新コメットさんの日記　第４章「星国のサーキット」その１「予選」

コメットさん：21才。ハモニカ星国の王女。ハモニカ星国に留学している

ツヨシ君、ネネちゃんのお世話をするために星国に滞在中。

剛（ツヨシ）くん：12才。コメットさんがかつて地球でお世話になった藤

吉家の主人、景太郎パパ達のふたごの兄。ハモニカ星国に留学中。サーキ

ット星で行われた第1000回トライアングル星雲ティンクルロボットレー

シング大会公式練習中にツヨシロボとこころを通わせることが出来るよう

になる。

ツヨシロボ：全長約５０m、全幅約２０m。ツヨシ君の操縦するティンク

ルロボ。ツヨシ君の良きパートナーとなる。

寧々（ネネ）ちゃん：12才。同じくふたごの妹。同じくハモニカ星国に留

学中。ツヨシ君と一緒に公式練習に参加する。

沙也加ママ：40才。ツヨシ君、ネネちゃんの母親で、第1000回ティンク

ルロボットレーシング大会地球予選で４９位となり、ツヨシ君、ネネちゃ

んとともに公式練習に参加する。

パンダ隊長：65才。（地球年齢41才）ハモニカ星国防衛軍最高司令官でテ

ィンクルロボット隊隊長。第999回ティンクルロボットレーシング大会優

勝者。ツヨシ君、ネネちゃんにティンクルロボの操縦法を教える。

アンタレス長官：ハモニカ星国の警察ビト長官で第1000回ティンクルロ

ボットレーシング大会ハモニカ星国予選１位。

イマシュン：２３才。メテオさんの恋人。第1000回ティンクルロボット

レーシング大会カスタネット星国予選第１位。

プラネット王子。２４才。タンバリン星国の王子。第1000回ティンクル

ロボットレーシング大会タンバリン星国予選第１位。

Dr-GIYさん：40才。埼玉県内の大学のロボット工学科助教授。愛機不知

火に乗り、第1000回ティンクルロボットレーシング大会地球予選第２位。

青連者さん：28才。都内の会社のエンジニア。トライアングル星雲から

５００万光年離れたトランスバール星国で造られたベオウルフに乗って公

式練習に参加する。

サーシャさん：トランスバール星国で創られたアンドロイド。テレパスリ

ンクにより青連者さんの操縦をアシストする。

イマジンカイザ―さん：２１才。都内の大学４年生。ティンクルロボット

レーシング大会公式練習でも最下位となる。

 

前半　７／７　9：００　

（それから僕はツヨシロボと一緒に練習を重ね、お互いをより良く知ると

同時により強い「絆」で結ばれるようになった。それに伴って一周のタイ

ムも次第に良くなっていった。そしてついに予選の日がやってきた。僕は

早めに起きてお母さんやネネ達と一緒に朝食をすませると、コメットさん

に言った）

「じゃあ、先に行ってくるね」「行ってくるね」

「ツヨシ君、ネネちゃん、行ってらっしゃい。わたしも後から行くけど、

今日は２人とも頑張ってね。沙也加ママ、２人をよろしくお願いします」

「ええ。でもロボの操縦に関しては、この２人の方が私よりうまいわ。私

はついていくのが精一杯だと思うわ」

「ママったら」

「ハハハ〜」「ハハハ〜」

（みんなの笑い声がこだました。それから３人で駐機場に行き、９時１５

分に他の参加者達と一緒にサーキット星に向かった。９時２０分過ぎに会

場に着いた時には既にメインスタジアムは約１００万人の観客で超満員だ

った。９時半に会場内の控室に集合した約２００名の参加者の前にパンダ
隊長が出て来て言った）

「みなさん、おはようございます。大会実行委員長のパンダです。１０時

にスタ―トいたしますので５分前までにロボに搭乗していて下さい。みな

さん準備をよろしくお願いいたします。スタートの位置は先日と同じです。

健闘を祈ります」　　　　

「オー！」

（みんなの歓声がこだました）

 

