「コメットさんの日記新たなる旅立ち—地球(テラ)へ—」

第2章「クラリス達の危機」エピローグ

 

コメットさん：26才。ハモニカ星国の王女。雪ノ下保育園の先生。カリオ

ストロ公国の王女、クラリス二世を助け出し、その結婚式に出席する。

クラリス＝ド＝カリオストロ王女（クラリス二世）：２６才。カリオスト

ロ公国の女王、クラリス一世の一人娘。３年前から女王の職務を代行。

ルーク＝カリオストロ伯爵にさらわれるものの、コメットさん達に助け

られ、マルコ衛士長と無事結婚式を挙げる。翌日戴冠式を行い、正式に

女王となる予定。

ラ＝クラリス＝バイオリン女王：２６才。コメットさん、クラリス二世の

親友。ハモニカ星国最大の小星国、バイオリン星国の女王。クラリス二世

と外見がそっくり。さらわれたクラリス二世の身代わりとなり、ルーク＝

カリオストロ伯爵を説得し、一緒に証人として結婚式に出席。

クラリス＝ド＝カリオストロ女王（クラリス一世）：６２才。カリオストロ

公国の女王。新婦の母として結婚式に出席。

あおいちゃん：11才。コメットさんのいとこ。スピカおばさまの娘。コメ

ットさんと一緒に結婚式に出席。

マルコ＝ド＝カリオストロ殿下：２８才。クラリス二世の夫。大公館の

衛士長。

 

2014 ８/24 1５：30 (カリオストロ公国時間：日本時間 ２２:30)

　翌朝、クラリス二世の戴冠式が礼拝堂内で行われ、正式に女王となった。

その後大公館内で女王就任を祝うレセプションが行われた。レセプション

終了後、わたしはあおいちゃんとクラリスと一緒に、クラリス二世達に別

れを告げに向かった。

「クラリス二世、お世話になりました。本当はもう少しいたい所だけど、

そろそろ帰らなければならないので…」

「そう、晩餐会にも一緒にいて欲しかったけれど、それは残念ね。でも、

来てくれて、否、私達を助けてくれて、どうもありがとう」

クラリス二世は輝きに満ちた顔を向けて言った。

「私からもお礼を言わせて下さい。コメット王女。娘を助けてくれてどうも

ありがとう」

「いえ、こちらこそ、色々ありがとうございました」

「妻を助けてくれてどうもありがとう。おかげで無事結婚式を挙げることが

出来たよ」

「良かったですね。お幸せに。いつか日本にも来て下さいね」

「ああ、近いうちに２人で行く事になるんじゃないかな。その時はよろしく」

「クラリス、今日は本当におめでとう。11月には私達の結婚式があるから、

是非来てね。来月には正式な招待状を出すつもりだわ」

「ええ。もちろん。楽しみにしているわ。これからは同じ女王としてよろし

く」

「こちらこそ。でもあなたには素晴らしいお母様がいらっしゃるわ」

「あなたの国の方がこの国より否、この星よりはるかに広いわ。娘は女王と

しての経験はまだ十分ではないわ。相談にのってあげてね」

「ありがとうございます。喜んで。でも花嫁としては先輩だから、私の方が

（結婚式に関して）相談するかも」

「ええ。もちろんいいわよ。いつでも連絡して」

そうクラリス二世が言った後、あおいちゃんが口を開いた。

「クラリス二世、お世話になりました。とても楽しかったです。機会があった

ら、また是非来たいです」

「ええ。是非また来てね。いつでも歓迎するわ」

「あおいちゃん、そろそろ行こう。では皆さん、さようなら」

わたしはそう言うと、クラリスやあおいちゃんと一緒に大公館を出た。前庭で

クラリスがハート型の乗り物を出すとあおいちゃんと一緒に乗り込んだ。そし

て、クラリス二世夫妻やクラリス一世達など見送りに来た人たちが手を振る中、

アガペーハートに乗ったわたし達は始めはゆっくり、それから速度を上げて上

昇していった。速度を上げると人々の姿もすぐに見えなくなった。間もなく、

待機していた星のトレインが見えて来た。わたし達が星のトレインに乗り込む

と、あおいちゃんが元気な声で言った。

「日本に向けてしゅっぱ〜つ〜！」

その直後、星のトレインの汽笛が鳴り響いた…

 

２３:３0（日本時間）

　星のトレインは予定通り神奈川県上空に達した。星のトレインが停車すると、

わたし達は小さな雲に飛び乗った。一方、クラリスはアガペーハートに乗った。

「ここで、お別れね。とても楽しかったわ。11月の結婚式でまた会いましょう」

「ええ。楽しみにしているわ。色々ありがとう。では、さようなら。」

「私も楽しみにしています。さようなら」

「さようなら。」

そう言うと、クラリスは迎えに来たバイオリン星国の星のトレインの方に向か

った…。一方わたし達は藤吉家に向かって降下していった…。

 

第三章「被災地に生まれた友情」プロローグに続く