コメットさんの日記(最新版)第7章「星の絆2その2「反撃x

主な登場人物:

コメットさん:13才。ハモニカ星国の王女。「瞳に輝きを持つもの」とさ

れるタンバリン星国の王子を探しに地球に滞在中。バトンによって「星力」

を使う事の出来る「星使い」でもある。「ひめさまほったらかし罪」で捕ら

えられたラバボーを助けるために星国に帰り、その裁判の証人となる。

メテオさん:13才。カスタネット星国の王女。コメットさんを追って同じくタン

バリン星国の王子を探しに地球に滞在中。ラバボーの裁判を傍聴する。

コメットさんのお母さん:ハモニカ星国の王妃。

コメットさんのお父さん:ハモニカ星国の王様。

クラリス王女:13才。ハモニカ星国最大の小星国、バイオリン星国の王女。

コメットさんの星国での一番の親友。ラバボーの弁護人。

ヒゲノシタ侍従長:ラバボーの裁判の裁判長。

ラバボー:コメットさんのお供&ペット。「ひめさまほったらかし罪」でハ

モニカ星国で裁判を受ける。

ラバピョン:ラバボーの恋人。スピカおばさまのお供。ラバボーを助けにコメッ

トさんに同行する。

カール:クラリスのお供。

ムーク:メテオさんのお供。ラバボーの主任弁護人。

三島圭佑(ケースケ):15才。コメットさんの大切な友達。世界一のライフセイ

バーとなる夢をかなえるためにオーストラリアに向かう。

 

12/2 11:00

 わたし達が法廷内に戻ると、既にほとんどの人が戻って来ていた。

「静粛に!それでは裁判を再開します。まず被告人入廷!それではムーク主任弁護人、被告人が無罪と思う理由を説明して下さい」

「ハイ。まずは同じつき人としての立場からお話ししたいと思います。裁判長、この裁判が終わってもずっとお仕事をされるのですか?」

「いや、まず一風呂浴びて、それから休むと思います」

「確かに、つき人には検察官の言われる通り、姫様と行動を共にし、その

お働きを助ける務めがございます。しかし、いつもそうなのでしょうか?

以下の先程のひめさまの番組のホームページの掲示板への書き込みのよう

に、時には休んでリフレッシュする権利がないのでしょうか?」

ラバボーの「ひめさまほったらかし罪」について

それまで姫さまのために尽くしたと言う事で恩赦と言う事で!

たまにはラバボーにも安らぎを!!

MZ1500さんの投稿より)