　9：５０

（僕はネネと母と一緒に会場入りし、自分のロボに向かった。するともの

凄い歓声の中、司会者が出て来て言った）

「みなさん、お早うございます。本日の司会者のゴンです。これから大会

主催者のパンダ隊長に第１０００回トライアングル星雲ティンクルロボッ

トレーシング大会の開会を宣言して頂きます」

「皆さん、お早うございます。大会実行委員長かつ前回優勝者のパンダで

す。これより第１０００回トライアングル星雲ティンクルロボットレーシ

ング大会を開会いたします」

「ワー！オー！」

（会場内はもの凄い熱気と歓声に包まれた）

「では、まだロボに搭乗していない選手は、ロボに搭乗して下さい。これ

より予選参加者の紹介をいたします。まず、第９９９回ティンクルロボッ

トレーシング大会優勝者、ディフェンディングチャンピョンのパンダ隊長

〜！」

（司会の声にパンダ隊長が手を振ると、会場内の歓声が一段と大きくなっ

た。隊長及びそのティンクルロボの姿は会場内のメモリーボールからの映

像にも大きく映し出されていた）

「続いて本大会ハモニカ星国予選第１位、アンタレス長官〜！」

（パンダ隊長には及ばないものの、大きな歓声があがった）

「次にハモニカ星国予選第２位―第６位ヒデ選手！」

（ヒデさんが乗ったロボが手を振ると、なかなか大きな歓声が上がった。

それからハモニカ星国代表選手の紹介が続き、最後に僕達が紹介された）

「そして特別参加者としてひめ様のご親友であり、現在ハモニカ星国に留

学中のツヨシ選手とネネ選手！」

（僕達が乗ったロボが手を振ると、ひときわ大きな歓声が上がった。とて

も気持ち良かった）

「次に本大会カスタネット星国予選第１位、今川瞬ことイマシュン選手

〜！」

（ロボに乗ったイマシュンが手を振ると、今までの中で一番大きな歓声が

あがった。それから予選第６位のエウロパ教授、第４０位のへの５号、最

下位のへの６号などが紹介された）

「続いて本大会タンバリン星国予選第１位、プラネット殿下〜！」

（王子が手を振ると、イマシュンに次ぐ大きな歓声がわき起こった。

　「それからタンバリン星国予選第２位、ジュピター王子 〜！」

（大きな歓声の中、タンバリン星国からの参加者が次々と紹介された。最

後に地球からの参加者が紹介された）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　

「それでは最後に地球からの本大会参加者をご紹介します。まず、本大会

地球予選第１位、大空愛（かける）選手〜！」

（メタルスーツロボが手を振ったが星国ではさすがに地球程有名ではない

らしく、今回は初めての参加ということもあって、それほど大きな歓声は

上がらなかった）

「次に、予選第２位、Dr.-GIY准教授、アシスタントのアスカ選手も一緒

です！」

（GIYさんの乗った不知火が決めポーズのシコを踏むと、どよめきと、と

ても大きな歓声に包まれた。「さすが（これまで何度も参加している）GIY

さんだ」と僕は思った）

「次に、予選第３位、ミカエル・シューマッハー、第４位、ラファエル・

シューマッハー、第５位、デビット・シューマッハーのシューマッハー３

兄弟です！」

（３兄弟は星国でも有名らしく、それぞれのロボが手を振ると、さっきと

同じ位の大きな歓声があがった。スクリーンには３人のキリッとしまった

カッコイイ顔も映し出されていた）

「それから、予選第６位、アイルトン・ゼナ選手〜！」

（甘いマスクのゼナ選手が手を振ると、これも大きな歓声があがった）

「続いて、予選第７位、おなじみ青連者選手とアシスタントのサーシャ選

手、トランスバール星国から来たベオウルフです！」

（「３人」が手を振ると、これまでで最大の歓声がわきおこり、１分近く続

いた）

「それから、予選第８位、アラン・ブロスト選手、予選第９位、ティンク

ルロボのアストロ・アテムです！」

「ツヨシロボ、アストロ・アテムの搭乗者はだれ？」

（搭乗者が紹介されないので僕は不思議に思って尋ねた）

「ああ、このロボは搭乗者を必要としないのですよ。ツヨシ様。ちなみに

製作者はお茶の水大博士です」

「そうなんだ」

（僕は感心して言った）

「次に、予選１０位、コンコルド・ジョー選手、予選１１位、大鷲郷選手！」

（鳥のような独特のコスチュームに身を包んだ２人が手を振ると、歓声が

上がった）

「次に、予選１３位、ティンクルマジンガー搭乗の兜光二選手、予選１４

位、九州工科大学の内海英人教授です！」

（あれがDr-GIYさんの最大のライバル、ティンクルマジンガーか。カッ

コイイ！予選１２位の片山左京選手の紹介の後、紹介された搭乗者とロボ

を見ながら僕は思った）

「ツヨシ様。あのティンクルマジンガーはモーションキャプチャーという

独特の操縦方法で動きます。ご注意を」

「どういうこと？」

「操縦者の身体の動きに合わせて動くので特にスタンバイモードでは素早

い、また微妙な動きが可能です。ただ、フライモードではそれほど威力は

