「新コメットさんの日記」第2章「ミラさんと星国の断食大会」

その2「決勝」

コメットさん：21才。ハモニカ星国の王女。ハモニカ星国に留学している

剛君、ネネちゃんのお世話をするために星国に滞在中。「第一回トライア

ングル星雲チャリティー断食大会」主催者。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ミラさん：20才。カロン君の姉。代々タンバリン星国王家に仕えるフィレ

ンツェ家の娘。プラネット王子の主任侍女。タンバリン星国に一時帰国し

たプラネット王子と一緒に星国に滞在中。断食大会決勝に進む。

カロン君：16才。ミラさんの弟。プラネット王子の主任侍従。断食大会決

勝に残る。

プラネット王子：23才。タンバリン星国の王子。星国に滞在中。

パウロ大司教：120才。（地球年齢65才。）ハモニカ星国の王家専属教

会星（センターチャーチ）の長。断食大会決勝に進出。愛力スーパーバー

ジョンを使うことが出来る。

ニック君：18才。ハモニカ星国の見習い料理ビト。星のお城で新人研修中。

一人前の料理ビトになる夢をかなえるために断食大会にエントリーし、決

勝に進出する。

剛（ツヨシ）くん：12才。景太郎パパ達のふたごの兄。ハモニカ星国に留学中。

断食大会に出場するが予選三日目でリタイヤ。

寧々（ネネ）ちゃん：12才。同じくふたごの妹。同じくハモニカ星国に留学中。

断食大会予選三日目でリタイヤする。

ラバボー＆ラバピョン：コメットさんのお供＆ペット。

メテオさん：21才。カスタネット星国の王女。コメットさんの後を追って星国に

滞在中。断食大会に出場するが最初の脱落者となる。

ジュノーさん：41才（地球年齢32才）。カスタネット星国の海底都市、アトラ

ンティワナの中心にあるアトランティワナ城の王族専用分娩室に勤務する看護婦

ビト。断食大会決勝に進出する。

テレサさん：24才。インドのコルカタ（カルカッタ）にあるカトリック教

会(コルカタ輝きの教会)の修道女。愛力スーバーバージョンを使うこと

が出来る。断食大会決勝に進出する。

マリヤさん：22才。テレサさんの同僚。断食大会決勝に進出する。

ジャン・ポール・トウルニエさん：56才。国際飢餓対策機構総主事。スイ

スのジュネーブ在住。愛力スーパーバージョンを使うことが出来る。

バーバラ・カーライルさん：35才。NYタイムスの新聞記者。参加者の一

人として断食大会を取材。決勝に残る。

織恵さん：22才。東京の私立大学の学生。ミラさんの良きライバル。第

30回全日本甘味王選手権でミラさんに敗れ、2位となる。断食大会決勝に

進出。

ハリー・アブドラ君：20才。アフガニスタン政府の国防相、ムシャラクさ

んの息子。政治学を学ぶため日本に留学中。断食大会決勝に進出する。

ジョン君：18才。ケニアの首都、ナイロビにある国立大学医学部の学生。

かつてコメットさんに助けられる。断食大会に出場し、決勝に残る。

チャック・スミスさん：29才。第40回全米大食い大会＆第15回全米断食大会

優勝者。断食大会優勝候補の一人だったが、予選初日でリタイヤ。

三島圭佑（ケースケ）：23才。コメットさんの「星の恋人」。世界一のライフセ

イバーとなる夢をかなえるためにオーストラリアで修業中。

5/19 12:10

「それでは次に決勝のルールを説明します。決勝はそれぞれの人がこれま

で住んでいた所で明日の12時（トライアングル星雲標準時間：日本時間と

同じ）から一ケ月間行います。みんなとお別れするのは寂しいけれど、明

日の朝、星のトレインでそれぞれが住んでいる所に帰ってもらいます。決

勝の基本ルールは予選と同じ、『食べ物を口に入れないこと』これ以外は

基本的に普段の生活をしていいのよ。ただし、お酒など、これまで飲んで

いた種類以外の飲み物は飲まないでね。それから、食べ物を口に入れてし