この点についてまずコメット様にお聞きしたいと思います」

「もちろん、その権利はあるわ。それにいつも一緒にいるからこそ、ラバ

ボーはラバボーだけの、わたしはわたしだけの時間も時には必要なの。だ

からわたしは一人でラバピョンの所に行くことを許可したわ」

「ありがとうございます。まあ、私の姫様はコメット様のように『たまには一

人でゆっくり休みなさい』なんて一度もおっしゃったことはございませんが

とムークさんは言ってメテオさんの冷たい視線に気付き、

「そ、それはとにかく、この後はバイオリン星国王女、ラ・クラリス・バイオリ

ン弁護人がご説明します」

と慌てて言った。

「それでは次にこれをご覧下さい」

とクラリスが言うと、ラバボーが吸い込んだ水でラバピョンが住んでいる森の火

事を消すシーンが映し出された。

「この時のことについてラバピョンに聞きます。ラバボーは何をしました

か?」

「森の火事を消してくれて、私を助けてくれたピョン。それがきっかけで

私はラバボーを好きになったのピョン。だからラバボーは何も悪いことは

していないのピョン」

これを聴いて今まで下を向いていたラバボーはラバピョンの方をじっと見た。

「次にこれを御覧下さい」

とクラリスが言うと、ラバボーが動物園の猿をオリに戻したシーンが映し出され

た。

「これは、『わくわく動物園』でコメット王女でもなかなかオリに戻せなか

ったサルを見事にオリに戻すことに成功した時のものです。次にこれは眠

っていて雲から落ちたイマシュンを助けたシーン。そしてこれはメテオ王

女様と一緒に海底に竜宮城を探しに行った時、ムーク主任弁護人と一緒に

メテオ様を助けたシーンです。同様のシーンはまだ他にもありますが、こ

れ位にしたいと思います。このようにラバボーはコメット王女ご本人はも

ちろん、その友達など周りの人々のお役にも十分立っているのです。更に

これをご覧下さい」

メモリーボールにはラバボーが星国に連れて行かれそうになった時、わたしがバ

ッタ人を説得するシーンが現れた。

「次にコメット王女にこの時のことをお聴きしたいと思います。あなたは

バッタ人に何と言われましたか」

「『ラバボーがいないと星力は集められないし、王子様も捜せない。だからラバボ

ーはわたしの役に十分立っているわ』というようなことを言ったハズです。でも、

後でわたしの番組を見ると、ヒゲノシタは本当は納得してくれなかったみたい。

でも今は違うわ。ラバボーはわたしの大切な友達。たとえわたしのために

何もしてくれなかったとしても、ただそばにいてくれるだけで、わたしは

元気になれるし、その笑顔を見ているだけで、嬉しくなれる。ラバボーの

存在そのものが、わたしにとって必要なんです

とわたしが言った時、法廷内の雰囲気がガラッと変わるのを感じた。

「ひめさま

そう言ったラバボーの目には涙が光っていた。そしてわたしはラバボーとの間に

細い『絆』が回復されたのを感じていた。わたしは更に言葉を続けた。

「ラバボーは大好きなラバピョンと一緒にいる時、一番輝いています。そ

の時、たとえわたしの事を忘れていたとしても、わたしはそんなラバボー

の姿を見ているのが一番嬉しいのです」

「次にこれをご覧下さい」

とクラリスの言葉の後、メテオさんの恋力を発動させた時の様子が映しだされた。

「これは先程、検察側の説明の時にも映されたものですが、ラバボーがメ

テオ王女の恋力を発動させた時のものです。このシーンについてカスタネ

ット星国王女、ムー・メテオ・カスタネット様にお聞きします。この時な

ぜラバボーを呼ばれたのですか?」

「私はただ、ラバボーに恋力を発動させるのを助けて欲しかっただけだわ。

別にワナなんかじゃなくってよ」

「恋力を発動させた後、どのように思われましたか?」

「なんだか、とってもいい気持ちだったわ。ラバボーとラバピョンに感謝

しなくっちゃね」

「ありがとうございます。次にコメット王女にお聞きします。今のシーン

を改めてご覧になって、またメテオ様のお答えを聴かれてどう思われまし

たか」

はい。今ではわたしとラバボーとの間には『心の絆』があり、たとえ離

れていても心は通じ合っています。わたしはたまたまあの場にいなかった

だけで、わたしがもし、一緒であれば、わたしの方からラバボーにメテオ

さんを助けるよう頼んだハズです

「つまり、ラバボーはあなたの許可なく勝手に行動したのではなく、むし

ろお役に立つことを自ら進んでした、ということになりますね」

「はい。そう思います」

「今のコメット王女のご発言は重要かと思いますので、リゲル長官、輝き

自然度チェックの結果をお願いします」

「問題ありません。なお、今の所、全ての方のご発言に特に問題はありません」

「それでは次に検察側が決定的証拠とした、あのシーンをもう一度見たい

と思います」

その映像が映された後、クラリスは再び言葉を続けた。

「更に、先のホームページの掲示板に寄せられた2つの投稿をご覧下さ

い」

するとメモリーボールに以下の文章が映し出された。

「ラバボーの「ひめさまほったらかし罪」について 

『わくわく動物園』の頃に、

「ラバボーはわからずやさんね☆」とひめさまに言われる程、とにかく任

務を遂行させるコトしか頭になかったボーだったなんて、「え〜、そうだっ

たっけ?」

と思う程、なんだか嘘みたいですね。

まさか、ラバピョンに会うまでホントにご飯食べてなかったとは思わなか

ったし(笑)