発揮しないと思われますが〜」

「そうなんだ」

（それから２０位の篠原健太郎選手、２５位のティンクルダイナマイザーに乗る竹下勇人選手などが紹介された後、ママとイマジンカイザーさんが

っ紹介された）

「そして、予選４９位、地球代表からでは紅一点、藤吉沙也加選手―特別

参加のツヨシ選手、ネネ選手のお母さんでもいらっしゃいます―と予選最

下位、イマジンカイザー選手です！」

「あ、ママだ。オ〜イ！」「オ〜イ！」
（大歓声の中、僕もネネもそう言って力いっぱい手を振った。ママも一瞬

気付いたようだった。一方、イマジンカイザーさんはちょっと緊張してい

るようにも見えた）

「以上、合計２００機の参加者の紹介を終わります。皆さん、参加者にい

ま一度大きな拍手をお願いいたします。約３分後にスタートしますので選

手の皆さんはロボをフライモードに変型させ、スタート位置について下さ

い」

（司会者の声の直後、会場全体が震えるような大歓声に包まれた）

「―ツヨシ様」

「あ、ごめん、ティンクルロボ、Fry!」

(ツヨシロボの言葉にふと我に返ってロボを変型させ、スタート位置につい

た。全身に緊張が走る）

「カウントダウンを始めます。スタート３０秒前―２０秒前―１０、９、

８、７―」

(これが本番か―僕はまっすぐ前を見つめながら、練習の時とは全然違う緊

張感に包まれていた。周囲は水を打ったように静かとなり、皆かたずを飲

んでスタートの瞬間を待っていた。体がぞくぞくしてくる）

「６、５、４、３、２、１、スタート！！」「ティンクルロボ、GO!」

(僕はアクセルを踏み込み、ロボを発進させた。体が一瞬フワっと浮かぶよ

うな感覚があり、直後にジェットコースターで下に降りる時のような感覚

があった。僕はこの瞬間がとても好きだった）

「各機一斉にスタートしました！ン？あ、今イマジンカイザーロボがス

タートしました、1.5秒遅れです」

(緊張のためか、イマジンカイザーさんだけがスタートが遅れたようだった。

その頃早くもパンダ隊長、Dr-GIYさん、ベオウルフ、アンタレス長官、

アイルトン・ゼナなど２０機程が先頭集団をつくりかけていた。僕はその

すぐ後ろにピッタリと着きながら、更にスピードを上げていた。すぐ後ろ

にはネネロボが、少し後ろにはたくさんのロボの姿があった。一方ママの

ロボはかなり後ろの方に見えるだけとなっていた。）

「スタートして２０秒経過、現在先頭はグレート不知火とパンダ隊長のロ

ボです。ほとんど並んでいます。あ、後ろからイマシュンロボが迫ってき

た！間もなく追い付きそうです。先頭は間もなく最初の難関、上クランク

に達します。お〜ット、ここでイマシュンロボが先頭に出た！」

「ツヨシロボ、スピードダウン！」

「了解！」

（ツヨシロボの声と同時に僕はブレーキをかけ、クランクに備えた。この

頃にはロボ自身の減速に合わせてブレーキがかけられるようになり、より

早くこまめに減速出来るようになっていた）

「あ〜ット！ここでイマシュン選手、クランクを曲がりきれず、壁に激突

しました！スピードの出し過ぎか、トップは再びパンダ隊長と不知火、そ

してすぐ後ろにメタルスーツロボとティンクルマジンンガーがいます！」
「ツヨシロボ、急上昇！」

「了解！」

（イマシュンロボと同様に何機がコースアウトした。僕は最初のクランク

を通過するとすぐ、機体をまっすぐ急降下させ、スピードをあげた。ここ

でも少なくとも十数機が壁に激突するなどしてコースアウトした。思った

より難しい）

「ようやく第３集団が最初のクランクに向かいます。おっと、先頭のロボ

が壁に激突、コースアウトしました。あ、今度はタンバリン星国からのロ

ボ同志が接触、いずれもコースアウトしました。そして今、最下位のイマ

ジンカイザー選手のロボが先頭と２０秒差でクランクを通過しました。現

在１６７位です」

（僕達は次のクランクを通過すると、今度は上昇に転じてヘアピンカーブ

に入った。後続の何機かが、カーブを曲がりきれず、コースアウトした）

「お〜ット、ここでツヨシロボ、先頭集団に追い付いた！現在先頭集団は

約３０機です。トップはグレート不知火、すぐ横にメタルスーツロボとパ

ンダ隊長がいます。おっと、後ろからベオウルフが上がって来ます、現在

ティンクルマジンンガーを抜いて第４位です！あ〜ット、ヘアピンカー

ブ手前で藤吉沙也加選手リタイヤ！」

「エ！ママが―」（僕はショックを隠せなかった）

「ツヨシ様！」

（ツヨシボロの声に僕ははっと我にかえると、すぐそばに光の壁が迫って

きていた。僕はすぐにハンドルを右にきってロボを回避させた）

「ありがとう、ツヨシロボ」

「どういたしまして。あ、ネネ様からご連絡です」

「お兄ちゃん、ママが〜」ネネの声は今にも泣きそうだった。

「ネネ、泣くな、これからは僕達だけで頑張るんだ。ついてこれるか」

「お兄ちゃん―やってみる」

「よし、ツヨシロボ、今度は右に上昇、ヘアピンカーブを抜けるぞ」

「了解！」ツヨシロボの元気な声が響いた―

 

