新コメットさんの日記最終章「わたしの夢」その1後半「筆記試験」第

2日目

 

コメットさん:21才。ハモニカ星国の王女。夢をかなえるために保育士

試験に挑戦中。

寧々(ネネ)ちゃん:12才。コメットさんがかつて地球でお世話になった

藤吉家の主人、景太郎パパ達のふたごの妹。ハモニカ星国での留学を終え、

鎌倉の家に戻る

剛(ツヨシ)くん:12才。同じくふたごの兄。同じくハモニカ星国での留

学を終え、鎌倉の家に戻る。

なつねさん:21才。横浜市戸塚区在住。コメットさん、まきこさんと同

じ専門学校のクラスメートだった。4月から有希先生の指導の元、コメッ

トさんに代わって雪ノ下保育園の星(年少)組の見習い保育士として働い

ていた。コメットさんの隣の教室で保育士試験挑戦中。2才下の妹がいる。

明るくて積極的。イラストを描くのが得意。

まきこさん:21才。横浜市南区在住。雪ノ下保育園の月(年中)組の見

習い保育士。コメットさんの隣の部屋で保育士試験に挑戦中。3才上の姉

がいる。13才から愛力スーパーバージョンを使う事が出来る。

春名さん:23才。横浜市港南区在住。港南台保育園の見習い保育士。コ

メットさんの前隣の席で保育士試験挑戦中。筆記試験が苦手で教室内で唯

一全科目再受験となる。

林先生:24才。横浜市在住。コメットさんが保育士試験を受ける教室の

試験監督。2008年の保育士試験を筆記試験神奈川県トップで合格し、

強力な指導力と合わせて試験監督に抜てきされる。横浜市内の公立保育園

の担任でもあり、子供達にも一見厳しく接しているように見えるが、本当

はとても優しい。

有希先生:32才。鎌倉市在住。雪ノ下保育園の星組の担任で主任保育士。

4年前に結婚し、3才の娘がおり、2006年4月から職場復帰。

景太郎パパ:ツヨシ君、ネネちゃんの父親で建築設計士。2009年4月

に移り住んだオーストラリアから一時帰国する

沙也加ママ:ツヨシ君、ネネちゃんの母親。移住していたオーストラリア

から一時帰国する。

 