もっとも、"王子様探し" を「ひめさまの為」と考えていたというより早く

帰りたいから、ただ言われるがまましていただけの様に思えます。だから、

最初の頃のボーは、すごく子供みたいに見えていたのに比べて、今、自分

の頭で考えて気持ちに素直に行動する姿は以前よりも頼もしく見えて、コ

メットさんも時には対等な存在として、相談相手として頼るコトもあるん

じゃないかとも思えます。確かにフニャフニャになり過ぎて「もうちょっ

とシッカリせい!」と言いたくなるコトもたまに、いやしょっちゅうあり

ますが(笑)そんな素直になったラバボーを見るコトが、ひめさまにはと

ても嬉しいと思うので、本当のひめさまの幸せを願った時、結果的に一番

喜ばせるコトが出来るのであれば『ほったらかし』ではないのでは・・・

と考えますが。ゆえに私はラバボーの無罪を主張致します☆

(ちゃい25%さんの投稿より)

ラバボーの「ひめさまほったらかし罪」について

 私も上記の意見に同意です。ラバボーよりコメットさんのために、無罪。

(けっこうヒドい言いぐさかも?)

 どちらかというとラバピョンの方に、「それ」を前向きなパワーに変えて

いくための気遣いを期待したいな、とか思うです、はい。

(らいむさんの投稿より)」

「コメット王女。先程の映像をご覧になってどう思われますか?」

「わたしはラバボーから色んなことを教えられています。確かにラバボー

は自分の務めをいつもわたしに言われた通りにしていないかもしれません。

時には間違ったことやわたしの期待していないことをする事もあります。

でもそのことを通してわたしはもっと大切なことに気づかされたり、期待

以上のものをもらったりしています。今回の裁判を通してわたしは自分で

無意識のうちに、ラバボーを助けようと、一段高い立場にいたために、自

分ではそのつもりは全くないのにラバボーをかえって傷つけてしまったこ

とに気づきました。ラバボーごめんなさい。わたしはハモニカ星国の王女

として育てられてきたし、ラバボーはつき人だから、立場は違うし、仕方

がないと思うけれどでもこれからは心は同じ立場の、本当の友達として

一緒にいたい、と思います。ラバボーがもし自分の任務を忠実に行うだけ

だったら、今頃王子樣は見つかっていたかもしれません。でも、わたしは

今よりもっと輝きのない、つまらない『王女様』となっていたことでしょ

う。そんな人とは王子樣も結婚したいとは思わないと思います」

「ひ、ヒメさま〜あ〜」

 わたしがラバボーの方を見ると、ラバボーは上を向いて泣いていた。わたしは

ラバボーとの間の絆がいっそう太くなったことを感じた。

「これでもラバボーがもし有罪なら、わたしも『ラバボーを傷つけた罪』

で一緒にかんごく星に行きます!」

わたしは最後にそう言った。わたしは確かな「手ごたえ」を感じていた。

「コメット王女、ありがとうございました。なお、先程検察側が提出した

緊急アンケートの結果はこの裁判が始まる前のものであり、証拠としては

適当ではないと思います。今から5分程前の時点では国民3000人のうち

ラバボーが無罪と思う人が70.9%と、有罪と思う人の25.9%3倍近くに

なっています。また先程ご紹介した番組のホームページの掲示版にも、ラ

バボーが無罪と思う意見が約700件寄せられています。これらも証拠とし

て提出いたします。以上でわたくしの説明を終わります」

と言ったクラリスの目にも涙が光っていた。

「以上で双方の意見が出そろいました。これより、10分後に判決を言い渡

します。被告人は一旦退廷!」

とヒゲノシタの声が法廷内に響き渡った。

10分後、

「みなさん静粛に!それではこれから判決を言い渡します。被告人入

廷!」

とのヒゲノシタの声に廷内は静まりかえった。そして少し緊張した顔をしたラバ

ボーが被告人席に現れた。わたし達がかたずを飲んで見守る中、ヒゲノシタ裁判

長はついに重い口を開いて話し始めた。

「確かに、ひめさまの言われることもよ〜くわかります。しかし

『星国のからの命令』に背いて幾度も『役目を放棄』したのは事

実。よってラバボーは有罪!直ちにかんごく星行き

この瞬間、法廷内の空気が凍りついた。しかし、次の瞬間、

「ではなく、2度とこのようなことのなきよう、ひめさま

のお許しがない限り、一生ひめさまにお仕えするものと

する!!」

との声に法廷内は歓声に包まれた。

わたしは思わず

「ヤッタ〜!」

と叫んでラバボーのもとに駆け寄り、

「ラバボー!もう離さないよ〜!」

と言いながらしっかりと抱きしめた。ラバボーの顔は涙でぐちゃぐちゃになって

いた。

「コメット!!私達勝ったのよ!。よくやったわ」

「クラリス!どうもありがとう。あなたのおかげだわ」

「いいえ。私はほんの少し手伝っただけよ。あなたの最後の話、感動した

わ」

法廷内は熱気に包まれていた

 ところがそれから数分たって、廷内の興奮が少しおさまった後、ヒゲノシタ裁

判長の意外な言葉が聞こえてきた。

〜でよろしいでしょうか?王様」

「なんだね。ヒゲノシタ裁判長」

「みなさん、静粛に!。ですから、こんなところでよろしいでしょうか?