　７／７　１０：０３　

（僕達はヘアピンカーブを抜けた後、急上昇カーブに差し掛かっていた）

「現在先頭はグレート不知火、すぐ後ろにメタルスーツロボとベオウル

フ、パンダ隊長のロボがいます。一方、最下位グループはヘアピンカーブ

に入り始めています。あ〜ット、ここでヘの６号のロボがヘアピンカーブ

に激突、現在最下位のイマジンカイザーロボが１５６位に上がりました」との司会者の声が入って来た。

「ツヨシロボ、減速しながら上昇の準備、合図と共に上昇しながら加速し

て一気にスタート地点に向かう」

「了解！ツヨシ様。何とか先頭に追いつけるよう、努力します」

「たのんだぞ、よし、ティンクルロボ、急上昇！」

「了解！」

（ロボの声と共に機体は斜め上に上昇し、カーブを抜けると、グングンス

ピードを増した。僕もアクセルをほぼいっぱいに踏みこんだ。ゴールすぐ

手前で先頭の４、５機が見えてきた。少し前にはティンクルマジンガーが

いた）

「ツヨシ様。ゴール直後の急降下にご注意を。もうそろそろ減速して下さ

い」

「わかってる」僕はアクセルを少しゆるめながら答えた。

「さあ、間もなく先頭が２周目に入ります！現在グレート不知火とメタル

スーツロボが激しく先頭争いをしています。今、グレート不知火が１分

４５秒６６７、メタルスーツロボが１分４５秒７６１で通過、続いてパン

ダ隊長ロボが１分４５秒８１５、ベオウルフが１分４５秒９２３、アンタ

レス長官のロボが１分４６秒１２７、ティンクルマジンガーが１分４７秒

３８７、ツヨシロボが１分４７秒８９６、アイルトン・ゼナのロボが１分

４９秒０１２、アストロ・アテムが１分５０秒７８７、ミカエル・シュー

マッハーのロボが１分５０秒８８６で１０位で通過しています。以下ジュ

ピター王子が１３位、プラネット王子が１５位、ネネ選手が１分５５秒７

８９で２０位、ここまでが先頭集団です。それから内海教授のロボ、RX-

7が１分５８秒１２４で２１位、ラファエル・シューマッハー、デビット・

シューマッハー選手が２５、２６位、篠原健太郎選手のロボが４０位、カ

ロン選手のロボが５０位、ここまでが予選通過ラインです…そして現在最

下位のイマジンカイザーロボがトップと約１分差の２分４５秒４４３で

通過しました。…１４２位です！」

（スタンド付近のコースを各参加者のロボがものすごいスピードで通過

すると会場内はもの凄い熱気と歓声に包まれた）

「おっと、ここでイマジンカイザーロボのスピードがグングンあがってい

ます！前を行くロボを次々と抜き始めました。現在１３３位です。あ〜ッ

ト、イマジンカイザーロボを避けようとして一機がコースアウトしまし

た！しかしこの走りはコントロールがきかなくなっているのでしょうか

？」―

「イマジンカイザーさん、だいじょうぶかな」

　わたしは少し心配になってイマジンカイザーさんのこころの声を聴い

てみた。

―「うワワワワワ〜ぶつかる、どいてくれ〜」

　イマジンカイザーさんは操縦席で必死にブレーキをかけようとしてい

た。どうやら、ブレーキがきかなくなってしまったらしい。下り坂の終点

が近付いてくる。わたしは思わずイマジンカイザーさんのこころに呼びか

けた。

（イマジンカイザーさん、落ち着いて。だいじょうぶだよ）

「ひめさま〜」