8/29 8:00

 家に戻ったわたしはさっそく景太郎パパや沙也加ママ、ケースケなどに

その日のことを報告し、翌日に備えて少し勉強した後、早めに寝た。翌日、

前日と同じ時間になつねさんとまきこさんが迎えに来た。

「おっはよ〜。なつねさん、まきこさん。昨日はよく眠れた?」

「ええ。だいじょうぶよ」

「私も。さあ、行きましょう」

「あ、待って〜。景太郎パパ、沙也加ママ、行ってきます」

「行ってらっしゃい、気をつけて」

「コメットさん、行ってらっしゃい〜」

 わたしがふと見ると、ツヨシ君が眠そうな目をこすりながら、パジャマ

姿のまま来ていた。

「ツヨシ君。起きてたの。今日は日曜日だからまだ寝てていいのに〜」

「でもコメットさん達は今日も試験があるし、もう8時すぎてるし〜」

 ツヨシ君の言葉にはっとしたわたしは
「あ、たいへん。ツヨシ君、ありがと。行ってきます。あっ、みんな待っ

て〜〜」

と言いつつあわてて2人の後を追いかけた。

8:30

 わたし達は昨日より少し遅く校舎内に入り、30分すぎにはそれぞれの

教室に入った。

「春名さん、おはよう。昨日はよく眠れた?」

「おはよう、コメットさん。ええ。今日も頑張りましょう」

 春名さんは独特のやさしい声でそう言った。それを聞いて嬉しく思った。

教室内は7割程埋まっていたが、初日の緊迫した空気とは違って、どこか

和やかで温かい感じがした。受験生達がお互いに知り合い、かつ試験にも

慣れてきたせいだろう、と思った。

 8時50分頃、林先生達がやってきた。

「みなさん、おはようございます。これから2日目の試験を始めます。受

験票、鉛筆と消しゴム、時計以外のものは机の上に置かず、しまって下さ

い。しまったら写真との照合を行いますので昨日と同じようにしばらく前

を向いていて下さい」

 林先生の凛とした声が教室内に響いた。気持ちが良かった。

「それから昨日も言いましたが、携帯電話をもし持ってきた人はこちらの

箱に入れて下さい。そして、くれぐれも昨日のような不正な行為は行わな

いように。ではこれから最初の科目の小児栄養の問題用紙と解答用紙を配

ります。まだ始めないで下さい」

 と林先生は手慣れた様子で照合作業を終えると言った。教室内の空気が

少し変わったが、昨日程張り詰めた感じはしなかった。わたしは問題用紙

と解答用紙を後ろに回したが、それから林先生の試験開始の合図があるま

での間は昨日より早く感じた。

「では始めて下さい」

 との声の直後、いっせいに問題用紙の最初のページがめくられる。わた

しは心地よい緊張感を味わっていた。

 最初の問題はこうだった。

問1:食物アレルギーについての以下の記述のうち、正しいものを○、誤

っているものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 5大アレルゲンは鶏卵、そば、大豆、牛乳、小麦である

B 米は日本人の主食であり、食物アレルギーの原因となることは極めてま

れである

C アレルゲンの摂取量や本人の感受性によってはアナフィラキシーショ

ックを起こし、死に至る場合もある

D 幼児が特定の食物を食べようとしない場合、その原因が食物アレルギ

ーに起因する場合があるので注意が必要である

E 幼児が食物アレルゲンを誤って摂取した場合、それがごく微量ならば

保護者にすぐに連絡する必要はなく、しばらく様子を見る程度で良い

 

(組み合わせ)

  A  B  C  D  E

1 ○ ×  ○ × ×

2 × ○  × ○ ○

3 ○ ×  ○ ○ ×

4 × ×  ○ ○ ○

5 ○ ○  × × ○

 

 これを見た時、(いきなり最初から難しい問題なんて…)、と思った。し

かし、この教科は比較的得意な分野だったので、何とか正解の3番をマー

クすることが出来た。一方、難しかったのは最初の2、3問で、4問目以

降は比較的やさしかった。が、最初の問題にかなり時間を使ってしまった

ため、時間の余裕がほとんどなかった。終了30分前に何人かの受験生が

退出し、更に終了20分前に春名さんが退出してようやく自分のミスに気

づき、(しまった。難しい問題は後にして、簡単な4番目以降の問題から先

にやれば良かった)と思ったが、遅かった。結局時間ギリギリまでかかっ

て何とか全ての問題をこなすことが出来た。

 

8/30 12:00

 わたし達は前日と同じカフェテリヤでお昼を食べていた。

「春名さん、小児栄養は得意なの?。途中退出したのを初めて見たからち

ょっとびっくりしちゃった」

 そうわたしが尋ねると、

「ええ、今ではね。元々好きだったのよ。でも去年は後一歩で合格できな

かったけど」

 春名さんは笑顔で答えてくれた。

「そうなんだ」

「ところで私は10分前に退出したけど、みんなは?」

「私は約30分前よ」

「私は20分前」

「わたしは…結局退出出来なかったわ」

「ってことはコメットだけが退出出来なかったってこと?」

「そうだね。わはっ☆」

「でも、時間内には全部出来たんでしょ?まあいいじゃない」

「それもそうだね。ハハハ〜」 

 わたしが笑うとみんなも笑い出し、なごやかな雰囲気になった

 

25

 わたしは午後の最初の試験の教育原理の問題に取りかかっていた。この

教科は他と比べると苦手だった。そこで難しい問題3問を後回しにしたが、

残り10分になってようやく取り組めるようになった。最初の問題はこう

だった。

問3:次の「人名」「言葉」「事柄」の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

「人名」

A ブルーナー B ペスタロッチ C デューイ D モンテッソーリ

E コメニウス

「言葉」

F「なすことによって学ぶ」

G「どの教科でも知的性格をそのままに保って、発達のどの段階の子どもに

も効果的に教えられる」

H「創造主の手を離れるときあらゆるものはみな善きものであるが、人間の

手に渡るとその罪により全てが悪しきものになってしまう」

I「人間(心)は白紙のようなものであり、教育とは精神に印象を刻み込む

ことである」

J「教育は児童期、青年期で停止するものではない。それは、人間が生きて

いる限りつづけられるべきである」

「事柄」

K「生涯学習」 L「児童中心主義」 M「陰者の夕暮」 N「経験主義」

O「ウッズホール会議」

 