王様」

「あ〜もちろん。わしはこうしてコメットに会えればそれで

廷内はたちまち静かになった。これを聞いたわたしはちょっとムッとして、

「お父さま、どういうこと?」

と父に聞いた。父は慌ててちょっとバツが悪そうに

「そ、それは」と口ごもっていたのでわたしはたまらず、

「もしかして、わたしを星国に呼び戻すためにこの裁判を開いたの?ラバ

ボーとわたしをだましたってこと?」

と怒りをあらわにして問いかけた。

「イヤ、おまえをダマすつもりはなかったが

「ここは王様に代わって私がお答えいたします」

「マーズさん!」

「ひめさま。王様はこの8ケ月あまり、ずっとひめさまの事を心配しておられま

したが、ひめさまに会うことはおろか、満足にお話しすることも出来ず、大変寂

しい思いをされてこられました。そこへ、ヒゲノシタ侍従長よりラバボーの裁判

を開く許可を求められたので、許可をお与えになったのでございます。王様のこ

のお気持ちは親にならなければわからないかと思います」

次にヒゲノシタも口を開いた。

「ひめさま!この裁判を茶番だとは思われないように。マーズ輝き自然度

チェックビトが申し上げたように、この裁判は王様の許可を得て開かれた

正式のものでございます。それに、私は弁護側の意見が述べられるまでは

ラバボーを『かんごく星送り』にしなければならないかと思っておりまし

た。しかし、ひめさまの見事なお答えにより、考えが変わったのです。他

の裁判官も同じ意見でした」

「コメット様。初めまして。カスタネット星国裁判官のエウロパでございます。

いや〜実に見事なお答えで、感動いたしました」

「タンバリン星国のガニメデです。私もコメット様のお話しに感動いたしました。

本当に良いつき人をお持ちだと思います」

「わかったわ。でも

と言いかけたわたしをさえぎるように、

「それだけではないのだ、コメット。さっきはわしの言い方がマズかった。

あやまろう。それから、ラバボー。これまでの無礼を許しておくれ。でも、

私からも少し言わせてもらおう。コメット。おまえは私の『かわいい娘』

ハモニカ星国の王女なのだ。おまえは地球にいる間、どれだけ星国のこと

を考えていた?わしが見たところ、おまえは地球の人や物に夢中で星国の

ことなどほとんど忘れているかのようだった。でもその時おまえはここに

いた時よりももっと自分らしく、もっと輝いていた。わしはそんなおまえ

の姿を見ているのがとても嬉しかったのだ。だが、最近のおまえは少し元

気をなくしていた。そこでわしはおまえを星国に呼び、いかに多くの者が

おまえを慕い、おまえに期待し、おまえの身を案じ、無事に戻ってくるこ

とを願っているか、を知って欲しかったのだ」

「おとうさま、そこまでわたしのことを思ってくれていたなんてもしか

して、わたし、『星国の人ほったらかし罪』だってこと?」

「そうね。そうかもしれないわね」

「おかあさま!」

「でも、コメット。あなたは意識的にそうしたわけじゃないし、このこと

であなたを責めることは出来ないわ。ただおとうさまはあなたにここでリ

フレッシュしてもらってもう一度元気になって欲しかっただけ。そして、

地球に戻っても、もう少し家族や星国のことを思い出して欲しかっただ

けだと思うわ。ねえ、あなた?」

「おお、もう帰ってきていたのか。その通りじゃ」

「お母さま〜!」

とわたしは言って母の胸に飛び込んで泣いた。緊張の糸が一気に切れたようだっ

た。母は

「コメット。裁判の様子は私も時々見ていたけれど、良くやったわ。本当に大き