まった時や自分でもうガマン出来ない、と思った時に、このティンクルホ

ンで申告してもらいます。その時点で失格です。ティンクルホンは後でみ

なさんにお渡ししますが、失格したら返して下さい。また残っている人は

一週間に一度、ここに集まってもらいます。もちろんリタイヤした人も来

てもいいのよ。そして最後まで残った人が優勝です。最後は予選に参加し

た人みんなにここに来てもらいたいと思います。何か質問ある？」

　そうわたしが言った後、バーバラさんが手を挙げた。

「ハイ、バーバラさん。」

「輝き自然度チェックはするの？」

「今回もリタイヤは基本的に自分で申告してもらうけど、わたしは決勝に

残った人達みんなの輝きを信じているわ。だから別にしなくてもいいと思

うけれど、みんなの顔をいつも見れるわけではないので、ここで顔を合わ

せた時に、わたしがしたいと思います。決して無理はしないで下さいね。

ガマン出来なくなったらいつでも言って下さいね。それから、リタイヤす

べきか、判断に迷うことがあるかもしれないから、その時も連絡してね。

相談に乗るわ。後、このティンクルホンにはセンサーの機能もついていて、

万一の時にはこちらに知らせが行くようにもなっているから、いつも身に

つけていて下さいね。他に質問ある？―なければティンクルホンをお渡し

します」

　するとたちまちわたしの前に列ができた―

20:30

（私はテレサさん、マリヤさん、織恵さんと一緒に会場内でチャ（インド

などで飲まれる砂糖入りのミルクティー）を飲みながら楽しく語り合って

いた。話題の中心はやはり、誰が優勝するかということだった―）

「テレサさん、私はやっぱりあなたが優勝すると思うンですけど〜色々助

けて頂いたし、スーパーバージョンだって使えるのですもの」

「スーパーバージョンを使えるのは私だけじゃないわ。パウロ大司教だっ

て、それからジャンさんだって使えるのよ。私はジャンさんが優勝するか

もしれないと思うわ。あ、そうそう、ミラさん、あなたももうすぐ使える

ようになるんじゃないかしら。勘だけど」

「そ、そうですか―」

「私はミラさんの言う通り、テレサ、あなたが優勝すると思うわ。だって

いつも輝いているし、それに、私達の国は貧しいから星国の人や日本等の

人と違って普段から食べる量は少ないけれど、ここよりずっと過酷な環境

で暮らしているわ。私達にとってはここは天国みたいな所だわ―」

（テレサさんの同僚のマリヤさんがそう言った）

（テレサさん達のいるカルカッタは４〜５月が最も暑く、日中は40度以上になる時も珍しくないそうだ）

「ねえ、織恵さんはどう思う？」

「わからないわ。だって予選の時も予想つかなかったし、それに優勝する

のは、一人とは限らないでしょ？私は優勝するのは多分一人ではないと思

うわ。もしかしたら、ここにいる全員かも」

「そうかもしれないね」

「コメットさん！いつの間に―」

（私が振り向くとコメット樣が近付いてきて言った）

「みんな元気そうね。わたしは決勝に残った全員に優勝して欲しいけど

―」

「でも、もし全員がリタイヤしてしまったらどうなるの？」

「たぶんないと思うけど、もしそうなったら、一番最後まで残った人が優

勝だわ。じゃあ、明日は9時に集合して、９時半に出発よ」

「おやすみなさい。私達もそろそろ部屋に戻りましょ」

「ええ」

（私は部屋に戻ると早速殿下と対面し、決勝に残ったことを報告した）

「おめでとう。やっぱり僕が思っていた通りだったね。2人ともよく頑張

ったと思うよ」

「ありがとうございます。これも殿下が支えて下さったおかげです」

「明日からは決勝だね。一週間ぶりに君に会えるのがとても楽しみだよ」

「私も。殿下に早くお会いしたいです」

「ああ。決勝も期待しているよ。ではおやすみ〜」

「おやすみなさい。殿下―」

（私はティンクルウインドウを閉じると、これまでのことを思い返しなが

らしばしもの想いにふけっていた―）

