「コメットさんの日記新たなる旅立ち―地球(テラ)へ―」

第３章「被災地に花開く友情」エピローグ

 

コメットさん：26才。ハモニカ星国の王女。雪の下保育園の先生。石巻マンガ

館で行われた復興イベントにあおいちゃん、凪さんと一緒に参加する。

あおいちゃん：11才。コメットさんのいとこ。スピカおばさまの娘。鎌倉に

「留学」中。コメットさんと一緒に石巻マンガ館に向かい、凪さんといっしょ

に復興イベントで行われるヒーローショーに出演する。小学５年生。

石森凪さん：12才。石巻マンガ館の近くに住んでいた少女。両親を津波で

失い、高台に移り住んだことで友達を失うが、コメットさん達と出会い、

復興イベントで行われる「石巻カイト」のヒーローショーに出演する。

小学６年生。

石の森久美子さん：31才。コメットさんが震災時にお世話になったNGO

「石巻フィレオの会」代表。震災の時に助けられたことをきっかけに石の森

カイトさんと結婚。復興イベントの司会を務める。

石の森カイトさん：46才。石巻マンガ館館長。「石巻カイト」のヒーロー

ショー主演。

石森渚さん：48才。凪さんの伯母さん。凪さんと一緒に訪れたコメットさん達

を優しく迎える。

石森淳さん：52才。凪さんの伯父さん。コメットさん達と共に復興イベントの

会場に向かう。

 

2014 11/３　１８:００

　復興イベントが無事終了し、わたしたちは帰り支度をしつつ、１日を振り返

っていた。

「あおいちゃん、今日は何が一番楽しかった？」

「ヒーローショーも楽しかったけれど、やっぱり漫画家さん、特に長井清さん

とのトークショーかな。普段なかなか聴けない話が聴けて良かった…」

と、あおいちゃんは目を輝かせて話した。

「私はヒーローショーが一番楽しかった、水上バイクに乗ったカイト、

かっこいい！私も乗ってみたかった…」

「中学生になったら、乗せてくれるかも」

そうわたしが言うと、凪さんは目を輝かせて

「本当？だったら来年が楽しみ」

と嬉しそうに言った。

「来年、わたしから頼んでみるよ」

「ありがとう。来年もよろしくお願いします」

そう凪さんが言うのを聞いて、わたしは胸がいっぱいになった。その後すぐに

身支度を終えたわたしとあおいちゃんはアガペー変身すると、野外ステージに

向かった。そして見送りに来ていた人々に向かって

「カイトさん、久美子さん、皆さん。この３日間どうもありがとうございました。

２日間のイベントも、とても楽しかった…」

「今までお世話になりました。私もとても楽しかったです。また来年も来たい

です」

と言った。これに対して

「コメットさん、あおいちゃん、こちらこそ、来てくれてありがとう。イベント

も成功して、助かりました。また来年も待っています」

「私からもありがとう」

「コメットさん、あおいちゃん、うちに来てくれて、また、凪の友達になって

くれてありがとう。またいつでも泊まりに来て下され」

「２人ともどうもありがとう。２人が来てくれて、凪もとても喜んでいます。

来年もぜひ来てね」との返答があり、最後に凪さんが

「コメットさん、あおい。この３日間どうもありがとう。あおいとは

『ほんとうの友達』になることが出来てとても嬉しかった…。来年も来て欲しい

けど、今度手紙を書くから…」

と少し寂しそうに言った。

「凪、わかった。必ず返事を書くから…」

そう答えたあおいちゃんの目にも涙が光ったような気がした。それから間もなく、

わたしはラバボーを呼び出し、あおいちゃんと共に乗り込むと、皆が手を振る中、

大空に向かって飛び出した…

 

第４章「ウイルスとの戦い」　プロローグ「クラリスの結婚式」に続くー