　イマジンカイザーさんはハッと我にかえると、アクセルから足を離し、

ブレーキを思いっきり踏んだ。するとロボは減速しはじめ、急上昇カーブ

を何とかクリヤーすることが出来た。

「フ〜」

　わたしとイマジンカイザーさんのため息が重なった―。

―「イマジンカイザーロボ、ここで大きく順位を上げました！現在トップ

と１分５秒差の１０８位です！」

（司会者の声と共に歓声が大きくなった。そのころ僕達はヘアピンカーブを抜け、最後の直線コースに入り始�ﾟていた。歓声が更に大きくなる）
「一方、現在先頭はメタルスーツロボで、すぐ後ろにグレート不知火がピ

ッタリついています。更にそのすぐ後ろにベオウルフとパンダ隊長のロボ

がほぼ並んでおり、少し後ろにティンクルマジンガーとアンタレス長官ロ

ボ、更にその後ろにツヨシロボとアイルトン・ゼナのロボ、ミカエル・シ

ューマッハーのロボがいます。ここまでが１０位以内です。まもなく先頭

が３周目に入ります！―今、メタルスーツロボが３分２５秒７９８、グレ

ート不知火が３分２５秒８１８、ベオウルフが３分２５秒８６５、パンダ

隊長ロボが３分２５秒９１０、ティンクルマジンガーが３分２６秒１５３、

アンタレス長官ロボが３分２６秒１６８、ツヨシロボが３分２６秒４５７、

アイルトン・ゼナのロボが３分２６秒６６７、ミカエル・シューマッハー

のロボが３分２６秒８８９で通過しました！」

（僕達は大歓声が上がるスタンドのわきを通過した。「いよいよ残り一周。

次が勝負だ」と僕は思った）

「続いてアストロ・アテムがトップと約６秒差で１０位、プラネット王子、

ジュピター王子のロボが１１、１２位、RX-7が３分３６秒７５７で１４

位、ラファエル・シューマッハー、デビット・シューマッハー選手が２０、２１位で通過しました！―カロン選手のロボが４０位、ネネロボが４７位、篠原健太郎選手のロボがトップと約５５秒差の５０位で通過しました！

―そして今、イマジンカイザーロボが４分３８秒１２５の９５位と大きく

順位を上げて通過しました！現在残っているのは１２１機です」

（その頃僕達はヘアピンカーブを抜け、急上昇カーブに迫っていた。先頭

にはグレート不知火とメタルスーツロボ、ベオウルフがほとんど並んでい

て、すぐ後ろにパンダ隊長のロボがあり、その少し後ろに僕のロボとア

ンタレス長官のロボ、ティンクルマジンガーが激しく５位争いをしてい

た）

「ツヨシロボ、上昇しながら左コーナーにまわりこんで２人を抜こう」

「了解！」

（ツヨシロボは旋回しながらうまくアンタレス長官ロボとティンクルマ

ジンガーの左に回り込むことが出来た。そして急上昇カーブを出る頃には

２機を引き離してパンダ隊長のロボに追い付いた）

「よし、ツヨシロボ、最後の直線でパンダ隊長をかわそう、スピードアッ

プ！」

「了解！」

（ロボのスピードがどんどん上がってくる。しかしパンダ隊長とのわずか

な差は一向に縮まらなかった。一方、直線コースに入ってすぐ、これまで

パンダ隊長のすぐ前にいたベオウルフが突然スピードを落とし始めた）
「ツヨシロボ、右に回避！」

（僕達はベオウルフをひらりとかわすと、更に加速しながら前の３機を追

った）―

「青連者さん達、どうしたんだろう」

　わたしはベオウルフがスピードを落とし始めたのに気付いて、今度は青

連者さんのこころの声を聴いてみた―.