「組み合わせ」

AIO BGM CFN 4 DHL EJK

 

 一見して(だめだ。全然わかんない)と思った。そして、(もうこの問題

は諦めて、他の7問を確実にしよう)と思ったが、まきこさんが

(「この手の問題は問題を解こうとするよりも、答えを見て、それが正しい

かどうか、考えた方がいいわ」)と言っていたのを思い出した。早速答えを

見てみると、1番と2番は違うことが何とかわかり、どうやら3番がそう

らしかった。結局3番と4番で少し迷った後、正解の3番をマークするこ

とが出来た。残り2問も同じようにやり、何とか時間内ギリギリで終える

ことが出来た。

 

14:15

 わたしは春名さん、なつねさん、まきこさんと自分の教室で話していた。

みんなの話を聞いている限り、それぞれ差はあるものの、ここまでは合格

水準に達していそうだった。しかし、次の最後の科目、「保育実習理論」は

問題数40問、試験時間が2時間と「最大の難関」だった。

「次はいよいよ、最後の難関、『保育実習理論』だね」 

「ええ。でも、コメットは得意なんでしょ?」

「ウンーでも、今年から問題数も増えたし試験時間も2時間もあるし、

 わたしがちょっと弱気になって言うと、

「だ〜いじょうぶよ、コメット。あなたは愛力が使えるんだし、試験時間

は1時間ごとに区切って考えればいいのよ」

「1時間ごとに区切る?」

「2時間の試験じゃなくて、今までと同じ、1時間の試験が2つある、と

思えばいいのよ。あ、もう戻らなければならないわ。じゃあ、みんな頑張

ってね」

「ええ。あなたこそ」  

「私も戻らなきゃ。じゃあ、コメット、最後だから頑張ろう」

「ええ。なつねさんも頑張ってね。春名さん、わたし達も席に戻ろう」

「ええ」

 まきこさん、なつねさんが教室を出ていくと間もなく、林先生達が教

室内に入って来た。

「みなさん、いよいよ本日最後の科目です。この試験は14時30分から

16時30分までの2時間ととても長くなっています。退出は試験終了1

時間前から10分前まで認めますが、試験終了後に連絡事項がありますの

で必ず全員が試験終了5分後までに教室に戻ってきて下さい。退出した人

はそのまま帰らず、試験終了直後から5分後までの間に教室に戻るように。

ではこれから、写真との照合を行いますので昨日と同じようにしばらく前

を向いていて下さい」

 林先生はそう言うと、アシスタントと共に、写真の照合を始めたが、こ

の科目は最も難しいらしく、試験を受ける受験生の人数が最も多かった。

このため、照合作業もいつもより少し時間がかかっていた。しかし試験開

始5分前には

「ではこれから問題用紙と解答用紙を配ります。まだ始めないで下さい」

との声が響いた。

「間もなく試験が開始されますが、途中トイレに行きたくなったり、気分

が悪くなったりした場合は必ず手を上げて私達に知らせて下さい。また、

不正がないように、退出する人は特に気をつけて下さい。くれぐれも試験

終了前に教室内に戻る事のないように」

 わたしは問題用紙と解答用紙を後ろに回すと、これまでより厚い問題用

紙の表紙を見つめながらふ〜っと息を吐き、意識を集中させた。それから

間もなく、試験開始のチャイムと共に

「それでは、始めて下さい」

との声があった。この試験は昨年改正された「保育所保育指針」を中心に

出題され、総合力が問われる難しい教科だった。このためわたしほこの教

科を最も得意としていたが、最初は少々不安だった、最初のページを開き、

1問目にとりかかる。最初の問題はこうだった。

 