（私は参加した当初、コメット樣がなぜこんな形の大会を開いたか不思議

に思っていたが、優勝候補と思われた人が次々とリタイヤしていくのを見

て、「これが断食大会としては一番ふさわしい形かもしれない。」と次第

に思うようになった。まず、過酷な条件下等で無理矢理食べさせようとし

たこれまでの大会と違って、和やかな雰囲気の中で食べ物が実にさりげな

く置いてあって、自然な形で食べ物に手が伸びてしまうようになっていた

こと。リタイヤした人も会場内に残ることにより、脱落者が多くなるにつ

れて普通に食べている人の数も多くなり、残っている者に次第にプレッシ

ャーがかかるように思われたことなど〜。これらのことを考えると、おそ

らくコメット樣は事前に周到な計算と準備をされてこの様な形式を選ばれ

たに違いない、さすが星国の王女だわ、そう私は思った―）

「ふ〜ン。なるほど。そっか〜。そういう考え方もあるのね。あ、カゲビ

トさん、ありがとう」「はっ」

「でも、ひめさま、本当は何も考えていないんだボー？」

「あはっ☆。バレた〜？☆わたしはただこの大会に参加したみんなが出来

るだけ楽しく過ごして欲しかっただけ。でも結果的に予選で９割近くがリ

タイヤしたわ。でもここまでリタイヤした人も含めて楽しんでくれたみた

いで良かった」

　わたしはそう言うとラブリン変身し、ケースケと対面した（挿し絵参照）。

「よっ。とうとう予選が終わったな」

「決勝には結局12人が残ったわ。思ったよりはすこし少なかったけれど〜でもみんな思った以上に楽しんでくれたみたいだわ」

「で、誰が残った？」

「まずミラさんとカロン君。それから〜」

　わたしは予選の結果をケースケに報告した。

「そうか〜。テレサ修道女、やはり残ったか。ツヨシとネネは残念だったけど…。

ニック料理ビト、よく残れたな。最年少だろ？」

「いえ、最年少はカロン君よ」

「そうだったな。あの２人もよく頑張ったな」

「ええ。思った以上だったわ。最初はどうなることかと思ったけど、ミラ

さん、予選の間にずいぶん変わったと思うわ」

「ふ〜ん。明日からの決勝も楽しみだな。お前もがんばれよ。じゃ〜おやすみ」

「おやすみなさい。ケースケも今度の大会に向けての練習、頑張ってね」

「ああ」

　わたしはティンクルウインドウを閉じると間もなく寝てしまった―

5/20 9:00

（私はいつものように起きて帰る支度をするとカロンと一緒に会場に向っ

た。会場内は既にたくさんの人が来ていた。私達が来てまもなく、コメッ

ト樣が正面に来られて口を開いた）

「みなさん、お早うございます。今日でみなさんともひとまずお別れです。

９時半に星のトレインが出発します。ここに残る人達を除いたみなさんは

４つのグループに分かれて乗ってもらいます。まず、地球から来た人で決

勝に残った人は1号車に、それ以外で地球から来た人は2号車に乗って下

さい。それからタンバリン星国から来た人はみんな3号車に、そしてカス

タネット星国から来た人はみんな4号車に乗って下さい。列車に番号が書

いてあるからみなさん、乗り間違いのないようにね。決勝に残った方々に

は一週間後、その他の方々には一ケ月後に会えることを楽しみにしていま

す。ここまでとっても楽しかった。みんな、ありがとう！」

（会場内は大きな拍手と歓声に包まれた）

「それではこれからグループに分かれてもらって、それからみなさんを星

のトレインの発着するホームまでご案内します。第1グループ（地球から

来た決勝進出者）は手前のわたしから見て左側に、第2グループは手前の

右側に、第3グループは会場奥の左側に、第4グループは会場奥の右側に

集まって下さい」

（コメット樣がそう言われた後、私はカロンと一緒に第3グループの集合

場所に向った―）

ﾊ

5/20 9:40

（星のトレインは９時半に予定通り1号車から出発していった。私は、タ

ンバリン星国に向かう3号車の中で再びもの想いにふけっていた）

