「コメットさんの日記新たなる旅立ち地球(テラ)」プロローグ

2014 3/25

 みなさん、こんにちは。お久しぶりです。わたしは今、ハモニカ星国にいます。

でも3月31日に景太郎パパ達が5年ぶりに鎌倉に戻ってくるので、わたしもこ

れから地球に行く所です

 

コメットさん:26才。ハモニカ星国の王女。雪ノ下保育園の先生。自分の

将来について思いをめぐらすために一時星国に帰国していたが、かつてお

世話になった景太郎パパ達と再び一緒に暮らすため地球に向う。「星力」を

使う事の出来る「星使い」でもある。17才から「愛力」も使えるようにな

る。

あおいちゃん:11才。コメットさんのいとこ。スピカおばさまの娘。これ

までスピカおばさまと一緒に暮らしていたが、コメットさんと一緒に住む

ために鎌倉に「留学」する。

スピカおばさま:44才。コメットさんの毋の妹。八ヶ岳山麓のペンション

のオーナーのB

寧々(ネネ)ちゃん:17才。コメットさんがかつて地球でお世話になった

藤吉家の主人、景太郎パパ達のふたごの妹。移住していたオーストラリア

から鎌倉に向う。

剛(ツヨシ)くん:17才。同じくふたごの兄。

景太郎パパ:ツヨシ君、ネネちゃんの父親で建築設計士。オーストラリア

での仕事の契約が切れ、帰国することになる。

沙也加ママ:ツヨシ君、ネネちゃんの母親。景太郎パパと共にオーストラ

リアから鎌倉に向う。

ラバボー&ラバピョン:コメットさんのお供&ット。4年前結婚し、3

年前に子供が出来る。

ラバプー(ラ・ヴァルモット・プロバンス):ラバボー&ラバピョンの息子

なつねさん:26才。雪ノ下保育園の宇宙(そら)(年長)組の保育士。

コメットさんのお母さん:ハモニカ星国の王妃。初代コメットさんでもある。

コメットさんのお父さん:ハモニカ星国の王様。

 

10:00

「それじゃ、行ってきます」

 わたしは星のお城のプラットホームで見送りにきた両親に言った。

「また行ってしまうのか。元気でのう」

「元気でね。あちらのご両親によろしく。スピカにも」

「ええ。あおいちゃんと一緒に住めるのが楽しみです。おとうさま、おか

あさまもお元気で。ラバボー、ラバピョン行くよ」

 わたしはそう言って星のトレインに乗り込んだ。

「了解ダボー」「わかったのピョン」

 2人も続いて乗り込み、ドアが閉められた。「ボ〜!」汽笛が鳴り、列車がゆ

っくりと進み始める。わたしは窓から手を振った。汽車のスピードが除々に増し、

目の前に星空が広がった。7色に輝く星のお城がどんどん小さくなる。

「姫様、お元気で」)たくさんの星の子たちからの「こころの声」が届く。                      

「みんな、ありがとう〜」

 わたしは手を振りながら応えた。それから間もなく、汽笛が鳴り、星のトレイ

ンはワープしたー。

 

12:00

 星のトレインは地球の近くにワープアウトすると、日本に向った。しかし、今

回はまずあおいちゃんを迎えに行くことになっていたので、星のトレインは鎌倉

ではなく、スピカおばさまのペンションに向った。しかし、家の近くの上空が雲で覆われていたので雲の上で星のトレインを降り、ラバボーに乗り換えた。しか

し、

「ひめさま、これじゃどこにいけいいのかわからないボー」

とラバボーが困った顔で言ったので、

「取りあえず雲の下に降りて。後はバトンに聴いてみるから」

と答えた。

「わかったボー」

 ラバボーの声の後、わたし達は白い雲の中に飛び込んでいった。目の前が真っ

白になる。猛スピードで降りていくと、やがて雲が切れて真っ白な山なみが見え

てきた。

「お願い。おばさまの家を教えて」

 わたしがバトンに尋ねると、ピンク色の光の帯がまっすぐ伸びていった。

「光の差す方に行って」

「了解ダボー!」

 ラバボーの元気な声が山々にこだましたー。

12:20

 わたし達はおばさまの家のすぐ近くに来ていた。家の周りは深い雪に覆われて

いた。わたしはラバボーを降りると、ラバピョン、ラバプーが出て来るのを待っ

た。

「ひめさま、ボー達がいて大丈夫かボー」

「ええ。今日は修造さんは町に買い出しに出かけて夕方まで留守だ、って

おばさまが言ってたわ。さ、行くよ」

 わたしは玄関に向った。しかしドアの前まで来た時、突然ドアが開いたのでび

っくりした。

「コメットさん、こんにちは。待っていたの」

 よく見てみると小さい頃のわたしによく似た少女がほほ笑んでいた。

「あおいちゃん、こんにちは。お母さんは?」

「今来るわ」

 あおいちゃんが言った直後、おばさまが顔を出して言った。

「コメット、久しぶり。お昼まだでしょ?食べていかない?それからあお

いを行かせようと思うけど」

「はい、喜んで」

「コメットさん、こっち、こっち〜」

 あおいちゃんはわたしの手を引っ張るようにして食堂に連れて行ってくれた。

とても嬉しそうだった。

「あおいったら、昨日からこんな調子なのよ。私も初めて地球(ここ)に来る時は

おんなじだったけど」

「おばさまもそうだったんですか。わたしも初めて地球に行くことになっ

た時は、とってもワクワクしてたし…」

 わたしはほほ笑みながらそう話して、席についた。

「いただきま〜す!」

 楽しいお昼の時間が始まった

 

