の走りに注目です!」

 

「そうなんだ〜」

 司会者の言葉を聞いてわたしはイマジンカイザーさんのこころの声を聴いて

みることにした。

 

(「ヨオし!」俺はこころの中で思わずそう叫んでいた。先頭との差が大き

く開いてしまっても、これまであきらめずに何とか頑張ってこれたのは

「ここ(のステージ)までくれば何とかなる」と思っていたからだった。

決勝のどこかに海中ステージがあるだろうことは予選が始まる前に既に予

想していた。俺はこのステージに賭けていた。水の抵抗がなるべく少なく

なるようフライモードを改良した「マリンモード」を開発し、海流の強さ

や方向を感知出来るセンサーを取り付けた。

「このステージは短いし、おそらく他のロボは特に対策をとってこないだ

ろう」との読み通り、前を行くロボとの差はグングンつまって行き、約1

分後には30位の篠原健太郎選手のロボに追い付いた。ここの海は地球と

ほとんど同じだった。ロボは現在深さ約350mの海底を進んでいたが、

海の中は真っ暗だがコース内は境界付近のピンク色の輝きにより明るくな

っていた。そしてコースのわきにはこの輝きに惹かれるように、人魚のよ

うな「さかなビト」が群れをなしてレースの様子を見守っていた。所々に

スタンドのような場所が見え、そこには特に多くのさかなビトが観戦して

いた)

「さあ、いよいよイマジンカイザーロボがやってきました。快調に飛ばし

ています!ついに前を行く篠原健太郎選手のロボを捕らえました!あっと

いう間に抜いていきます!速い!」

(との司会者の実況を聴きながら、俺は近くに良い海流を見つけ、その流

れにのって更にスピードをあげた。その結果前を行くロボを次々と抜いて

いき、第二ステージに入って灼2分後にコースの中間点に達した時には既

に8位にまで順位をあげていた。この時俺の少し前には、そのカッコ良さ

にあこがれていたグレート不知火がいた)

 「さあ、イマジンカイザー選手、早くも中間点に達しました!トップの

パンダ隊長との差はわずか34秒です!間もなく現在7位のグレート不知

火をとらえようとしています!」

(司会者がそう語っているうちに俺は更にスピードをあげてグレート不知

火のすぐわきにきた。するとロボの動きから搭乗者のDr.-GIYさんが俺に

気付いたのがわかった。俺がそのまま一気に抜こうとした時、不知火の右

手がさっと上がって振られた。それはまるで

「よくここまで来たな。お互いに頑張ろう」

と言っているかのように見えた。俺はますますGIYさんが好きになった。

そして思わず振り返って一礼した後、ロボをグレート不知火の前に進めた。

あのグレート不知火の前に俺(のロボ)がいるそんな夢のようなシチュ

エーションが目の前に展開されていることを、自分でも信じられなかっ

た)

「イマジンカイザーさん、スゴ〜イ。」

 ここまで聴いていたわたしは思わずそう言った。そして再び ツヨシ君のここ

ろの声を聴いてみた。

「イマジンカイザーロボだ!いつの間に!?」

(急速に近付いてくるロボにようやく気付いて僕は言った)

「ツヨシ様。このままでは間もなく抜かれます」

「〜ン〜どうしよう」

(と僕が悔しそうに言っているうちにイマジンカイザーロボがせまってき

てアっという間に抜かれてしまった)

「は、速い〜」

(僕はなすすべもなく、ぼうぜんとイマジンカイザーロボが通過するのを

見送っていたが、やがてあることに気付いてツヨシロボに言った)
「ツヨシロボ、わかったぞ。今までこの流れに逆らって無理に進もうとし

ていたからダメだったんだ。いい流れを感じてそれに乗り、ロボの動きも

流れに合わせればいいんだ。ツヨシロボ、流れを読むことが出来る?」

「ハイ。星力を集中させれば何とか。ただ、ロボの動きを流れに合わせる

のにはツヨシ様と一体となって流れを感じる必要があるかと」

「わかった。やってみよう」

(僕は精神を集中させるために一旦目を閉じ、想いをツヨシロボに向かわ

せた。すると、自分が少し大きくなったような気がして、ツヨシロボと気持ちが一つになったのを感じた)

「ツヨシロボ、あそこにいい流れがあるよ。行ってみよう」

「了解!」

(ツヨシロボが嬉しそうに言った。僕も嬉しかった。早速流れに乗り、進

んでいくと、これまでの走りがウソのように順調に進んで行き、前を走る

ロボとの差がつまっていった。それから少しして自然と平泳ぎのような動

きをするようになってからは更にスピードが増し、シューマッハー3兄弟

のロボを次々と抜くことが出来た)

「さあ〜イマジンカイザー選手、約2分の差をものともせず、ついにトッ

プのパンダ隊長ロボに追い付きました!そして一気に前に出ようとしてい

ます!今、トップに立ちました!パンダ隊長、ついて来れるか?懸命に追

い付こうとしていますが、ダメです。次第に離されていきます!何という

ことでしょう!第一ステージ、タイムでは最下位だったイマジンカイザー

選手がここでついにトップに立ちました!!」

わたしはすぐに再びイマジンカイザーさんのこころの声に耳を傾けた。

「ヨオっしゃ〜!」

 (パンダ隊長を抜いてトップに立った時俺は思わずそう叫んでいた。つ

いにトップに立ったのだ。俺の前にはもはや一機のロボもなく、ピンク色

の輝きがどこまでも伸びていた。とても気持ち良かった。コースの両脇に

いるさかなビト達がこちらを見ているのがチラリと見える。何となく嬉し

かった。コース終盤に来た時、流れが急に変わるのを感じ、すぐに別の

流れに乗り換えた。しかし、司会者の実況によると、後続のロボの何機か

がこれに巻き込まれたらしい。「センサーを積んどいてホントに良かっ

た」と思った)