（「私なんかがどうして決勝に残ったのだろう―」決勝に残った他のメン

バーの顔ぶれを思い出して私はつくづくそう思った。私は食欲をコントロ

ールするのは比較的得意だと思っていたが、今回の大会ではあまり役に立

たなかった気がする。私は断食大会に出るのは今回が初めてだし、普段か

ら断食をしたり、食べる量が少ないわけでもなく、テレサさんのようにス

ーパーバージョンが使えるわけでもない。結局今の時点では自分がどうし

て予選を通過出来たのかよくわからなかった。でも、一つだけ分かってい

ることがある。それはここに残れたのは決して自分の力だけではない、と

いうことだった。私は少なくとも３回、コメット様やテレサさんに助けら

れている。それ以外にも、殿下や織恵さん、カロンなどたくさ��の人が私

を支えてくれていた）

「お姉ちゃん、なにボ〜ッとしてんの。もうすぐ着くよ」

「え？ああ〜ありがとう」（私がふと気がつくと、王宮のある、タンバリ

ンエネルギー星系第３惑星のタンバリン星が大きく広がっていた）

10:00

（私達が王宮につくと、殿下が迎えに来ていた！私は感激のあまり思わず

抱きついてしまいそうになるのをこらえて殿下の手をとった）

「やあ、思ったより早かったね。決勝進出おめでとう。久しぶりに君の顔を見れ

てとても嬉しいよ」

「ありがとうございます、殿下。私も久しぶりにこうしてお会い出来てと

ても嬉しいです」

「カロン。君もよく頑張ったね。決勝も期待しているよ」

「ありがとうございます。これも殿下のおかげです」

「決勝は12時からだったね。それまで少し休んだ方がいいな」

「私は大丈夫です」「私も」

「ではミラ。君は私と一緒にプライベートルームに来てくれ。予選の様子をゆっ

くりきかせて欲しいんだ」

「はい！殿下！」

「カロン。君は夕方の記者会見に備えてくれ。今回決勝に進出したのは君達だけ

だからな。19時からレセプションルームで行われる。もちろん私も同席するよ」

「わかりました」

（それから私は殿下といっしょにプライベートルームに向った―）

12:00

「どうやらみんな無事に自分の家に戻れたみたいね」

「ひめさま。いよいよ決勝が始まるボー」「楽しみなのピョン」

「そうだね。あ、そろそろお昼だよ。食堂に行こう」

　わたしは決勝進出者に渡したティンクルホンからの映像から目を離してそう答

えた。

　その頃ニック君は昼食の準備で大忙しだった。

「おいニック、この料理をそのワゴンに載せてレセプションルームに運んでく

れ」

「はい！」

　ニック君はそう元気よく答えるとワゴンと一緒にエレベーターに乗り込んだ。

いい香りが鼻をくすぐる。その時急に忘れていた空腹感が襲ってきた！

（うっ…）

　ニック君が思わず顔をしかめた時、エレベーターのドアが開いた。ニック君が

急いで降りると、

「ニック君、こんにちは。だいじょうぶ？少し顔色が悪いみたいだけれど」

　とわたしは言った。わたしは35階の王室専用食堂に行くのをやめ、エレベー

ターでそのまま下に降りていた。

「ひめさま！どうしてここに？」

「ちょうどこれから食堂に行く所よ。―どう？まだ頑張れる？」

「ハイ、なんとか―」

「良かった。でも無理はしないでね。」

　わたしはそう言ってエレベーターに乗り込んだ。

「ひめさま―」

　ニック君はそのドアをしばし見つめていた―。

5/27 9:50

　あれから一週間が過ぎた。3日目にジュノーさんがリタイヤした。どうやらこ

の日はとても忙しく、体力的に限界だったようだ。しかし今の所この外にリタイ

ヤした人はいなかった。（さすがみんな決勝に残るだけのことはあるな）そ

うわたしは思った。

「コメット様。失礼します。ミラです。カロンも一緒です」

　みんなが集まる予定の１０分前、ミラさんの声が聴こえた。

「どうぞ」

「失礼します」「失礼します。まだ誰も来てませんね」

「でももうすぐ星のトレインが到着するはずよ」