13:00

 お昼を食べ終わると、あおいちゃんは自分の部屋に戻り、やがて身の回りのも

のなどが入ったピンク色のリュックサックを背負って出て来た。一方、おばさま

からはあおいちゃんの服や藤吉家へのちょっとしたおみやげが入った紙袋を渡さ

れた。

「コメット。あおいをよろしくね。それからあちらのご家族にも。これを

渡してね」

 そう言っておばさまは封筒を差し出した。

「景太郎パパ達へのお手紙ですね。わかりました」

 手紙を受け取りながらわたしが言うと、おばさまは黙ってうなずいた。

「あおい、コメットやあちらのご家

族の言うことを良く聞くのよ。元気でね」

「ハ〜イ」

「どうしても寂しくなったら戻ってきていいから」

 おばさまはやさしく言ったが

「さみしくなんかならないもん!」

 あおいちゃんはちょっと強がっているかのように答えた。おばさまの顔をふと

見ると、涙がキラリと光ったように見えた。わたしにはわかっていた。おばさま

は本当はあおいちゃんではなく、自分自身に向けてあの言葉を言っていたこと

を…切なさがこみあげてくるのをふり払うようにわたしは言った。

「あおいちゃん、そろそろ、いこっか」

「ウン!お母さん、行ってきます」

「気をつけて。ラバピョン達も元気で」

「今日は久しぶりに会えて良かったのピョン。行って来ますピョン」

げてとラバピョンは言ってラバボー、ラバプーと一緒にティンクルスターの中に

戻っていった。

「おばさま、さようなら、また来ます」

「コメット、ありがとう。ではまた」

 わたし達はおばさまの声に促されるように外に出て、アガペー変身(ノーマル

バージョン)した後愛力で「星のトンネル」を出した。そして玄関で手を振って

いるおばさまに手をふってからトンネルの中に飛び込んだ。

 

13:10

 

 一瞬の後、わたし達は藤吉家の玄関先に出たが、いつもより長く感じられた。

「さあ、着いたよ。今日からしばらくここがあおいちゃんの家になるんだ

よ」

ウン。ウワ〜結構広いね」

 あおいちゃんは目を輝かせて言った。わたしは玄関のチャイムを鳴らした。す

るとなつねさんが出て来て言った。

「コメット、お帰り。あおいちゃん、初めまして。なつねです」

「柊あおいです。よろしくお願いします」

「なつねさん、妹さんは?」

「今引っ越し先にいるわ。大分片付いたけど、もう少し時間がかかるわ

ね。『明日引き継ぎをするから保育園に来てね』って有希先生が言ってた

わ。これがここのカギ。じゃあね」

 なつねさんはそう言って家のカギを渡してくれた。

「なつねさん、ありがとう。妹さんによろしくね」

 「ええ」

 なつねさんは門から出ていった。

「あおいちゃん、中に入ろう」

 とわたしが言うと、あおいちゃんは大きくうなずきながら

「ウン!」

と、言った。

 玄関から中に入るとわたしは早速あおいちゃんをかつて自分がいたあの屋根裏

部屋に案内した。部屋の中はわたしが最初にこの家に来た時のままだった、

「あおいちゃん、ここがあおいちゃんの部屋だよ。前はわたしの部屋だっ

ったんだけれどね」

「フ〜ン。そうなんだ」

「荷物はここに置いておいて。今度はわたしの部屋にいこ」

「ハ〜イ」

 こうしてあおいちゃんとの、新しい生活が始まった

 

3/31 15:00 

 ついに景太郎パパ達が戻ってくる日を迎えた。あおいちゃんは少しづつ新しい

生活に慣れてきているようだった。お昼を食べている頃、景太郎パパから空港に

着いた。という連絡があった。

「あおいちゃん、景太郎パパから電話があって、今空港に着いたところ

でもうすぐこちらに向うそうよ。15時すぎくらいにここに着くそうよ」

とわたしが言うと、

「ホント?早くツヨシさん、ネネさんに会いたい」

ともう待ちきれない様子だった。それからしばらくして、玄関のチャイムが鳴っ

た。あおいちゃんはそれを待ちかまえていたかのように飛び出していった。

「ただいま。こんにちは、あおいちゃん。藤吉家へようこそ」

「こんにちは。よろしくお願いします」

頭をペコリと下げてあおいちゃんは言った。

「こちらこそよろしく。どう?ここでの暮らしに少しは慣れた?困った

ことがあったら何でも言ってね」

「はい、コメットさんが色々教えてくれるので、少しは慣れてきたと思い

ます」

「あおいちゃん、久しぶり。これからは毎日遊べるね。と言っても春休みが終わったらそうもいかないけど」

「そうだね」

すっかり大きくなり、高校3年に編入するツヨシ君が言った。

「ツヨシさん、ネネさん、会いたかった!よろしくお願いします」

「じゃ〜とりあえずみんな中に入って。荷物を整理したら、夕食にはまだ

早いから、おやつかな」

「ハ〜イ!」

こうして、6人での新しい生活が始まった

第1章「王女からのメール」プロローグに続く

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