―「ク、くっそ〜もう少しだったのに〜」

「マスター、これ以上の加速は私を熱くさせ、星力の暴走を引き起こすお

それがあるので仕方ありませんよ」

　ベオウルフが青連者さんをなだめるように言った。どうやらシステムに負荷が

かかりすぎて星力のコントロールが効かなくなりそうになったらしい。しかしス

ピードダウンによりそれは回避出来たことを知り、少しほっとした。

「このまま予選は通過出来そうだし、次頑張ればいいじゃないですか、青

連者さん」

「サーシャ、確かにそうだな。ン、今テレパスで何か言わなかった？」

「いえ、私ではありませんが―」

「あ、そう。おかしいな〜。気のせいかな〜」

　わたしが星力で呼びかけたのに気付かず青連者さんは不思議そうに言

った…。

（その頃僕達はゴールに近付いていた。すぐ前にはグレート不知火、メタ

ルスーツロボ、パンダ隊長のロボが３つどもえで先頭争いをしていた。外

には美しい星空が広がっていた）

「ツヨシロボ、何とか先頭に出れないかな」

「ウ〜ン。これ以上はスピードは出せませんし〜予選突破は確実ですから

〜」

「さあ、いよいよ先頭が間もなくゴールです。現在メタルスーツロボ、グ

レート不知火、パンダ隊長のロボがほとんど並んでおり、５０m程後ろに

ツヨシロボがいます。さあ、このままゴールするのか、お〜ット、ここで

パンダ隊長のロボが加速、今、５分２秒１６８でゴール！！続いてグレー

ト不知火が５分２秒１７０、メタルスーツロボが５分２秒１７１、ツヨシ

ロボが５分２秒１７６、ティンクルマジンガーが５分２秒７８６、アンタ

レス長官ロボが５分２秒９８７、アイルトン・ゼナのロボが５分３秒

２１２、ミカエル・シューマッハーのロボが５分４秒３３５、ベオウルフ

が５分４秒５７５の９位でゴール！続いてプラネット王子のロボが５分９

秒５８５、RX-7が５分１０秒０１２、ジュピター王子が５分１０秒

３３２、ベガ巡査長のロボが５分１１秒１４５、ルナ巡査のロボが５分

１３秒７５６で、エウロパ教授のロボが５分１５秒２３２で、ヒデ選手の

ロボが５分１７秒４４５の１６位でゴール！続いてラファエル・シューマ

ッハー、デビット・シューマッハーが１７、１８位で、マーズ輝き自然度

チェックビトのロボが１９位、ステラ選手のロボがトップと約２２秒差の

２０位で、カスタネット星国軍最高司令官のロボが２１位、ティンクルダ

イナマイザーが２５位、カロン選手のロボがトップと約４０秒差の３０位

で、ニック選手のロボがトップと約５０秒差の３５位でゴールしました！

そして今、４０位で篠原健太郎選手のロボがトップと約１分差でゴールし

ました！現在予選通過ラインギリギリの５０位は九州産業大学の大和田教

授が操縦するティンクルおじゃる丸で、少し後ろにイマジンカイザーロボ

が迫ってきました。現在５１位です。ゴールが迫ってくる、ティンクルお

じゃる丸、逃げ切れるか�Aどうやらこのままゴールしそうです、ア〜っと、

おじゃる丸、ゴール直前で失速、コースアウトしました！！何ということ

か、これで、イマジンカイザーロボがトップと約１分１７秒差の６分１９

秒３６５の５０位でゴ〜〜〜ル！ギリギリで予選を突破しました！」

（司会者が言い終わると、会場は大きな歓声に包まれた）

「やった、ツヨシロボありがとう、予選を突破出来たよ」
（そう僕が言うと）

「いえ、やはりツヨシ様の操縦のおかげです。腕をあげられましたな」

（そうツヨシロボが答えた。僕はうれしくなって）

「ツヨシロボ、決勝もよろしく」

（と言って操縦桿を握って軽く前に倒した）

「いえ、こちらこそよろしくお願いいたします、ツヨシ様」

「ハハハ〜」

（それから自然と２人の笑い声が重なった…）

「決勝」に続く―