くなったわね」

と優しく言ってくれた。それからクラリスの方を見て、

「ありがとう。クラリス。コメットを助けてくれて後で話があるから私の部屋

に来てね」

と言った。

「わかりました」

「それではこれにて一件落着!閉廷します!」

ヒゲノシタの嬉しそうな声が廷内一杯に響きわたった

☆☆☆

 

12/2 15:00

 星のお城には2台の星のトレインが並んでいた。先頭がわたし、後のものがク

ラリスが乗ることになっていた。母はわたしにこう話してくれた。

「実はラバボーが、タンバリン星国の者達に捕まった事件から、タンバリン星国

の王子は地球ではなく、タンバリン星国にいるんじゃないかってうわさがたって

いるのよ。私がこれまで出ていた会議はそのことの対応を話し合うためのものだ

ったの。その結果、それを確かめにクラリスが行くことになったのよ。危険かも

しれないけれど、彼女が『私には優秀なカゲ人もついているし、心配はいらない

から行かせて欲しい』って言うものだから…」

 

「それじゃ〜行ってきます。おとうさま、おかあさま。クラリス、気をつ

けてね」

「わかってるわよ。あっちでは最初はミラさんの所にお世話になることに

なってるから、よろしく言っておくわ。だ〜いじょ〜ぶよ。コメット。

私には『おじさま』がついているんだから」

「おまかせ下さい。この命にかえても、必ずクラリス様をお守り申し上げます」

「おっと、このカールもお忘れなく」

「そうだね。あ、ヒデさん!」

「クラリス様。近くまで来たもので、ちょっとお見送りを、と思いまして」

「ありがとう。出会ったばかりなのに、残念だわ」

「では、これを差し上げましょう」

とヒデさんは言ってティンクルペンを取り出した。

「これはもう古くなって使わなくなったものです。記念にどうぞ」

「どうもありがとう。大切にするわ」

「クラリス、そろそろ時間よ」

とわたしが言うと、

「そうね。じゃああなたも気をつけて。タンバリン星国がまた動き始める

かもしれないわ」

「わかったわ」(ねえ、クラリス、あなたまさかヒデさんのことを…)

(ええ、わるい?彼は独身よ)「それじゃ〜さようなら」

「さようなら〜。ラバボーいくよ」

「ひめさま〜」

 わたし達は星のトレインに乗り込んだ。そしてすぐに2台の星のトレインはた

くさんの人が手をふる中を走り出した。たちまち星のお城が小さくなっていく

やがて後ろのトレインが向きを変え、ワープした。続いてこちらもワープする

 わたしはふたたび地球に向っていたあの最初に向った時のことがまるで昨日

のことのように思い出された。まだ見ぬ地への不安と期待に胸をふくらませなが

ら過ごした時のことを星のトレインの中でわたしはこれまでのことを思い返し

ていた。

この裁判は「ラバボーの罪」を裁くためのものではなく、本当はわたし

の隠された「心の闇」を明らかにするためのもの、それを通してラバボー

との間に、そして星国の人達との間に「心の絆」を回復させるためのもの

だったことに気づくと同時に、自分がいかに多くの人に支えられているか

も改めて知った。これからはもう少し、星国の人達の事も考えていこう、

そうわたしは決心した。

(ひめさま、間もなくワープアウトです)

5分後、わたしの目の前に青い地球の姿が見えてきた。

8「アフガンの輝き2に続く

 

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