　それから間もなく、ニック君とパウロ大司教が、そして10時少し前に地球か

らの人達がわたしの部屋に集まってきた。

ﾊ

「みなさん、お早うございます。今日は３日目にリタイヤしたジュノーさ

んは忙しくて来れないのでみんなによろしくとのことでした」

「コメット、今日はこれから何をするの？」

とバーバラさんが尋ねた。

「まずみんなのこの一週間の様子を一人10分以内で話してもらいます。

それからお茶をして、13時位からになると思うけれど、２〜４人位のグル

ープに分かれてそれぞれがしたい事をする、という風な感じにしたいと思

います、だからお茶の時間が終わるまでに自分または他の人と一緒にやり

たい事を決めておいて下さいね」

「ハ〜イ！」

みんなの声がこだました―。

13:00

　それからわたし達はみんなの話しを一人づつ聴いた。テレサさんからはこの一

週間はとても暑く、前半は最高気温が40度前後の日が続いたが、後半に入って

雨が降るようになって暑さが和らいだこともあり、何とかリタイヤせずにすんだ

事を聴いた。一方、ジャンさんの住むジュネーブでは最高気温が15度を超える

ようになってよ�､やく春本番となり、花が咲き乱れていることを聴くなど、同じ

地球でも場所によって随分様子が違うことを改めて知った。その後みんなでお茶

などを飲んだが、この日はわたしもみんなの前では食事をしないことに決めてい

た。

「それではこれから17時位までの間、グループに分かれてもらいます。

その後もう一度集まってもらってその時のことなどを話してもらいたいと

思います。そして18時に星のトレインが出発します。では―」

とわたしが言いかけた時、

「ひめさま、すみません。実は―」

とパウロ大司教の声が聞こえた。

「なあに、パウロ大司教」

「大変残念ではあるのですが、私はここでリタイヤしたいと思います。若

い頃にはよく断食もしていましたが、最近では長く続けられなくなってき

ました〜。私ももう120才になります。やはり歳には勝てないようです。

でもここにおられるみなさま方のお話しも聴けて、とても楽しく過ごす事

が出来ました。ありがとうございます。ひめさま」

「そう。―これでもう自由に食べることが出来るわ。お疲れさま。からだ

には気をつけてね。まだここにいる？」

　わたしはティンクルホンを受け取ると言った。

「いえ、そうしたい所ですが、帰ってしなければならない仕事がございま

すので、これでおいとまいたします。では〜」

　そう言ってパウロ大司教はドアの外に消えていった。

「ひめさま、これでとうとう１０人になったボー」

「そうだね。では改めてグループに分かれたいと思います〜」

「あ、コメットさん、すみません」

「なあに、ハリー君？」

「ええと、外に出てもいいんですか？」

「ええ。17時までに戻ってこれればOKよ。でもあんまり遠くへ行くと戻

って来れなくなるかもしれないから、このハモニカ星国内にしてね。それ

から18時までには必ず戻って来てね。これを過ぎると失格になるわ」

「わかりました」

　わたしがみんなに聴いた所、テレサさん、マリヤさん、ミラさん、織恵さんの

グループと、カロン君、ニック君、ハリー君、ジョン君のグループ、そしてジャ

ンさんとバーバラさんの３つに分かれる事になった。そしてテレサさん達の第一

グループはインドと日本の料理を作ることになり、カロン君達の第二グループは

星力を使って行うティンクルサッカーを、そしてバーバラさん達の第三グループ

は星国の人達にインタビューをすることになった。

「ではみんな行ってらっしゃい！」

「行って来ます」「行って来ます」―そう言ってみんなは次々と部屋を後にし

ていった。わたしは早速ミラさんのこころの声を聴いてみた。―後編に続く―

 

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