「ツヨシ君達、大丈夫かな」

わたしはすぐにツヨシ君のこころの声を聴いた。

「ツヨシ様、大丈夫ですか?」

「ああ。何とかいい流れに乗れたみたいだよ。今、ベオウルフを抜いたも

ん」

(僕はほっとしてツヨシロボに言った。僕がベオウルフに追い付こうとし

ていた時、ベオウルフが急に向きを変えた。サーシャさんの予知能力が働

いたにちがいない、と思った僕はとっさに一番近くにあったいい流れに乗

り換えた。その直後、それまで乗っていた流れが変わり、付近にいた第6

位デビット・シューマッハーと第7位ミカエル・シューマッハーがこれに

巻き込まれ、コースアウトした。一方、第5位ラファエル・シューマッハ

ーと第8位のグレート不知火は5秒程タイムをロスしたものの、何とかレ

ースを続けることが出来たようだった)

「オ〜っと、海流の変化によりシューマッハー3兄弟のうちデビット、ミ

カエルの2人がリタイヤ!これで現在残っているのは27機になりまし

た!一方、イマジンカイザー選手、後続のロボとの差を30秒以上に開い

て快調に飛ばしています!このまま行けば、一位で最終ステージに入るの

は間違いなさそうです!」

「良かった」

 わたしは安心して今度は青連者さんのこころの声を聴いてみた。

「サーシャ、また助けられたな。どうもありがとう」

「いえ〜お2人の素早い動きのおかげですわ。それより早くパンダ隊長達

に追い付かないと」

「そうだな。ツヨシロボに抜かれたばかりだし、もっといい流れを見つけなきゃな。ベオウルフ、サーシャ、たのむぞ」

「了解!」「了解!」

2人の声がこだました。

(俺は第2ステージのゴールに迫っていた。既に後続との差は約1分に達

していた。俺は「これでいける」と思った)

「さあ、イマジンカイザーロボ、間もなく最終ステージに入ります。今、

海から上がりました、と思ったらまだマリンモードのままです!あえなく

海に落下しました!お〜っとしかし、再びフライモードにチェンジして今

度こそまっすぐ上に飛び上がりました!およそ6秒のタイムロスです。し

かし、合計タイム13分11秒398でダントツトップです!しかも、ま

だ輝きポイントの結果は出ていませんが、こちらでもトップなのは確実な

情勢です!」

(ようやく第2ステージのゴールが近付いてきた。僕はパンダ隊長に追

い付こうとしていた。一方、一旦抜いたベオウルフがすぐ後ろにピッタリ

とつけていた)

「ツヨシ様、ベオウルフがスパートする気配をみせていますが、どうされ

ますか?」

「こっちもすぐスパートする、ツヨシロボ、スパート!」            「了解!」   

(その直後、ベオウルフもスパートした)

「さあ、続いて激しい2位争いです。現在第2位がパンダ隊長ロボ、その

すぐ後ろにツヨシロボとベオウルフがつけています。今、パンダ隊長ロボ

が14分12秒115、ツヨシロボが14分12秒117、ベオウルフが

14分12秒121で通過しました!続いて第5位ラファエル・シューマ

ッハー選手のロボが14分16秒776で、グレート不知火が14分17

秒339で通過しました!それからティンクルマジンガーが14分29秒008で、アイルトン・ゼナ選手のロボが14分35秒585で、プラネ

ット王子のロボが14分50秒112で、アストロ・アテムが15分3秒

119の第10位で通過しました!続いてアラン・ブロスト選手のロボが

15分16秒308で、エウロパ教授のロボが15分30秒315で、ジ

ュピター王子のロボが15分38秒987で、ベガ巡査長のロボが15分

48秒077で、ルナ巡査のロボが15分51秒223の15位で通過し

ました!そしてヒデ動画ビトのロボが16分20秒187で、マーズ輝き

自然度チェックビトのロボが16分55秒435で、ステラ料理ビト長の

ロボが17分22秒317で、ニック料理ビトのロボが17分25秒

668で、佐藤卓也選手のロボが17分38秒407の20位で、オムニ・

アスリートが17分51秒763の21位で通過しました!さあ、ティン

クルダイナマイザー、後5秒以内に通過しないとリタイヤですが、17

分55秒997のギリギリで通過しました!続く大鷲郷選手、間に合う

か!後3秒でアウトですが、ア〜ッと!ここでタイムアップ!通過ライン

まで後わずかでしたがリタイヤしました!そしてこれに続く選手も次々リ

タイヤ!今最下位だった篠原健太郎選手もリタイヤしました!これで22

選手が最終ステージに進みました!お〜っと!間もなく輝きポイントの結

果が出るようです!来次第お知らせいたします!「どうやら出たようで

す。投映します。お〜っと!やはりイマジンカイザー選手は強い!ダント

ツ一位です。そしてツヨシ選手とパンダ隊長はポイントは同じですが、第

一ステージの順位がツヨシ選手の方が上なので、ツヨシ選手が2位、パン

ダ隊長が3位となっています。以下は先程お知らせしたタイムでの順位と

同じですね。さあ〜いよいよ最終ステージです!先頭の様子はどうなっ

ているでしょうか?お伝えしたいと思います」

大歓声の中、司会者の声が響き渡った。わたしは「いよいよ(最後のス

テージ)だな」と思った

最終ステージへ続く

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