問1:平成20年に改正された「保育所保育指針」に関して誤っているも

のの組み合わせを一つ選びなさい

Aこれまでの保育指針は、厚生労働省 児童家庭局長名の通知であり、内容

を現場で取捨選択出来るよう細かく示されていたが、この保育指針は、厚

生労働大臣からの告示であり、拘束力があるので、内容が精選されたもの

となっている。

B 保育所は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第49条に基づき、

保育に欠ける乳幼児の保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目

的とする児童福祉施設であり、入所する子どもの最善の利益を考慮し、そ

の福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければなら

ない。  

C 保育士は常に研修などを通して、自ら、人間性と専門性の向上に努める

必要がある。また倫理観に裏付けられた知性と技術を備え、豊かな感性

と愛情をもって、一人ひとりの子どもにかかわらなければならない。

D 保育所は、入所する子どもを保育するとともに、家庭や地域の様々な社

会資源との連携を図りながら、入所する子どもの保護者に対する支援及び

地域の子育て家庭に対する支援等を行う役割を担うものである。

E 各保育所は、この指針において規定される保育の内容に係る基本原則に

関する事項等を踏まえ、各保育所の実情に応じて創意工夫を図り、保育所

の機能及び質の向上に努めなければならない。

 

組み合わせ

ABC 2BC 3CDE  AE C 6なし

                                                                                                                                                                                                                                                                                    

 この問題を見た時、(さすが最難関の教科だわ。最初からかなり難しい問

題ね)と思ったが、このような問題が出ることは予想していたので、集中

的に勉強していた。そこで(ここをやっといて良かったわ)と思って5番

をマークしようとしたが、Bの法律の条文の番号が違うことに気付いた。

(あぶない。あぶない。ちょっと甘く見すぎたわ)と思いつつ、もう1度

見直して、2番をマークした。

 

15:30

 「今から終了10分前まで退出を認めます。先程も言ったように、退出

者は必ず終了直後から5分後までの間に入室して下さい」

 との林先生の言葉があったが、さすがにこの時点では退出者は誰もいな

かった。わたしは後半の問題に取りかかっていた。後半の問題は保育所保

育指針を実際の保育に適用した、より実践的なものとなっていた。その時

わたしが取りかかっていたものは、こんな問題だった。

問23:食育指導についての以下の記述のうち、正しいものを○、誤って

いるものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 子どもが自分の感覚や体験を通して、食材や調理する人への感謝の気

持ちが育つように指導する。

B 乳幼児期にふさわしい食生活が展開され、適切な援助が行われるよう、

食事の提供を含む食育の計画を作成する。

C 保育所には必ず栄養士を配置し、その専門性をいかした対応を図る。

D 子どもが生活と遊びの中で、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う

ように指導する。

E 食物アレルギー、障害のある子どもなど、一人一人の子どもの心身の状

態等に応じて適切に指導を行う。

 

(組み合わせ)

  A  B  C  D  E

1 ○ ○  ○ ○ ○

2 ○ ○  × ○ ○

3 ○ ×  ○ ○ ×

4 × ○  × ×  ×

5 ○ ○  × × ○

 

わたしは少し迷ったが、結局正解の2番をマークすることが出来た。

一方、最後の問題はこうだった。

問40:以下の記述のうち誤っているものの組み合わせを一つ選びなさい

A 入所したばかりの子どもに対しては、できるだけ個別的な対応を行い、

子どもが安定感を得て、次第に主体的に保育所の生活に適応できるように

するとともに、既に入所している子どもに不安や動揺を与えないよう配慮

が必要である

B 乳児は疾病への抵抗力が弱く、心身の機能の未熟さに伴う疾病の発生が

多いことから、一人一人の発育及び発達状態や健康状態についての適切な

判断に基づく保健的な対応を行う

C 3歳未満児は特に感染症にかかりやすい時期であるので、体の状態、

機嫌、食欲などの日常の状態の観察を十分に行うとともに、適切な判断に

基づく保健的な対応を心がける

D 3歳以上児に対してはけんかなど葛藤を経験しながら次第に相手の気

持ちを理解し、相互に必要な存在であることを実感できるように配慮する

E  障害のある子どもに対しては、一人一人の子どもの発達過程や障害の

状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生

活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付ける。一方、その

子どもの発達の状況や日々の状態によっては、指導計画にとらわれず、柔

軟に保育したり、職員の連携体制の中で個別の関わりが十分行えるように

する

 

(組み合わせ)

ACE

AE

E

BD

ADE

BE

7  DE

8  CD

9       なし

 

 わたしは一目見て、(うワっ。これまでで選択肢が1番多い。さすが最後

の問題ね)と思った。それから間もなく

「後10分です。これからは退出を認めません。名前や受験番号の記入も

れがないか、もう一度確認して下さい」

との林先生の声があった。結局退出者は5人程と、思ったより少なかった。

わたしは意識を集中し、問題とその答えをもう一度よく読んでみた。(あ

れ?どれも間違っていない?でもホントかな〜)と思い、更に考えてみた

ら、B,C,Dが合っているのはわかった。更に見直したが、どうやらAは合

っているようだが、Eが一番あやしかった。わたしは3番にするか9番に

するか最後まで迷ったが、ふと有希先生の次の言葉を思いだした。

(「もし答えに迷ったら、子供達のことを思い出して。きっと教えてくれる

と思うわ」)そこで初めて障害を持った子供を担当した時のことを思い出し、

9番をマークすることが出来た。ここで終了5分前となり、最後の見直し

に入った。それから終了のチャイムが鳴り、

「鉛筆を置いて下さい。問題用紙と解答用紙を回収します」

との声があった。その直後、退出者達が入ってきた。林先生達は手早く回

収を済ませると、2人のアシスタントは問題用紙と解答用紙を持って教室

を出て行った。一方、林先生は連絡事項が書かれた用紙を配った後、

「全員そろっていますね。この2日間、ご苦労様でした。それでは今後の

予定についてお知らせします。まず、この試験の合格通知は9月末頃、

10月1日までに行なわれる予定です。筆記試験を全科目合格した場合

は10月25日に実技試験がこの会場で行なわれる予定です。もし万一

10月3日までに結果が通知されない場合は連絡して下さい。何か質問は

ありますか?」

と言った。

「先生、2次試験の受験科目を変更したい場合はどうすればいいのです

か?」

と春名さんが手を上げて言ったのでちょっと意外だった。

「言い忘れていましたが、2次試験の受験科目を変更したい場合は10月

5日までにメールかFAX,手紙でこちらまで知らせて下さい。手紙の場合

は10月5日の消印まで有効です。これ以降は変更出来ませんので注意し

て下さい。他に質問がなければこれで終わりたいと思います。ここにいる

全員が2次試験に進めるよう、期待しています。ではみなさん、さような

ら。いつか、どこかでみなさんと保育士として会えるのを楽しみにしてい

ます」

と林先生が言うと、みんな一斉に立ち上がって、

「ありがとうございました」と言いつつおじぎをした。林先生は何かを感

じていたようだが、すぐに何かに追われるように教室外に去っていった。

その直後、

「ワア〜ッ〜」という歓声があがり、ホッとした空気が流れた。

 

16:45

 わたしは春名さん、なつねさん、まきこさんと一緒に会場の外の道を鎌

倉駅に向かって歩いていた。みんなの顔は充実感と満足感で輝いていた。

それを見ただけで、(みんな手ごたえを感じているな)と思った。

「コメット、どうだった?」

とまきこさんが聞いてきたが、わたしが答えるよりも早く、

「私と同じね。聞くまでもなかったわ。実技試験もよろしくね」

と言っので、思わず、

「まきこさん…。ありがとう。こちらこそよろしく。あ、もちろん、なつ

ねさんも春名さんもありがとう」

と言葉が口をついた。するとなぜかみんなが笑い出したのでわたしもつら

れて笑った。みんなの元に筆記試験の合格通知が届いたのはそれから約1

ケ月後の9月30日だったその2(実技試験)に続く

 

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